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先祖返りの吸血鬼は、気ままに研究がしたい  作者: 月輪林檎
領主

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街作りの経過報告

 翌週。セレーネは、ゴーレムの最終調整を進めていた。コアによる制御で、【座標指定】の設定を細かく変えさせる事に成功。細かい凹凸にも対応する事が出来るようになっている。

 輸送用魔動列車の方は、レールに沿うように作られており、レールの敷設も整地を行いながらされているので、このような問題は起っていない。

 最終試験で、壁沿いを走らせてコアの制御が上手く出来ているのを確認した後、セレーネは最終決定した設計図を描いていく。

 そこにマリアナがやって来た。


「セレーネ様。壁の建設が終わりました」

「あっ、今日終わったんだ。もう二、三日は掛かると思ってた」

「門の配置などは早めに終わらせておいたため、後は壁を建てるだけでしたので、そこまで時間は掛かりませんでした。総合研究室の研究棟も予定通り二日後に建設完了します。ナタリアの自宅は既に建設を終えましたので、明日から明後日の間にナタリアは引っ越しをします。

 また、壁の建設が終わったため、本格的な街作りが始まります。今日は、その相談のために来ました」

「そっか」


 セレーネは設計図を描く手を止めて、マリアナと話すために空いているテーブルに着く。


「大通りは、セレーネ様の屋敷の敷地まで続くようにしています。ですが、門から直線で繋ぐ訳ではなく、ある程度分かれ道を用意しています。この大通りは、中央を魔動車が通る道、脇の道を人が歩く道としています。歩道と車道という形です。横断するための歩道も用意しており、信号を出す魔術道具により、魔動車や横断を止める形になります」

「うん。こっちの製造は外部?」

「いえ、ナタリアが製造中です。こちらである程度弄る事が出来るようになった方が良いので」


 信号機の整備などの面を外部に任せるのは、街のインフラ維持のためにはあまり好ましくない。ナタリアが製造し、整備方法などのマニュアルを作れば、この街で完結する事が出来る。


「港町の方は?」

「壁の建設が終わり次第始まります。ナタリアの大型船の設計図も出来ていますので、造船所ができ次第製造を開始します。海洋調査の結果、多くの漁獲量はかなり期待できると思います」

「そっか。根刮ぎはやらないようにね」

「はい。心得ています。また、役所は来週中に完成予定です。募集した住民や職員などの面接も行います。またギルドの方も既に申請を受けていますので、そちらの建設も始まります。諸々の費用はあちら持ちです。あちらからの願いですので。

 そのため、この街での条例を出しておきました。特に聖域周りのものを知らせております。これで違反者が出た場合に処罰は可能です」

「取り締まりはベネット達?」

「はい。衛兵と騎士に任せます。即座に死刑にも出来るようにはしておりますので、ご安心を」

「安心して良いのかな……」

「これもあり、騎士団の厩舎及び拘置所なども建てております。ギルドの方も合わせて完成は来月になるでしょう。ギルド側とは、フィアンナが窓口となっています。こちらが優位に立つようにしていますので、ご安心ください」


 ギルド側から、セレーネが治めるカルンスタイン領に対して建設をさせて欲しいという申請を受けている。そのためカルンスタイン領からの招致という訳では無いので、その費用はギルド側となる。

 ギルドは、カルンスタイン領との繋がりを持つために、費用を払ってでも建設させて欲しいという交渉をしていた。この理由はセレーネが有名な研究者であり、様々な道具を開発している事からその恩恵を受けやすくするためと近くに学術都市が建設されるという話が出ており、学生がギルドに登録して冒険者が増えるという目論見があった。

 フィアンナは、それを承知して申請を受けた。ギルドが出来て冒険者が活動する事が、街周辺の安全に繋がるため、ここで申請を断る理由がなかった。


「そっか。後は居住区の用意と農業区の用意かな。工房はどう?」

「現在半分程でしょうか。半月後には、完成するという事を伝えてあります」

「じゃあ、こっちに来たら挨拶しないとね」

「逆です。あちらから挨拶に伺わせます。セレーネ様のお立場をお考え下さい」

「むぅ……」

「農業区に関しては、少々方針を変更しようと考えています。こちらをご覧ください」


 マリアナがテーブルに地図を広げる。そこにはこの街、学術都市とは別に街に隣接する円形の壁が三つ存在した。


「一回り小さい?」

「はい。こちらは農業区です。基本的に畑と農家の家のみが広がります。この農業区とこの街に隣接している円は、食料加工区というところでしょうか。農業区で生産した農作物を食料加工区に運び、加工。街で売るという形になります」

「加工する業者と農家は別?」

「兼業するのは構いません。それだけの人数がいればの話になりますが。こちらは工業区です。街にある工房とは異なり、同一製品の大量生産や鉱石などの製錬など自動化出来るものをこちらでやる予定です」

「自動化出来るの?」

「セレーネ様は、こちらの分野にあまり興味がありませんでしたね。製錬などは、既に自動化が出来ています。いえ、正確にはセレーネ様がやっておられるような自動化ではなく、素材を投入し人が管理をしながら製錬するという形です」

「ふ~ん……完全自動化する? 思考機というか【思考演算】のコアを使えばある程度出来るよ。スライム製造機と同じようなものだから」


 セレーネの提案にマリアナは少しだけ悩む。ここもセレーネに頼むべきかという悩みからだ。そんな悩んでいるマリアナを、セレーネは期待の籠もった目で見る。それは、ただただ作りたいという意思が籠もったものだった。

 それを受けて、マリアナは苦笑いする。


「分かりました。総合研究室を通して、セレーネ様にこちらの研究をお願いします。大型のものになっても構いません。施設が大きくなりますので」

「うん! そうしたら、ゴーレムの部品も自動化出来るかもしれないし」

「ああ、なるほど。そういう目的でしたか。取り敢えず、工業区が出来上がるまでの期間でお願いします」

「うん! 頑張るね!」


 セレーネは新しい研究内容が出来た事を喜んでいた。そこから細かい部分の報告を受ける。セレーネが治める街の開発はどんどんと進んでいく。

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