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先祖返りの吸血鬼は、気ままに研究がしたい  作者: 月輪林檎
領主

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屋敷完成

 二週間後。セレーネの屋敷が完成したため、砦からの引っ越しが始まった。引っ越しも全て【空間倉庫】に荷物を入れるため大掛かりな移動にはならない。リーナ率いるメイド達は既に移動しており、先に内部の掃除などをしていた。セレーネ達は後から魔動車で移動する。

 そうして移動していると、セレーネの目に高い壁が見えてきた。


「入口って一箇所?」

「はい。侵入のための道を減らす事で、安全性を高めています。お嬢様の【空間転移】ありきの設計というところでしょうか」

「ふ~ん……まぁ、レッドグラスと繋がる空間転移装置を付ける予定ではあるけど。輸送用じゃないから、お父様に許可取りするだけで良いみたいだし」


 壁には大きな門がある。その理由は、セレーネ達が乗っているような魔動車で中に入る事が出来るようにするためだ。その横には人が出入りするための小さな門もある。これらを使い分けて出入りするようになる。

 壁の外にはいくつものテントが張られていた。そこにベネットの姿もある。セレーネは魔動車の窓を開けて顔を出す。


「ベネット、中にテント張っても良いよ」

「ん? いや、こっちの方が、もしもの時に対応しやすい。門の開閉がないからな。内側でシャワーでも借りられれば問題ない」

「そう? じゃあ、後で簡易シャワーを出して設置しておくね」

「おう。助かる。もうナタリアがやってくれたけどな」

「そうなの? じゃあ、大丈夫そうだね。これからよろしくね」

「おう」


 ベネット達騎士団は、外への警戒のために壁の外で待機する事にしていた。配置は門番、壁の外、壁の内、壁の上という配置をローテーションするという形だ。内部には女性騎士が基本的に配置される。これはセレーネ達への配慮だ。

 宿舎も完成していない関係でテントでの生活になるため、門の内側に簡易シャワー室とトイレを建てて衛生面だけはよくしておく事にするべきと判断したセレーネだったが、先入りしているナタリアが同じように判断して設置済みとなっていた。

 ベネット達に手を振って内部に入る。すると、正面に大きな屋敷が建てられていた。視察で何度か見ているセレーネも、少しだけ圧倒されていた。


「凄いわね……」


 あまり視察には出ていないフェリシア、ユイ、ミュゼルは、自分達が住む屋敷を見て同じように驚いていた。大きさでいえば、城とは比べものにならない。だが、屋敷として考えれば、ウルトラマリン家、ルージュ家の本家よりも大きい。驚いたのは、公爵家、侯爵家、伯爵家よりも遙かに大きな屋敷となっているからだった。


「半分は実験棟ですので、実質的には半分が屋敷と呼ぶべきかもしれません」

「ああ、なるほど。そういう事なのね」

「フェリシア達の実験室もあるよ。これで本格的に錬金術とかが出来るね。楽しみ」

「その前に引っ越し作業だよ。スピカさん、セレーネをしっかりと動かして下さいね」

「う~ん……自信はないけど頑張ってみる」


 マリアの言葉に、スピカは自信なさげに頷く。マリアはフェリシアの手伝いをし、カノンはユイとミュゼルの荷物を【空間倉庫】に入れているので、セレーネの手伝いが出来ない。必然的にスピカが手伝いになるのだった。

 スピカと共に屋敷の右側最上階に向かったセレーネは、その中央にある部屋に入る。最上階に住むのは、セレーネ、フェリシア、ユイ、ミュゼルの四人。セレーネが三分の一を占有し、残りを三分の一ずつそれぞれの部屋としている。

 家主であるセレーネが一番広く占有するのは当然の事であるためにそうなっていた。それぞれの部屋に土間があり、そこで靴を脱いで入るようになっている。土間の傍には大きな靴箱が置かれており、そこに靴を仕舞っていく形になる。

 さらに、それぞれの部屋にトイレと洗面所が備え付けられている。寝室は隣にあり、そこは、前のセレーネの部屋と同じくらいの広さとなっていた。


「無駄に広い」

「こちらはセレーネ様が生活するスペースですね。お着替えなどもこちらでする事になると思います。またカノンが基本的にいるのもこの部屋になるそうです」


 まだ家具は全て置かれていないが、大きなタンスはいくつも置かれていた。セレーネのドレスなど仕舞うべきものは沢山あった。スピカは、ゴーレム一号が運び出してくるセレーネの荷物を整理していく。セレーネは広い部屋の中を探索している。


「ねぇ、スピカ、こっちの扉は? 鍵が掛かってるんだけど」

「そちらは下の階に繋がっている扉です。この下の階がカノンの部屋になっていて、下から上ってこられるようになっているのです。カノンが管理するので、鍵を掛けてあるようですね」

「ふ~ん……まぁ、カノンがすぐ来られる方が良いか。あっ! ここにクロの場所作って良い!?」


 セレーネは家具が全く置かれていない広い場所で跳びはねながらスピカに確認する。


「はい。クロの部屋も一応用意はされていますが」

「ここまで広いなら一緒で良いよ。じゃあ、こっちに作っちゃうね」


 セレーネは【空間倉庫】からクロのためのエリアを作り始める。自分の事に関しては人に任せるが、クロの事などになると自分で動くのがセレーネだった。クロのために新調したクロのベッドなどを配置している。


「クロのおもちゃも大きいのを用意しないと。お気に入りは後で持ってくるとして、こんな感じで大丈夫かな。スピカ、後どのくらいで終わる?」

「荷物の運び出しは既に終えているようですので、クロちゃんを連れてきても大丈夫ですよ」

「じゃあ、行ってくるね」


 セレーネは【空間転移】で王都の別邸に転移した。自分の部屋に直接転移したため、クロがいる部屋に転移した事になる。そこにミレーユがいたため、セレーネは少し驚いていた。


「お母様」

「セレーネ。おかえりなさい。今日もお買い物?」

「ううん。クロを迎えに来たの。屋敷が完成したから」

「にゃ~!!」


 ミレーユと遊んでいたクロは、迎えに来たという言葉を聞いてセレーネの周りを回り始める。


「大分早く完成したのね」

「うん。人が増えて一気に作ってくれたから。お母様も来る?」

「そうね。見てみたいわ」

「じゃあ、一緒に行こ!」


 セレーネは、クロのおもちゃを回収してから、ミレーユとクロに触れて【空間転移】で自分の屋敷に転移した。

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