ちっちりーは守れない
朝の城門。青空。
ここは ふつう国。
門の前に立つちっちりー。背は小さめ、真面目な顔。
ちっちりーは おしろの もんばんです。
周りをよく見るちっちりー。
つよくは ないけど かしこくて せいじつ。だれよりも はしるのがはやい。
でも……
急に青ざめる。
もじもじする足元。
すぐに おしっこが したくなります。
城門と城下町の家までは遠い。
あんしん できるのは いえの トイレだけ。
走るちっちりー。
いって かえって 10ふん。
でも役人に見つかる。
「はなれたね」
しょんぼり。いつもより軽いお茶碗。
ごはんは すくなく なりました。
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次の日
今日も、足元をもじもじさせるちっちりー。
そこへ うんぶりーがやってきて ちっちりーに話しかける。
「ぼくとうを わすれたんだ」
おしっこのついでに もってきます!
かわりに もんを まもってね!
城下道を素早く走るちっちりー。
今日は役人に怒られませんでした。
門の前で2人でご飯。
おひるを わけっこ。
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別の日。
へっぷりーが困り顔。
「だいじな まきものを わすれた」
かわりに もんを まもってね!
ありがとう。
今日は3人でご飯。
また いっしょに たべました。
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また別の日。
多くの人がちっちりーに話しかける。
「これを かってきて」 「てがみを とどけて」
門の前に集まる人たち。
みんな足の速いちっちりーにお遣いをお願いしに来ました。
もんは みんなで まもっておくよ
ごはんでもたべながら
門には毎日皆が集まり一緒にご飯を食べるようになりました。
戻ってくるちっちりー。
みんながいる。トイレにいっても だいじょうぶ。
陰から様子を見る役人。
「……なるほど」
役人、少し困った顔で。
「きまりは きまりだが……」
人が集う城門を見渡す。
「まもられて いるな」
夕方。
ちっちりーとみんな。
もんを まもるのは ひとりじゃ ない。
(おしまい)




