へっぷり―は忍べない
朝。お城、町、人々がそれぞれの仕事へ向かう。
ここは ふつう国。 みんな すきな しごとを して、 ごはんを もらって くらしています。
武士、役人、忍者、殿が出勤のために並んでいる。
ぶしも にんじゃも やくにんも とのも
ぜんぶ「しごと」です。
忍者たちが静かに歩く中、ひとりだけぷくっと丸い忍者。
このおはなしの しゅじんこうは―
へっぷりー!(にっこり)
壁走り、逆立ち、影に溶けるへっぷりーは何でもできる。
へっぷりーは くに いちばんの にんじゃ。
うごきも あたまも ばっちりです。
でも……
静かな廊下。しーん。 へっぷりーがそーっと歩く。
……プッ プッ プッ プッ
へっぷりーの後ろで鳴る小さな音の波に、まわりの忍者たち、ずっこける。
おならがとまりません。
****
汗だくで修行中のへっぷりー。
へっぷりーは れんしゅう しました。
修行場に「成功!」「失敗!」の札。
……プッ スカ プッ プッ スカ スカ スカ……
できた!
……プッ
****
役人がメモを見てため息。
「うで は さいこう……」 「でも おと が……」
ごはん配り。忍者たちが受け取る。 へっぷりーも並んでドキドキ。
しごとが できないと ごはんは すこししか もらえません。
でも今日は……
静かな廊下。しーん。 へっぷりーがそーっと歩く。
……スカ スカ スカ……
おとをださずにろうかをわたれました!
ごはんを たっぷりもらう へっぷりー。
きょうも へっぷりーは にんじゃでいられました。
夜、布団の中のへっぷりー。
あしたもがんばるぞ……
スカ スカ スカ
プッ
(おしまい)




