第11章〜第19章
11-ⅰ)芽生えの時〜レイの憂鬱
11-ⅱ)芽生えの時〜ルークの憂鬱
11-ⅲ)芽生えの時〜師匠の足跡
11-ⅳ)芽生えの時〜ルークの心変わり
11-ⅴ)芽生えの時〜失恋
第11章「芽生えの時」は物事の始まりだ。
妹たちが新しい人生に入り、自分の手から離れて行く予感がするレイ。
ルークはサクとの対話をキッカケに人生が変わり、サクはすでにイグナスによって新しい知識を与えられている。人が変わる時というのは、他から何かしらの影響を受けているものなのである。
そして、「失恋」はルークの失恋もあるが、美夜の失恋でもある。彼女自身は失恋を認めていないが、ローゼンとの会話では彼女はローゼンの言っている事が最後まで呑み込めないまま終わる。ローゼンが帰るまで一口もコーヒーを飲めなかった事や、飲み物がローゼンとは異なるのは、その象徴である。奇しくも、後のローゼンと華夜との間でも分かり合えない会話が繰り返された。→14-ⅱ)
投稿前の章のタイトルは「移ろい」で変化を意識した言葉だったが、今のタイトルで新しく始まる予感を与えた。
12-ⅰ)標的〜西南の名物王子
12-ⅱ)標的〜衝撃
12-ⅲ)標的〜暴露と告白
12-ⅳ)標的〜イグナスの愛弟子
12-ⅴ)標的〜弱気な王子
12-ⅵ)標的〜挫かれた野望
第12章「標的」ではサクが西南の名物王子であるカーミルに狙われたり、領主に命を狙われたり、ヒカルにも狙われていたと知るが、サクだけが「標的」ではない。
ある意味では領主や姫たちに狙われるローゼンも標的である。そして、ローゼンはマフディーを説得すべく、彼を標的としているのだ。さらには、領主もローゼンの標的として、野望を挫かれた。
13-ⅰ)吸引力〜惹かれ合うは似た者同士
13-ⅱ)吸引力〜初恋
13-ⅲ)吸引力〜名は体を表す
13-ⅳ)吸引力〜厄介な者たち
13-ⅴ)吸引力〜人たらしな商人と働く王子
第13章「吸引力」は人の心を惹き付ける力としての意味を持たせた。
似た者同士はローゼンとサクだけの事ではない。屈託ない笑顔を見せるハッサンも、育ちも個性も違えどローゼンと同じく腹黒さが無い。
ローゼンとサクは二人とも初恋でも幻滅終了するほど、似た者同士で惹かれ合っている。
また、ローゼンはあらゆるものを惹き付ける。その強運で運命的な名前をサクによって付けてもらう一方で、お邪魔虫なサクの姉たちや、カーミルまで引き寄せる。
14-ⅰ)雁字搦め〜それぞれの思惑
14-ⅱ)雁字搦め〜美夜のプライド
14-ⅲ)雁字搦め〜レイの怒りとサクの涙
第14章「雁字搦め」は束縛を受けて身動きが取れない事を言う。
サクはローゼンと仲良くなったが為に別れがつらくなるので早く祖国へ帰りたいのだが、姉たちの結婚問題がサクが望むような展開にならず、もどかしい。
ローゼンはサクと和の国へ行きたいが、事情があって今はファルシアスを離れられない。
事態が自分に不都合な方向にしか向かわない美夜は、とうとう不満が爆発。さらには本人の与り知らぬ所でも周りを巻き込み、レイとサクはそんな身勝手な姉妹の為に苦しむ。
15-ⅰ)羽ばたく〜絶縁
15-ⅱ)羽ばたく〜呪縛からの解放
15-ⅲ)羽ばたく〜スペアの役割
15-ⅳ)羽ばたく〜王子の買い物
第15章「羽ばたく」は自由になる物語。姉妹との縁を切った事でサクもレイも呪縛のような因縁から自由になるだけでなく、カーミルもスペアという呪縛から解放され、新しい人生に入る。
16-ⅰ)運命の悪戯〜育まれる愛
16-ⅱ)運命の悪戯〜三羽烏の事情
16-ⅲ)運命の悪戯〜遭遇
16-ⅳ)運命の悪戯〜接触
16-ⅴ)運命の悪戯〜英雄は突然に
第16章「運命の悪戯」では奇しくも、ローゼンとサクの関係が深まってゆく。サクの元姉妹は日頃の行いの悪さから人生がさらに暗転。そんな中、新しい武器の登場や、ローゼンの従兄弟ブランとその妻たち、キルス、ラズワード商会のシャバーズなど曲者たちが加わる。
「英雄は突然に」の英雄はもちろん、あの二人だ。
17-ⅰ)決断の時〜年貢の納め時
17-ⅱ)決断の時〜些細なキッカケ
17-ⅲ)決断の時〜結婚の条件
17-ⅳ)決断の時〜希望を胸に
17-ⅴ)決断の時〜新しい家族
第17章「決断の時」では人それぞれに人生の岐路で決断を迫られる。諦めたり、見切りを付けたり、嫌でも決めなければならない選択を迫られる事もある。そして、その決断が別れや新しい人生の船出にも繫がる。さらには、物事が決まる時というのは、驚くほど順調に早く決まってしまう場合もある。
「年貢の納め時」は美夜たちだけではない。諦めるという意味では、一つの街が女性たちやローゼンに見切りを付けられた。
「些細なキッカケ」では怨みも幸運も些細な事から始まる。ローゼンとサクに「些細なキッカケ」を作ったハッサンがかじったのは黄金の林檎である。それは幸運、それとも不幸や争いを意味するのか?
「結婚の条件」でサクはハードルの高い条件をローゼンに軽々と飛び越えられる。ラストの大砲の音には「祝砲」の意味があり、保留となっている問題もクリアされる予感がある。しかし、大砲の音は人々の怒りの象徴でもあり、波瀾の予感も。
「希望を胸に」抱く人々だが、その希望は人それぞれであり、叶いにくいものもある。得難く継続が困難な平和、当主の座を狙う野望、自分から前向きに決めた目標、最悪の事態の回避、目障りな上司や正妻の失脚などだ。
「新しい家族」ではサクがカラヤ家に入る事を認められる。
18-ⅰ)器〜道化と神童と天然と
18-ⅱ)器〜信じる気持ち
18-ⅲ)器〜身の程
18-ⅳ)器〜寛大と責任
第18章ではそれぞれの個性としての「器」が表れたり、人としての「器」が問われたりする。そして、ローゼンの親戚についても語られる。
「道化と神童と天然と」では、ローゼンは子供の頃から道化を演じるのが得意で、サクは “天然の人たらし” っぷりを発揮する。そして、神童と呼ばれたブランは……。
「信じる気持ち」では、純粋なサクはローゼンの誠実さを信じ、兄の幸せを信じる。しかし、世の中には、信じる方向性や信じる相手を間違えたりして空回る場合も多い。
「身の程」では、ローゼンのように身の程をわきまえている者もあれば、良くも悪くも身の程知らずな者も多い。また、容姿にまつわる話のようでありながら、それぞれの人柄が窺い知れる話としても まとまった。そして、この回ではハッサンが……!
「寛大と責任」では、ガナンは器が大きく見えて、欲なだけである。しかし、どこかで賠償を払わされるわけで、彼はそれを甘んじて受け入れている。それを なんでも許すわけではないものの、寛大な心でローゼンの一家は見ているのだ。
ところが、未だに責任逃れを続けているヒカルはサクからも見放される。そして、ローゼンが出した妥協案が決裂した際に、ヒカルが開けたのは単なるドアではない。禁断の扉だ。
19-ⅰ)急転直下〜堕ちる
19-ⅱ)急転直下〜押された背中
第19章の「急転直下」は、様子が急に変わって解決や結末に向かう事を言う。
調子良く結婚話が決まったローゼンとサクだったが、ここへ来て、深刻な事件が起きる。しかし、事件は急転直下で終わった。ただし、ヒカルだけは滝壺へ真っ逆さまに落ちるが如し。
この章は19の数字に相応しく、短い話数で終わる。12の粘いのとは対照的だ(笑)。
天堂兄弟についてはギリギリまで迷った。それこそローゼンが想像していたように、ブチブチ文句を言いながらも、ヒカルに付いて行く人生を歩むカヲルというのも考えていた。
でも、やっぱり、やめた。第8章を生かしたい。生かす方が重要というか、自然だと思ったからだ。




