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正義の味方の警察官の僕は殺人鬼。

作者: 七瀬






僕は、地元で警察官をしている。

交番に居ると? いろんな人達が交番に来るんだ。

財布や大事なモノを無くした人。

届け物に来る人。

酔っぱらいのおじさんや迷子の子供。

夜は、酔っぱらい同士の喧嘩とかね。

本当に、いろんな人たちが来るんだよ。



僕は、地元では?

優しくて勇敢な警察官として子ども達からも尊敬されている。

以前、ある小学校で不審者を子供たちの前で僕が捕まえたからだ!




・・・その日から。

僕は子供たちの、【ヒーロー】になったんだ!

僕自身も、ずっと憧れていたヒーローにね。

僕は嬉しかった。

しかも? 子供たちのヒーローなんて! 

僕は少し、自分にも自信を持つことができたんだよ。




・・・でもね?

僕には、“裏の顔もあったんだ”

それは? 【殺人鬼】だよ。

子供の頃から、ヒーローにも憧れていたのだけど、、、?

【殺人鬼】にもなりたいと思っていたんだ。

ヒーローの夢を叶えた僕は、殺人鬼にもなりたいという欲が出たんだよ。

そこから僕が、非番の時には? 夜中に、念入りに調べた家に入り。

独り身の女性ひとや老人を殺すのが快楽と化す。

僕は、幼いころからおじいさんが大嫌いだった!

僕の父親は、僕が産まれる前に事故で亡くなってしまってね。

そこから、母方のおじいさんが自称僕の“お父さん”になったんだ。

頑固で厳しく、礼儀や作法にうるさい。

僕が間違った言葉遣いや箸の持ち方をすると、おじいさんの手が僕の

顔に飛んでくる。

僕の体は、アザだらけになってね。

今の時代だと? “虐待になる”のだろうけど、、、。

昔は、“親の躾け”と言い換えられていたんだ。

まだ幼い子供の体に、アザが沢山あるのに親の躾けだと、、、?

今なら? そっちの方がおかしな話だけど。

いつか? 僕はおじいさんに復讐すると心に誓ったんだよ!

そして! 母親が居ない事を利用しておじいさんが一人で居る家に

火をつけたんだ! 家の周りにたらふくガソリンを巻いてね。

火はあっという間に、家を飲み込んだんだ。

おじいさんは、窓越しに外にいた僕と目が合って助けを求めていたけど?

僕は、にやけていたに違いない。

だって! やっとこの生活に終止符を打つことができたのだから。

おじいさんは、悲しそうな顔をして僕を見つめながら死んでいった。

その快感は、今でも忘れられないんだよ!

僕が心底、憎んでいたおじいさんを殺す事ができた喜び。

あんなに、人の苦しむ姿に興奮するのかと思ったよね。

そこから僕の中に、 【ヒーローと殺人鬼】が共存するように

なったんだ。




昼間の顔は? 【みんなを助ける優しい警察官。】

夜の顔は? 【慎重な殺人鬼。】


『昨日の夜の、殺人の件なんですが? 何が目的だったんでしょうか?』

『・・・あぁ、現金も金目になるモノも取られていない! 犯人と被害者

の接点も見つからんしな?』

『・・・それに、』

『あぁ! 何十か所も刃物ようなモノで刺されている! 相当、被害者

に憎しみがあったのか? 快楽殺人かもしれんが、、、。』

『“快楽殺人?”』

『・・・あぁ、そうだ! 犯人は殺人を楽しんでいる! 精神的におかしい

奴なんじゃないかと俺は思っているんだ!』

『なるほど! そうかもしれませんね。』

『・・・まあ! 取り敢えず、被害者の身元周辺をあらってくれ!』

『はい!』





まさか!? 警察に、、、。

【快楽殺人】と言い当てられてしまう。

だが、犯人が警察官だとまでは誰も思わないだろうな。

まだまだ、僕は楽しみたいんだ!

人を殺す喜びは、やめられない!

殺人中毒に僕はなってしまったんだ。

真っ赤な血に、相手の恐怖を感じる顔。

僕は、これからも! ヒーローと殺人鬼の二つの顔をやめないよ。

もっと、僕を楽しませてくれよ。

だって! 僕はみんなのヒーローであり、殺人鬼なんだからね。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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