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78話 俺がルール

 騎士たちに囲まれ逃げ場のない魚人が、周囲を見渡すがどこにも逃げる隙などない。

 魚人は喉を鳴らし血走った目で、引きつった笑を作っている。


「ま、待て! 冷静になって考えろ! 儂を殺せばどの道お前たちの仲間の一人は死ぬことになるんだぞ!」


 確かに魚人の言う通りだ!

 だが、騎士と一国の姫とでは命の重さが違う!

 騎士となった者は国に、王に心臓を捧げているのだから!

 死ぬのも務めだ!


 そもそも俺はアリアが人質に取られていたから我慢していただけで、騎士が人質に取られても然程なんとも思わん。

 しかし、ルーベルトを救えるのなら、救ってやりたいと思うのも事実だ。


 だからこれから死なない程度に痛めつけるのだ!

 仮に加減を間違え殺してしまったとしても、アリアが死ぬ事はない。

 もう遠慮も我慢もする必要はないのだ!


「よく聞け魚人! お前はこれより死よりも恐ろしい苦痛を味わうことになる! 俺を怒らせたその罪は死よりも重いと心に刻め!」


 俺の全身を滾る闘気を見た魚人は、絶望にガタガタと体を震わせている。

 俺は貴族たちへ振り返り、兵に命令を出すと同時に、貴族たちに忠告した。


「そこにいる兵の者よ! ありったけのポーションとマインドポーションをすぐに用意するのだ! そしてそこに居られる貴族諸君、これから残酷な光景が繰り広げられる! 心臓の弱い者は目を伏せているといい!」


 一体何が行われるのかと、息を飲み固まる貴族たち。

 貴族たちの前で槍を構えていた兵数名は、すぐにポーションを取りに走った。


 ものの数分で兵は100以上のポーションとマインドポーションを持参し帰ってきた。

 俺は兵たちをポーションを持ったまま近くに待機させ、拷問という名のゲームを開始した。


「これからゲームを行う! ルールは簡単、お前が技を解くまで死の無い苦痛を味わい続けるだけだ!」


 魚人は言葉も忘れただただ固まっている。

 魚人を取り囲む騎士たちも、俺が一体何をするのかと視線を向けている。


 俺は魚人に歩み寄り、左手を掴むと魚人は暴れだしたが、非力な魚如きが俺を振り払えるわけもない!


「は、離さんか! 何をする!」

「黙れ!」


 俺は魚人の耳元で力強く囁くと、掴んでいた魚人の親指をネジり、引きちぎってやった。


「いやぁぁぁあああああ!」


 魚人は痛みに慣れていないのか、みっともなく床に膝を突きうずくまっている。

 俺は背後で待機していた兵に手を差し伸ばし、ポーションを受け取ると、魚人の頭からポーションをかけてやる。


 ポーションを頭から被った魚人は痛みが消え、悲鳴も止み、傷が塞がっていくのがわかる。

 ただ、ポーションは万能ではない、傷口は塞がっても失った親指が再生することはない。


 魚人はガタガタと震えながら、恐る恐る俺を見上げた。


「やめて……くれ」

「このゲームは俺がルールだ! お前に止める権利はない」


 俺は魚人の指を引きちぎってはポーションを掛け、魚人の精神がおかしくなりそうになれば、マインドポーションを掛け精神を安定させてやる。

 その間も、無様で下品な魚人の悲鳴が会場内に響き渡ってる。


「っぎゃ……っああぁぁっぁああ! お願い……もう……やめて」

「ここへ来た時から、死ぬ覚悟ぐらいできていたのであろう! 今更何を言っているのだ? 愚かな魚人如きが俺を舐めるなよ!」


 俺は魚人の10本の指が全てなくなると、腕を引きちぎってやった!


「ぎゃぁああああああ! うでが! 儂の……うでがぁぁああああ!」

「腕の一本や二本でガタガタ喚くな! みっともない!」


 魚人は顔中涙と鼻水だらけで泣き叫ぶが、俺はやめない!


「やめて……ください」


 何がやめてくださいだ、てめぇから来たんだろうが!

 罪悪感なんて毛ほども感じん、だから笑って言ってやる!


「やめるわけ無いだろ、こんなに面白いゲーム!」

「助けてくれ……誰か……助けてくれ!」


 一体コイツは誰に助けを求めている? やはりあの貴族たちの輪の中に、裏切り者がいるのだな? ……まぁ、今はそんな事どうでもいい!

 俺は這い蹲る魚人の足を掴み上げ、鈍い音を立てながら何度も床に叩きつけた。


 そして、魚人が大人しくなったところでポーションを掛け、俺は腕と同様足も同じ要領で繰り返し引きちぎっていく。

 四肢を失い、泣き叫ぶ事しかできなくなった哀れな魚人を、笑顔で見下ろしてやる。


「次は歯でも抜いてくか? それとも……眼球でも取るか?」


 魚人の返り血で血まみれになった手を擦り合わせながら、楽しそうに微笑む俺を見て、騎士たちやポルドにフルク王子たちも戦慄している。


 後方から遠目に見ていた貴族たちの中には嗚咽を上げる者もいる。

 シスは残酷な行為を見ないように、アリアとリリアーナの体を介抱し続けている。


 俺はジトっと悪意に満ちた視線を魚人に向け、更なる絶望をくれてやる!


「……眼球にするか?」

「頼むっ……謝る……っだから……」

「俺のルール説明ちゃんと聞いてたか? 謝罪などいらん!」


 泣き叫ぶ魚人の顎を左手で掴み、魚人の右目に右手の親指、人差し指、中指を突き立て、ゆっくりと眼球の縁に沿って指を入れていく。


「ああぁぁっぁああっ! わかった、わかった! 精神の盤上を解除する! だからもう……やめてくれ!」

「なら、早く解けよ」


 魚人はカタカタと歯を鳴らしながら怯えきっている。


「ゲーム……リセット……」


 魚人が解除ワードを口にすると、ポルドが盤上を指差している。


「アルトロ王子! 盤上を見ろ!」


 ポルドの言葉に従い盤上に目をやると、盤上に並べられていた駒が光に変わり、それぞれの肉体へと還っていく。

 床に置かれていた忌まわしき盤上も、徐々に透けて消えていく。


 魂みたいなものがアリアとリリアーナに戻ると、俺は二人を見つめた。

 シスに介抱される二人が、ゆっくりと瞳を開けて上体を起こしていく。


 二人が無事に意識を取り戻したことを確認すると、再び魚人が技を使えぬように、俺は背後にいたダルマ魚の顔面を蹴り飛ばし、胴体と切り離してやった!

 魚人の顔面は勢いよく壁に激突し、血痕だけを残し弾け消えた。


 俺は無事に二人が目覚めたことが嬉しくて、二人の元へ駆け出し、二人を力一杯抱きしめてやった。


「よくぞ無事に帰ってきてくれた!」

「苦しいわよ、アルトロ!」

「僕アリア様やないけど……!」


 誰が見ていようと構わないのだ。

 俺は二人に会えて嬉しいのだ!


 ……っん? 僕?

――次回 79話、疫病神。

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一話だけでも……!
是非お読みください!
モンスターボールを投げたらノーコン過ぎて女勇者を捕まえてしまった件。
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