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転換3「友達100人でき……ねーよ」

どうも、TARです。

作者です。


感想をくださった方々、こんなノリだけの小説に高評価をくださりありがとうございました。小説を書くうえでの何よりのエネルギー源になります。

勿論、普通に読んでくださった方々もありがとうございます。これからもできうる限りは頑張るつもりですので、よろしくお願いします。


では、長くなってしまいましたが、本編へどうぞ。


今回から、学校が始まります。

「……ふぅ」


 俺は制服のリボンを結びながら、この姿になってから癖になってしまいつつあるため息をつく。鏡には女子の制服、紺色のブレザーにチェックのミニスカートを着た金髪の女の子が映っていた。


 ……よし。今日から俺は『きよ』だ。そう自分自身に言い聞かせると、朝食を食べにリビングへ向った。

時の流れというものは早いもので。いまだに実感が湧かないまま夜は過ぎ、今は月曜日の朝である。


「いよいよ、今日から学校だね」


「そうだなぁ~」


 美樹は楽しそうに京に向かって話しかけ、京は眠そうな様子を隠すことなくやんわりと答えた。


「京。あんたしばらく休んでいたとはいえ学校のことわかるんだから、ちゃんときよちゃんに教えてあげるのよ?」


「わぁかってるよ……」


 母さんが心配そうに京に言う。まぁ、実際はそんな必要ないんだけどな。……こいつもこいつで色々大変だな。


「ごっそさん」


「ご馳走さま」


 俺と京が同時に食べ終わり、それぞれ鞄を持って席を立つ。


「行ってらっしゃい、車に気を付けるんだぞ!」


「きよさん! 学校頑張ってね!!」


 そして嬉しそうな父さんと美樹の声に見送られながら、外へと飛び出した。


「いやぁ、お前もだんだんと様になってきたなぁ。……その内俺に告白とかするなよ?」


「冗談は存在だけにしとけ」


 穏やかな登校時間。俺は京と他愛のない会話をしながら道を進む。

 何の変哲も無いアスファルトに、塀に囲まれた道を電信柱が点々と建っていた。入学したての頃は全てが新鮮だった通学ルートも、一年もすればもう慣れるものだ。……いつもと変わらない朝の風景。ただひとつ、違うところを挙げるとするならば、隣に『俺』がいるということぐらいだろうか。それが、大きな違いなんだけどな。


 ……それはともかく、さっきからやたらと視線を感じるのだが。

 俺たちの通学路は、別になにも特別な道ではない。だから当然、普通の時間帯ならば他の生徒の姿もちらほらと見られる。それ自体は別段おかしいことでもない。だが、そいつらの視線がさっきから俺に注がれているような気持ちがするのだ。


「なあ……。さっきから誰かに見られてないか?」


「あ、あぁ。……気のせいだろ」


 しかし、京の奴は何も感じていなかったらしい。……俺の考えすぎか?

 俺はこれ以上気にしても仕方が無いので、気を取り直して歩みを早めた。




 俺たちの学校、初代はつしろ高校の何の変哲もない廊下を俺たちは歩いていた。この高校、最初に見たときは『しょだい?』と絶対一人は思うような何とも言えない微妙な名前を持っている。

 特に広いわけでもないので、ちょっと歩くともう教室が見えてくる。俺たちはいつものように豪快にドアを開け放って言った。


「はよーっす!!」


 瞬間、空気が凍った。今までガヤガヤとうるさかった教室は一斉に波を打ったかのように静まり返り、全員の視線が俺たち、主に俺に向いていた。そして、その視線に込められた思いで、俺は悟る。


 ……俺、今はクラスの奴らと初対面だった。


 恐らく今あいつらは、『誰だこいつ?』と思っていることだろう。無理もない、いきなり知らない人物が我が物顔で『はよーっす!』などと言い自分たちのクラスに入ってきたのだから。俺は襲いくる無言の圧力の中、ぎこちなく、ロボットのように言葉を発した。


「し……、し……」


「し?」


「失礼しましたぁっ!!」


「ですよねー」


 俺はピシャリとドアを閉めると、一目散にその場から走って逃げ出した。







「はぁ……。さっきは失敗したぜ……」


 何だかんだで、俺は今職員室の前にいる。何故かというと、言われていたことを思い出したからだ。『転校生として入るから、まずは職員室の先生のところへ行くのよ。』……と、母さんに。


 先程までそんなことを頭の片隅に追いやって忘れていた自分が憎かった。


「京の奴……、言ってくれれば良かったのに……」


 ふん、と俺はふてくされてみるが、どうせあいつも忘れてたんだろう。何せ俺が忘れてたんだし。

 ……役に立たない奴め。


 とはいえ、いつまでもそんなことを嘆いても仕方が無い。俺はよく知っている場所でもあるため、軽快に職員室のドアを開けた。


「失礼しま~す」


「ん? ……あぁ! 君が今日から入る……」


 軽く入ってきた俺に爽やかに声をかける教師。

 男としては若干大きめの瞳に、細長い丸ぶち眼鏡と微妙なアンバランスさを醸し出している。前髪は眉にかからない程度に短く切られており、横も耳にかからない程度のサッパリとした印象を受ける感じだった。

 名前は長渕豪ながぶちごう。俺たちの担任教師だ。

 超がつくくらいの熱血爽やか教師で、男女問わず人気がある。みんなからの信頼も厚く、よく悩み事を相談されているのを見かけるほどだ。当然、俺も信頼している。

 ……ちなみに、愛称は『ぶっちゃん』である。何とも可愛らしいあだ名だとは思う。


「俺は担任の長渕豪。今日からよろしくな!!」


「よろしくお願いします」


 そう言ってカラカラと笑うぶっちゃん。実はもう見知っているのだが、嫌味のない気持ちの良い笑いで、俺はやっとこの学校へ帰ってきた感じがした。

 俺もつられて笑みを浮かべていると、ぶっちゃんは俺の肩にポンと手を置いた。そして親指を立て、白い歯を輝かせて言った。


「神谷はまだ転校してきたばかりで、色々わからないだろ? あっちの神谷と俺が同じクラスにしといたから、大丈夫だ!! 心配しなくていい!」


 そう言って、どん、と自分の胸を叩く。ベタだが、何とも力強い。

 ……こういう人なのだ、この人は。


「はい! ありがとうございます!!」


 ぶっちゃんがまた担任であることも嬉しかったが、やはりこの前までの自分のクラスであることが嬉しかった。俺は笑顔で心からのお礼を述べた。









 いよいよ、教室の前に二人で立つ。教室は賑やかな話し声でいっぱいのようで、少々騒がしくも感じる程だった。転校生、なんて立場は生まれてきて初めての体験だ。嫌でも緊張してしまう。


「神谷は初対面で緊張するだろうから、先に俺が行ってくるよ」


 ぶっちゃんはそう言うと、豪快に教室のドアを開けて中へ入っていった。


「みんなー! おはようー!!」


「あ、ぶっちゃんおはー!」


「おはようございまーす!」


 さすがはぶっちゃんというところか。厳しく注意したりもしていないのに、あれだけうるさかったクラスメートが、挨拶だけで話を止めてぶっちゃんに視線を向けた。


「え~と、今日はみんなに嬉しい知らせがある」


「知らせ?」


 頃合を見計らって言ったぶっちゃんに、クラスのみんなが不思議そうな表情をする。ぶっちゃんに目で『入ってこい』と合図された俺は、おずおずと教室の中へ入っていった。


「転校生の神谷きよ君だ!!」


 言われた瞬間、全員の視線が一気に俺に向く。

 よく知っている顔やまだよく知らない顔など様々な顔も、殆どの生徒が驚きで目を見開いていた。


 恐らく、さっきのアレが原因だろう……。


 あぁ、もう俺のバカ!! 何であんな不用意なことしたんだよぉ!?


 居たたまれなくなっってふと京を見ると、奴は何故だかとても楽しそうに、例えるならば『ニヤリ』といった擬音が相応しい笑みを浮かべていた。


 あいつ、後で殺す……!!

 俺は心の中で呪詛のように繰り返し呟く。

 その時だった。


「かーみーやー」


「ひゃっ!!」


 いきなり後ろから肩を叩かれ、思わず情けない声をあげてしまう。……空気が更に気まずくなったような気がした。俺はまるで茹でだこのように顔を真っ赤にした。


 ち、ちょっと肩を叩かれただけで、あんな女の子みたいな声を出してしまった……!! うぅ……、ほんと最悪だ……。


「緊張してるかも知れないが、神谷。……取り敢えず、自己紹介でもしてみなさい」


 そんなボロボロの俺に見かねたぶっちゃんが、助け舟を出してくれる。


「う……、はい……」


 俺は小さく頷いて、言った。


「か、神谷……きよです。……よろしく」


「よーし! みんな仲良くなっ!!」


 消え入るように言った俺の声でも、今の静かな教室では十分過ぎるほどの音量だった。

 ぶっちゃんはそれを聞き終えた後、フォローをするように話をつないでまとめた。


 こうして、俺の人生史上最悪の自己紹介は静かに終わりを告げたのだった……。


どうも、作者です。

今まで後書きというものは書かせてもらっていなかったのですが、書かないともったいないような気もするので、書かせていただきたいと思います。

内容はストーリーのおまけやしょうもない会話だったりします。えぇ、後書きじゃありません。やりたい放題です。イッツアフリーダムです。

面倒くさいとお思いの方は、飛ばしてくださっても本編の進行には差し支えはありませんのですっ飛ばしてください(笑)

第一回始まります。


後書き劇場

第一回「何故性別が変わったら……」


京「なぁ女神」


女神『何ですか? 東京』


京「東をつけるな東を! ……俺たちのことなんだけどさ」


女神『あなたと今のきよじゃどう足掻いても釣り合いませんよ。諦めろ』


京「うん、取り敢えず色々言いたいことはあるけどまずは人の話聞け?」


女神『じゃあ、何ですか?』


京「いや、お前が言ってたことも近いんだけどな。きよなんだよ。……あいつって元は俺なんだろ?」


女神『はい』


京「俺ってあんまりイケメンでもねえじゃん?」


女神『はい』


京「そこはちょっとは否定して欲しかったなぁ……。まぁ、いいや。そんな俺の性別を変えたのがきよだって言ったよな?」


女神『はぁ、言いましたねぇ』


京「何であいつあんな美人なの?」


女神『に、二次元だからとしか……』


京「悪かった! 俺が悪かったからそれ以上言うな!!」


そしてグダグダで終わる。

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