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転換20「わかりかけてくる気持ち」

どもい、作者なんですよこれがまた(え


今回はあの、少しばかり残念なご報告をば(何が残念かって主に俺が)

まことに申し訳ないんですが、作者急病のためしばらく休載うんちゃらかんちゃら……。というのはさすがに冗談でして、実は右指骨折しまして(ちょwおまww

えぇ、すいません学校のバスケでポキッといってしまいまして。少しばかり更新が停止することになるかと思います。

でも、こんなもので連載を中止するつもりはないので、治ったらまた頑張ります! なので、少しの間待ってはいただけないでしょうか? すいません……


作者からの、謝罪でした。


では、短いですが本編へお進み下さい!

 深白が転校してきてから、数週間がたとうとしていた。俺はあれからというもの、何か深白に避けられ続けているような気がする。何故かはわからないが、最近は目も合わせてくれないように感じる。緑や葵、朱菜たちとはもちろん普通に付き合っているが、何か釈然としない気持ちがしこりとなって胸に残り続けていた。


「京ー、帰ろうぜー」


 とりあえず今は放課後。俺はいつものように京に声をかけた。しかし京は両手を合わせて、申し訳なさそうに笑う。


「わりぃ、俊平と遊びに行くから」


「……そっか」


 俊平に負けたというのが、何だか無性に悔しかった。京め、こんな美少女が声をかけてるって……、なんてな。俺は自嘲気味に短く笑い、一人で下校することにした。


 そろそろ夏に入ろうという、日差しの強い並木道。俺は規則的な足音を響かせながら、一人帰路についていた。何も言葉がない今日は、蝉の鳴き声がいつもより一層うるさく聞こえていた。木陰に入るとヒンヤリとして気持ち良いが、それを出ると入る前よりも暑い、不思議な季節の訪れを予感させていた。

 ふと、俺は足を止める。子供たちの格好の遊び場、一定の広さを持った公園に、はとが群がっているのだ。ここにはたまに二、三羽来ることはあるが、そんなにたくさん集まって来ることは珍しい。……というか、俺は今まで一回も見たことがない。

 俺は沸き立った好奇心に押され、小さい頃以来の公園に足を踏み入れた。通りに比べて木々などが生い茂っているため、空気が冷たく清々しい気持ちになった。とりあえず、俺は広場にいる大群の鳩が逃げないように慎重に歩を進めた。すると、あることに気が付く。

 鳩の群れに混じって、というより中心になるように、そこには一人の人物が立っていた。その人物は、黒い髪に俺と同じブレザーの制服を着た少女だった。俺がよく知っている女の子。


「……深白」


 俺は、少女の名前を口にする。こんなところで会うとは思ってもみなかった。そして、それは深白も同じようで。俺の顔を見るなり驚いた顔をして、反対側の出口に向かって走り出す。


「……待ってってば!!」


 だが俺は、それを見越してもうすでに走り始めていた。途端、逃げ出す鳩たち。……結局逃げないようにした意味はなかったが、それでも早く行動した意味はあった。俺は深白の腰回りに後ろから食らいつき、止める。

 ……それで止めるだけなら良かったのだが。強烈すぎたタックルは深白の体を強く押し、共倒れになる形で地面に転ぶ。ビタン、と小気味の良い音がした。

 微妙な沈黙の後、深白が俺の方を睨んで言った。


「……よくもやったな」


「ごめんなさい」


 痛々しいその姿を見て、俺は申し訳ない気持ちで素直に謝った。











「鳩に好かれてるんだね」


 公園の広場、隅にあるベンチ。俺と深白は二人で座っていた。走った時に一気に飛び去ってしまった鳩も、深白が座って落ち着くとまた群がってくる。俺は感心して、本心からそう言った。

 対して深白もは、若干ふてくされたように無言で鳩の喉を撫でていた。俺が『動物には優しいのか』などと失礼なことを思っていると、目は合わせずに、深白が口を開いた。


「……何で止めた」


 その口調は怒っているようないないような、よくわからないもので。俺は言われて、ふと考える。俺が、深白を止めた、理由わけ


「……何でだろう」


 腕組みをして俺から出た言葉は、間抜けなものだった。深白も片眉をぴくりとつり上げる。そして、俺の方を見据えて不機嫌そうに言った。


「意味不明だ、帰るぞ」


「まぁまぁ、座って話でもしようよ」


 おもむろに立ち上がる深白を、俺はいつものように窘める。すると、いつもとは違い深白は溜息をつくとベンチに深く座り直してくれたのだ。

 ……どういった風の吹き回しだろう。俺はそう思いながらも、明るく問い掛けた。


「動物、好きなの?」


「人間よりはな」


 これにはきっぱりと答える深白。……動物は本能で、そのものの本質を見るという。だから、誤解されやすい性格が高じてそうなのかと、勝手に俺は想像した。俺は続けて、質問を浴びせる。


「よく本読んでるけど、本も好き?」


「……好きだけど」


 ぼそぼそとだが、質問にゆっくりと答えてくれる。今の質問は、前に深白に聞いても無視されたものだ。今日はしっかりと、会話のキャッチボールをしてくれている。そのことが、どうしようもなく嬉しかった。


「何、ニヤニヤしてるんだ」


「へ!? あ……」


 それが、顔にまで出ていたのだろう。深白に指摘されて、俺は自分が笑みを浮かべていたことに気付く。深白は今度こそベンチから立ち上がり、俺に一瞥いちべつをくれると言った。


「もういいだろ。……帰るぞ」


「え、うん」


 先程まで普通だったのに。俺は何か不快にさせてしまっただろうかと、内心焦る。


「それと……」


「?」


 深白は走らずに出口まで歩いていくと、ふとその前で立ち止まって言う。そして、怪訝な表情を浮かべている俺を振り返って、ばつの悪そうな顔で言った。


「この間は、悪かった」


 言うと同時に、弾かれたように走り去っていく深白。


「……うん!!」


 俺はその言葉の意味を理解すると、もう聞こえるわけがないのに、遠くなる深白に満面の笑顔で言った。











「……へへへへ」


「何だよきよ。いきなり、気持ち悪ぃなぁ」


 夜になって。また今日の出来事が頭をよぎり、俺は枕に顔をうずめて思わず笑みをこぼした。京はベッドに寝そべっている俺の隣で、漫画を読みながら言う。


「ちょ~っとなぁ」


「……変な奴」


 言って、再び京は漫画に視線を戻す。確かに今の俺は気持ち悪いかもしれないが、今俺はそんなことが関係ないほど、嬉しい気持ちでいっぱいだった。例えるならば、難しくてクリア出来なかったゲームをやっとクリアしたときのような、充実感と満足感。

 ……自分で言っておきながら、例えが悪いかもしれないが。


『きよ、はしゃぎすぎです』


「あ、女神」


 いじけたように言いながら、女神がすっと現れる。……最近、神出鬼没だよな、こいつ。


『そんなにあの子と話しに行くのが楽しいんですか?』


「あぁ。……そういやお前、ここ最近ずっと頑張ってるよなぁ」


 二人がかけてくる言葉。どうやらどちらも、俺が何をしているのかを把握していたようだ。


「うん……」


 だから俺は、素直に返事をした。まぁもっとも、隠すことでもないのだが。だが女神は心配そうな表情で俺を見つめて、祈るように言った。


『でも、階段から事故とはいえ落とされそうになったらしいじゃないですか。……本当に、気を付けてください』


「俺も東堂から聞いたぞ。……あんま無理すんなよ」


「大丈夫だって……!」


 心配をしてくれる二人に、満面の笑みで俺は言った。別に根拠はないが、今日一日で深白とは随分近くなったような気がする。

 何か言いたそうな二人をよそに、俺は明日のことを考えながら、はにかむのであった。

後書き劇場

第二十二回「何やってんだお前(笑)」


ど、どうも作者です。はい、すいません石を投げないでください。今回は本当に短くて申し訳ないです、今も左手で打ってるんですが、左手は死ぬほど遅くて……。更新を楽しみにしてくれている方には、本当に申し訳ないです(泣)


京「おいコラ、アホ作者」


俺「はひっ! な、何でございましょうか?」


きよ「読者様に迷惑かけるたぁ、いいご身分だなお前(ニッコリ」


俺「はぅあっ! 二人とも、な、何故本編で一度も見せたことのないような満面の笑みを浮かべているのですかね!!」


女神『締め切りを守らない、それ即ち死を意味するんですよ?』


俺「あれ? そもそも締め切りってあったっけ?」


三人『……(無言でボッコボコ)』


俺「すいません調子こいてました」


ということで、はいすいませぬ。もうバスケなんて、二度とやりません。いや、まぁまた次の授業も同じなんですけど……orz

と、とりあえず早く治して、皆様にご迷惑をかけないようにしたいと思います! 頑張りますので、どうか見逃してやってください(結局そこかよ


以上! 作者からでした!!

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