転換18「転校生は気難し!?」
どもーい、作者なんですけども。
今回からようやく新キャラですね。どんな性格なのかは、お楽しみにしてください! もしかしたら、あなたが予想していた性格かも……!? (←何このノリ
区切りのいい所で一話としているので、しばらく話の文字数が少ないと思います。ボリュームが足りないと思っても、そこはお許し下さいorz
では、いよいよです! 本編へどうぞ!!
……別にそこまで凄いことでもないっていうのは、内緒です(あ
「きよちゃんおはよべっ!!」
「俺への挨拶は無しか、この野郎」
朝、俺と京はいつものように教室へ入っていく。ドアを開けると同時に俊平が馬鹿面をさげて近寄ってくるが、不愉快だというように京が満面の笑みで蹴りをかます。当然俊平は文句を垂れようとするが、後ろにそれ以上の殺気を感じて振り向いた。
「今田くん? ……おはよう」
「おはよう」
「おはよう」
「おおおおお……、おは、おは……」
笑っているのに笑っていない朱奈の言葉に、他の二人も追随して笑顔で続く。言い知れない圧力と恐怖に、俊平は最早ただの『お』製造機になり果てていた。
「……振り向かなければ楽に死ねたのに」
「あれ? 死ぬことはもう決定? 京、助けてっ!」
「むしろ俺が殺す」
「ぐえぇ、悪魔!!」
緑がぽつりと呟いた台詞に、俊平がすがるように京の肩を掴む。だが京は胡散臭い笑顔のまま、俊平の首を逆に両手でギリギリと締め上げる。俊平が蛙のように鳴いて苦しむのを、俺は苦笑いで眺めていた。
「……あーっ、死ぬかと思った」
やっと解放された俊平が、わざとらしく咳き込んで弱々しく言う。
「きよちゃん~、俺を癒してくれ~」
そして、さも当たり前かのように俺にガバッと抱き付いてくる。またも、俺は考えが足りなかったようだ。油断をしていたと言うわけだ。……クラスメートの目が、自然と自分に集まっているのが感じ取れた。
カッと身体が熱くなる。他四人はまた、俊平をみなぎる殺意で睨んでいた。
「抱き付くな!!!!」
言葉と同時に、俺たち五人は俊平を引き剥がし、思う存分ボッコボコにした。
それから五分ほどのち。クラスのみんなは自分の席に戻り、お喋りをしながら担任の来訪を待っていた。後ろの京の辺りを見ると、その隣の俊平が五層にもなるたんこぶタワーを作って机に突っ伏していた。
少し可哀想かとも思ったが、どうせ後十分ぐらいすれば勝手に復活しているだろう。俺はそう思い直し、黒板に向き直った。
「みんな、おはよう!」
それから少しして、清々しい挨拶と共にドアを開けてぶっちゃんが入って来る。
「おはようございまーす」
「おはよー」
皆、一様にそれぞれの挨拶を返す。ぶっちゃんはその言葉に気持ちよさそうな顔をし、眼鏡の奥の目を細めた。
いつも通りの風景だな。俺がそう何気なく思っていると、ぶっちゃんは嬉しそうに口を開いた。
「えー、今日はだな。みんなに転校生を紹介したいと思う」
その言葉に、みんながざわざわとどよめき立つ。……まぁ、無理もないだろう。
「ちょっと前に神谷も転校して来たからな。気持ちはわかるが、本当だぞ。まぁ、クラスメートが増えることは喜ばしいことだなぁ」
更にぶっちゃんが続けたその言葉に、みんなが好き勝手に話し始める。その中の一人、俊平が手を上げ、ぶっちゃんに質問する。
「なー、ぶっちゃん。転校生って女の子?」
「あぁ、そうだ」
「やたー!」
白けた空気も一切気にせず、ぶっちゃんの言葉に一人喜ぶ俊平。少しは雰囲気ってものを読む力を身につけて欲しいものだが……、あ、京に殴られた。
「みんなー、静かにしろ」
未だざわつく教室を、ぶっちゃんが手を叩いて制する。これでピタリと止まるあたり、ぶっちゃんへの信頼度が計り知れるというものだ。ぶっちゃんは程なく静かになったのを見届けると、ドアの外へ視線を向けた。
「入って来ていいぞ!」
「…………」
その合図に合わせて、右のドアから静かに入ってくる転校生。転校生はゆっくりと教卓の前まで歩いてこちらを向くと、小さく礼をして言った。
「南野深白。……よろしく」
その声と仕草に、俊平を含めた男子たち一同は感嘆の息を漏らす。
綺麗な黒髪のショートヘアーで、少し尖った毛先は、きつめの印象を受ける。瞳の色もこれまた黒いが、対照的に肌は抜けるように白い。葵と同じ、女子としてはやや大柄な体格だが、豊満なバストと引き締まったラインがより女らしさを強調している。ツリ目気味の目つきに、凛と澄んだ声。強気な美女、といった感じだった。
綺麗な子だな、と俺はどこか他人事のような気持ちで見ていた。
「転校生ー! 一緒にメシ食おうぜ!!」
時は過ぎて、昼休み。俺たちは四人揃って、少女の元を訪れていた。俺の時と同じだ。朱菜に釘をさされた葵はセクハラはせず、普通の挨拶をした。
だが少女はそれに視線だけ向けると、興味なさ気に抑揚の無い声で言った。
「……いい」
「まぁまぁ、そんなこと言わずに」
そんな素っ気ない少女の態度にも、めげることなく朱菜が人の良さそうな笑顔で言う。緑も喋りこそしなかったものの、微笑みを浮かべて少女を待っているようだった。少女はそんな三人に少し面食らったような表情をしていたが、すぐに無表情に戻るとそっぽを向いて言った。
「私に構うな」
「なーんだよー。感じ悪ぃなー」
その拒絶的な言葉に、葵は両の手を頭の後ろで組み口を尖らせて言った。だが、本気で気分を害しているようには見えなかった。……葵は基本的には、意外と温厚だ。
「仕方ないわねぇ」
「急に話しかけたからだって。……少しずつ仲良くなろうよ」
「……ふふ、そうだね」
朱菜が若干呆れ気味に言った言葉に俺は苦笑いで宥める。大丈夫かとも思ったが、緑はそれに嬉しそうに賛成してくれた。そうして俺が、『ごめんね』と言って三人を引き連れ少女から立ち去ろうとした時、不意に少女が言葉を放った。
「……偽善者ぶるな、貧乳」
言って、『フン』とまたそっぽを向く少女。俺は、顔が真っ赤になるのを感じた。最初の言葉は、百歩譲ってまだいいとしよう。だが、最後の言葉は明らかにおかしい。『俺は男なんだから当たり前だ』という思いもあった。俺はあっけにとられている三人を尻目に振り返り、少女を強く睨んで叫んだ。
「胸は関係ないでしょ!!」
あぁ。この転校生は色々と大変そうだ。
後書き劇場
第二十回「どうだったー?(軽」
はい、作者ですとも。
散々煽っておきながらの新キャラでしたが、如何だったでしょうか? 無個性にならぬようならぬよう、と念仏を唱えながら執筆していたら、こんなめんどくさいキャラになっちまいましたよ(え
これから大変ですが(主に作者が)、上手く溶け込ませさせてあげたいなと思います! やっぱり、自分の子は可愛いもんですので(子なのか?
女神『ちょっと、アホ作者』
俺「え、な、何ですか女神さま?」
女神『私の出番が少なくなるってどういうことですか!?』
俺「ど、どこからその情報を!? い、いえそんなことないっすよ?(しどろもどろ)」
女神『わかりやすすぎます……。いいです、その代わり私に何か重要な役目を与えてくださいよー!』
俺「わかりましたぁ……」
何か、怒られてしまいました。えぇ、女神さんだけでなく他の方々も出来る限りは活躍させてあげたいです。頑張ります!!
では、また次回にお会いしましょう!御意見御感想いつでもお待ちしております!!
作者から、でした!!