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転換10.5「みんなの思い、みんなの意識」

どうも、作者です。


いきなりですが、すいません。また色々忙しいので、更新が遅れるかもしれません。

その間は、皆様方各々有意義な人生をお過ごしください(何)

できる限り、努力はしますが。



さて、今回の話はいつもとは一風違った話でございます。みんなの視点から、色々とお楽しみください。

っていうか、また中途半端な話数…。こんなことばっかりやってるから、なかなか進まないんですね(笑)orz……。



では、本編へどうぞ!


 神谷きよ~女になって良かったこと、悪かったこと~


 俺の名前は神谷きよ、高校一年生だ。この身体になってから色々なことがあったが、今となってはこの名前の方がしっくりきてしまっている。新しい環境や人付き合いにも大分慣れてきている自分が、ちょっと怖かったりする。

 まぁ、それは兎も角として、だ。今回は、女になって良かったことと悪かったことを話そうと思う。

 まず良かったことだが、買い物が安く済むことだ。『何のことだ?』と思うだろうから、順を追って説明していく。

 俺は母さんや美樹の料理を、よく手伝ったりしている。最初の内は(今となっては)居候の身だから少しでも、と思ってやっていたが、今では結構楽しくなってきてもいるわけだ。そして、その手伝いの一環として、二人から食材の買い物を頼まれることがよくある。だから当然、八百屋や魚屋などに行くわけなのだが、この姿になってからは、


「よぅきよちゃん! 今日も可愛いねぇ!!」


 と言って値段を安くしてくれたり、


「おまけだ! これも持ってけ!!」


 と、他のものまでくれることもあるのだ。そのため買い物は基本的に俺が行くことが多くなり、お陰で商店街の人には顔と名前を覚えてもらったのである。

 まぁ、安くして貰っても直接俺には関係はないのだが、そういうことをしてもらうとやはり嬉しい。……この顔にそこは感謝というわけだ。だから、それが一つだ。


 悪かったことは、まず人の視線を感じることだ。街などの外を歩いていると、何故だか酷く周りから視線を感じるのだ。自分一人で歩いてる時も凄いのだが、他の人と歩いている時でも感じるのだから困る。

 特に、京と歩いている時は一番だ。道を行く人々、人々からの視線が非常に気になる。しかもその視線の殆どが、何かは知らんが不純な思いに満ち溢れているように感じるのだ。俺の勘違いかとも思ったが、京に言ったら京も頷いた。……気になって当然だろう。

 そのせいで、外を出歩く時などは結構神経を使ったりするのだ。……だから、悪いことの一つでもある。


 二つ目に、性別専用のものが非常に困ることだ。

 そう言ってまず思い浮かぶのが、下着などの洋服類だろう。確かにそれもそうと言えばそうなのだが、最初美樹に手伝ってもらっていたこともあり、不本意ながらある程度は慣れてしまった。……不本意ながら。

 それよりも、一番困るのはトイレだ。仕方などについては下品なので省くとして(ていうか俺が話したくない)、困るのは男用、女用と種類分けされていることだ。

 今まではそんなものは当たり前で、全くと言っていいほど気に留めていなかったが、今の状態じゃそうもいかない。元男の俺にとっては、今でも女子トイレというものは入ってはいけないものとしてインプットされている。入るのが気まずいのだ(個室な分、まだましだが……)。何度か、間違って男子トイレに入ってしまい、京と女神に怒られた記憶がある。

 それにいざ中に入ったとしても、非常に落ち着かないのだ。女子トイレに『潜入している』ような気分に陥ってしまい、どうしようもない背徳感が俺を襲うのだ。そんな状況で用を足しても、妙な気分というか変な気分というか、とにかく困る。

 これが悪いことの二つ目だ。


 ……こう言うと悪いことばっかりで良いとこは『買い物』しかないと思うだろうが、そんなことはない。こうなってしまって、一番良かったことはちゃんとある。

 それは、新しい関係が出来たことだ。

 朱菜、葵、緑の三人は新しい環境に慣れていなかった俺を助けてくれた。それだけじゃなくいつも俺のことを気遣ってくれる、かけがえのない友達だ。……『親友』と口に出して言うのは照れくさいが、そういう存在にあたるだろう。少なくとも、俺はそう思っている。

 美樹だってそうだ。『他人』という形になってしまい、以前のような関係にはもう戻れないと俺は思っていた。だが美樹は俺のそんな心配を吹き飛ばすかのように、前と同じように『家族』として接してくれたのだ。


 それが、どれだけ嬉しかったことか。


 ……それにこれは言っていいのかわからないが、女になってから美樹と前より近くなったような気がする。京が前に女神に愚痴ってたのを俺は密かに聞いた。

 それに父さん、母さんも見ず知らずになってしまった俺を我が子のように扱ってくれる。


 女神は……、普段は本当に神様なのか? と思うことばっかりだが、真面目な時は真面目だ(そりゃそうか)。俺が不安だった時に慰めてもらったことは、まだ記憶に新しい。根は優しい奴なんだと思う。


 最後に京は、……。

 本当のことを言うと、よくわからない。けど、最初の時みたいにもう『俺』ではない。それは確かだ。一言では言い尽くせないが、もうお互いにそれぞれの『人間』だ。


 ……行動や考え方も、今じゃもう大分変わっているみたいだし。

 それに、同じ体験をした数少ない理解者だ。話せることは尽きないし、何より一緒にいると楽しい。……趣味も似通ってるからな。


 沢山の人間とこういう風になれたのも、変な言い方だが女になったおかげだ。そこら辺には感謝している訳であって。……これが、不安だった俺を支えてくれたものたちだと、俺は思う。他の悪いことをカバーしてくれるほどの尊い価値があると、強く思う。


 大切にしていきたい。











 神谷京~日常についての考察~


 俺の名前は神谷京、高校一年生だ。

 最近は、特に何の問題もなく過ごしている。……ちょっと前は、色々と大変だったんだが。まぁ、英語で言えばカオスだったってことだな。あっ、いたっ! すいません! 石投げないで!!


 とにかく、もうあんな煮え切らないケンカは懲り懲りだ。……まぁ、今思うと俺が8:2ぐらいの割合で悪いのだが。その件については、深く反省しているつもりだ。

 実質、あれからはそれなりに気を配っているつもりだ。だが、この前そのことを踏まえて『困ったことがあったら何でも相談しろよ!!』と男らしく胸を張って言ったところ、ちょっと驚いたような顔をされたあと『べ、別にいいから……!』と言われ顔を背けられてしまった。

 ……また何か無神経なことでも言って、怒らせてしまったのだろうか? ちょっと、切なかったぞ。

 まぁ、それは置いとくとして。最近は、きよの表情が柔らかくなったような気がする。笑うことが増えたからだろうか、優しい顔になったというか、何というか。……きよには不本意だが、普通の女の子らしい顔をするようになったのだ。

 そのせいか、きよが女子の輪の中に入っていても、前みたいに違和感を感じなくなってしまったのだ。それどころか、きよと話していると女の子と話しているような錯覚さえ覚えてしまうようになった。……非常に由々しき事態だ。

 口調は変わらず男口調のままだが、雰囲気がもう何か、違うのだ。まぁ別に女神の言う通りに女の子として見て、女の子に対しての対応をしても良いのかもしれないが、それをしたら俺の中の何かが崩壊してしまうような気がするのだ。だから俺はここしばらく、変な葛藤に悩まされているわけで……。

 それに、周りの奴らが俺たちをそういう目で見るから余計に考えてしまう! ……っていうのもあると思う。

 確かに俺たちは、事情の知らない人から見れば親戚、つまり直接は血の繋がっていない関係(家族たちから見れば、記憶喪失だった赤の他人)だ。そんな同じ年頃の男女が一つ屋根の下で一緒に暮らしている、となればそうなっても仕方ないのかもしれない。

 だが、俺たちは何度も『違う!!』と言っているのだ。それなのに俺たちへの見方を全く変えようとしないのは、何故だろうか?『カップルに見える要素』なんて本があったら、読んで原因を究明したいくらいだ。


 ……まぁ、いい。とりあえず俺が言いたいことはだな、何だかんだあっても、毎日が前より楽しくなってきたってことだ。


 これからも続いて欲しい。









 神谷美樹~お兄ちゃんと『お姉ちゃん』~


 どうも、私の名前は神谷美樹! 中学校二年生です!

 え? 何でそんなに上機嫌なのかって? 聞いて下さい、我が家に新しい家族が出来たんですよ!

 きよさんって言うんだけど、お兄ちゃんが言うには記憶喪失で途方に暮れていたところを連れてきたらしいんです。……可哀想ですよね? ほんと、その点に関してはよくやった! お兄ちゃん!!


 というわけで、『きよさん』というお姉ちゃんが私にも出来たわけなんです。だから、今日はそのことについて話したいと思います。

 まず見ていて思ったことは、きよさんとお兄ちゃんがちょっと似ているっていうこと。……もちろん、見た目じゃないですよ?

 何か、普段はきよさんの方がちょっぴり大人というか自分を抑えているところがあるんですけど、たまにきよさんお兄ちゃんみたいなドジするんですよね。忘れ物したりとか、机のカドに小指ぶつけたとか、そんな典型的なドジを。

 でも、面白いですよね。お兄ちゃんだとそうは思わないのに、きよさんだと何か『お茶目』みたいな感じになるのって。……ビジュアルの違い? それとも、性別の違いかなぁ。まぁ、どっちでもいいか!

 とにかく、新しく『お姉ちゃん』が出来て私は今嬉しいです。一緒に買い物にも行けるし。


 えへへ、実はそれが一番だったりして。


 さぁて、明日はどこ行こっかな~!











 藤川朱菜~手のかかる子~


 あたしの名前は藤川朱菜、青春真っ盛りの花の高校一年生。

 あたしたち、中学校のときから三人グループだったんだけど……、あ、三人っていうのはあたしと葵と緑ね。最近『きよ』っていう子もそのグループに加わって、四人グループになったの。

 転校生なんだけど声をかけてみたら面白くて、気付けば仲良くなってたのよね。……何でかしら?

 まぁともかく、そのきよすんごい美少女なんだけど、それに負けないくらいの天然なのよ。天然っていうか、鈍いとか危機意識が無いって言った方が正しいかも知れないわね。わかりやすく言うと、放っておいたら変質者に誘拐されそうな感じかな。無防備なのよね、きよってば。

 この間だって、今田俊平っていうクラスの男子に押し倒されたことがあって……。え? 誇張? 事実よ、事実。とにかく! 押し倒されて胸まで触られたのよ。

 ……それなのにきよってば、『気にしないで』なんて言うのよ? お人好しにもほどがあるわよね。


 ……まぁ、そこがきよの良いところなのかもしれないけど。


 そんなんだから、あたしはきよを守ることにしたのよ。……悪い虫から。今までは葵や緑も守ってきたんだからね。


 ……まぁ、葵と緑は性格的にあんまり悪い虫はいなかったけど。それに二人とも、自分にちゃんと防衛意識あったし。やっぱり一番危ないのはきよよね。


 まぁ、神谷くんは、ある程度は許してあげるけどね。仲良いし。


 ……『ある程度』はね。











 東堂葵~四味一体~


 私の名前は東堂葵、高校一年生だ。

 ……っていうか何だぁ? だんだん言える量減ってってねぇか? ……とと、これは言っちゃダメなんだっけ。とりあえず、私が言いたいことはあれだ。神谷ときよの関係について聞いてくれ。

 あの二人、当人たち二人は否定しているけど、絶対怪しいんだぜ?

 大体、家族でもないのに年頃の男女が一緒に暮らしてるなんてそれだけで、そうだろ? ……へ? それは前に言ってる、かぶってるって? んな異次元的な話はどうでもいいんだよ。

 まず雰囲気が違うんだ。何か妙に息が合ってるというか、近いっていうか。あれは友達っていう仲の良さじゃないな、私の勘では。少なくともかなりそれに近い関係なんだと思うぜ。これからが楽しみってところだな。


 ……でもなー、神谷。きよ結構天然だから、そうなったときはちゃんと守ってやれよー?

あと、ライバルも多そうだしな。……何か神谷、幸薄そうだし。


 おっと、もう終わりの時間なのか。じゃあまぁ、私はこの辺で。

 とりあえず、これからもよろしく頼むぜー、三人とも。


 ということで、緑バトンタッチ!











 西城緑~話し上手、聞き上手~


 ……私の名前は西城緑、高校一年生だよ。

 何か、みんな好きなことを言わせてもらっているみたいだから、私も言わせて貰おうかな? ……え? あまり過激なことは言うなって? 大丈夫だよ、ちょっとしたことだから。

 とりあえず私は、もっと多く話せるようになりたいかな。……何のことか、わからない? いつも、朱菜たち三人と一緒に話すでしょ? その時に、みんなの話を聞いててばっかりで、ついつい話すことを忘れちゃうんだよね。

 朱菜とか葵とか、話し役の話を聞いてると、自分が話すチャンスが無いんだよね。話し上手は聞き上手ってよく言うけど、……逆は違うみたい。

 別にそれでもみんなと一緒にいるのが好きだから、いいと言えばいいんだけど。……それじゃ、忘れられちゃうかも知れないでしょ? ……誰にかは言わないけど。

 だから、これからはもっと積極的に話したいなー、……なんて思ってるの。……と、いうことで。一言言ってみたいと思うね。


 きよって、何で日本人なのに金髪なの?


 ……あ、これはツッコミを入れたらダメなところだったっけ。ごめんね、みんな。やっぱり、難しいね。今日はこれで、おしまいにしようか?


 じゃあ、またね。












 ○□△~#####~


 みなさんこんばんは~! あれ? こんにちは、でしたっけ? ……まぁ、そんなことどっちでもいいです。


 女神でーす! もう終わりだと思いましたか? やっぱり、最後は私が締めなくちゃ!


 で、何かさっきからみんな好き放題喋っちゃってますが……。私の話題がほとんど出てきてないじゃないですか!!

 え? 四人はお前のこと知らないんだから無茶言うなって? それでもです!


 ……あ、でもきよは言ってくれてますね。しかも何? 『根が優しい奴で、もうラブラブメロメロ』? きよったら、ほんと素直でいい子ですね~!


 ……んで、問題はあの黒髪ヘタレキングですよ!

 な~にきよのことばっかり言って、色づいちゃってんだか。私の扱い酷すぎません!?

 名前出てるには出てますけど、『女神の言う通りに』って、引用レベルじゃないですか!! まったく!! 一度あのバカには、きっちり言っておかないと駄目ですね。女神『ザ・ワールド』を使って。


 ……ということで、みなさんも私のこと忘れちゃ駄目ですよ~? 私のお陰で『きよ』という存在は誕生したようなもので、言わば私はきよのお母さんなんですから!

 わかりましたか? では、時間も迫ってきたので、ここら辺で。


 本当におしまいですよー。


後書き劇場

第九回「作者不在でございます」


女神『どうもー、女神でーす!』


きよ「え? え? ……何これ?」


女神『ほらぁ! 何やってんですか、きよ!』


きよ「だって……、何なんだよこれ?」


女神『作者がいないから、今日は私たちが後書きを務めるんですよ?』


きよ「へ~、そうなんだ。……京は? こういうとき、いつもいるのに」


女神『めんどくさ……、ゲフンッ、エフンッ!! 何か用事があるとか言っていました』


きよ「あはは。なら、仕方ないよねー」


女神『さて、今回のお話如何だったでしょうか?』


きよ「女神さぁ、最後暴れすぎだったよな?」


女神『何言ってんですか! あんなの暴れたうちに入りませんよ~?』


きよ「え~?」


女神『そうです。暴れるって言うのはですね……!! とぉっ!!』


きよ「ひゃっ!!」


女神『んふふふふ~。こういうことを言うんですよ~』


きよ「わ、わかったから! わかったから、や~め~ろ~!!」


女神『何をしてるかは御想像にお任せしま~す♪』



十分後



きよ「はぁ、もう…。女神のアホ……!」


女神『後書きになってないですねぇ』


きよ「お前が言うな!」


女神『何のことですか~?』


きよ「まったく……。ん? 何だこれ?」


女神『カンペですね』


きよ「そんなもんあるのかよ……」


女神『最後くらい、やっときます?』


きよ「そうだな。……じゃあはい!」


女神『御意見・御感想随時受け付けておりま~す!』


きよ「みなさん、また次の話でお会いしましょう!!」


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