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小噺  作者: 間宮 要
8/8

終幕

はい。

億劫ってこういうことなのだろうって感じました。素直じゃないって言われるかもしれないですけど、これもまた、素直な感情なのです。


少しだけ、目を瞑りたいと思いました。私は、弱いから真っ白な階段から飛び降りることはできません。落ちた後に、私という個人そのものが死んでしまうのが怖いから、臆病な私は落ちることができません。


私は、生きていることの意味を見つけられません。

過剰な潔癖でもなければ、一番嫌なタイミングで一番嫌な奴に引っかかることもない。人の一時的な幸せに利用されるわけでもなければ、自由を主張したりもしないし、強い力に対抗しようだなんて思わない。人を重すぎるくらい愛したりしないし、自分の言った嘘くらい気付く。異形のものにはならないし、のんびりとした時間だって、無駄に求めないし、天才じゃないし、進化に携わったりしないし、生きてる意味なんて考えないし、リストラだって、不倫だってされない。平凡極まりない人生を送ってきたから。


だから、私は死ねません。けれど、生きていることも嫌です。だから、少しだけ、目を瞑っていたいと思います。

お休みなさい。


ありがとうございました

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