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神殿が実家なオッサンです  作者: アッサムてー
されこうべ様
120/144

13

***


 「なんかあったん?」


 友人宅にて、ステータス画面に指を滑らせ続けていた彼は、ハッとして友人へと顔を向けた。


 「んー、なんて言うか、ボランティアが身を結んだというか」


 曖昧に笑って、そう答える彼に友人が首を傾げる。


 「なんだそりゃ」


 「いや、中々ネットの世界は楽しいなぁって話だよ」


 「ふぅん?」


 友人が答えたあと、その友人の携帯電話が震えた。

 

 「お、リーチとマサ、もうすぐ着くってさ。

 ついでにジュースのお代わり持ってくるか。

 ツカサはコーラとお茶どっちがいい?」


 彼――ツカサが答える前に、友人がたまたま拾って飼うことになったペットのドラゴンが、尻尾を変化させてコーラを所望した。


 「ぎゃう!!」


 「はいはい、ゴンスケはコーラな。

 お前、ほんとコーラ好きだなぁ。

 で、ツカサは?」


 「じゃ、僕もコーラで」


 友人が、冷蔵庫で冷えているコーラを取りに部屋を出る。

 ペットのドラゴン、ゴンスケも人型に変身してそれについて行く。

 アヒルの親子みたいだなぁと思いながら、それを見送った直後。

 ツカサの元に一通のメールが届いた。

 イタズラ、迷惑メールかなと思いつつも、つい中を確認してしまう。

 それは、あろうことか先程まで掲示板で名前を見ていた人物からの、それも捜査局からの正式な捜査協力を求めるメールだった。


 「…………これは、また、熱烈なラブレターだなぁ」

 

 それが本物であることは、霊視できる人こと、ツカサには一目でわかった。

 他ならない、その目でわかってしまった。

 都市伝説としては、知っていた。

 捜査局が民間人へ捜査協力を求めることが、あると。

 まさか、本当だったとは。

 少しだけ考えて、ツカサはメールを返信した。

 捜査に協力すれば、それなりのアルバイト料が出ると記載されていたからだ。

 普通にお金は欲しい、彼にも買いたいものがそれなりにあるのだ。


 こうして、彼は神殿が担当する事件へと首を突っ込むことになり。

 後々、一方的に少女(迷探偵)の相棒と認定されることになるのだが、彼はそんな運命をまだ知らないでいた。

 何故なら彼の瞳が映すのは過去であり、未来ではないからだ。

 しかし、それはまた別の話である。


 メールを返信し終えるのと同時に、先程友人の携帯電話へ連絡をした、エルフとダークエルフの友人たちがやってきた。

 ジュースも運ばれてきた。

 そうして、いつもどおりのバカ騒ぎが始まったのだった。

 


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