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神殿が実家なオッサンです  作者: アッサムてー
ヌシラタミのお姫様
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お茶会

この話はメタな話です。

閲覧は自己責任でお願いします。



 「やぁ、来たね。どうぞ座って。

 さて、紅茶とコーヒー、それとも炭酸飲料、どれが好みかな?」


 「…………魔女の家に招待されるなんて、驚きです」


 「そうかそうか、驚いてもらえたか。

 それは、よかった。

 さて、君を招待した理由はわかっているかな?」


 「いいえ」


 「そうか、君はてっきり分かっているものと思っていたが【迷探偵】さん」


 「…………」


 「答え合わせだよ。もしくは、解答だ。

 今回の件、1番の大嘘つきについて、君の答えを教えてくれ」


 「……ミステリ好きが聞いたら激怒する答えですけど」


 「構わない。()()()()()()()については、既に、明らかになっている。

 報告掲示板は今回は立たなかったが、まぁ、十分だろう。

 約束は果たされ、あの森にいた哀れな魂達はすべて救われた。

 それは答え合わせをする必要なんてない」


 「…………」


 「とりあえず、茶菓子もある。ゆっくり話そう時間はたっぷりあるのだから」


 「クッキー、いただきます。

 あ、おいしい」


 「それは良かった。

 さて、このお茶会はとても()()的なものだ。

 答えに自信の無い迷探偵さんへの、答えだ。

 確信になったかな?」


 「そうですか。安心しました。

 俺の答えは当たりだったみたいです」


 「そうか、おめでとう。

 さて、それじゃ解説をお願いしようかな?」


 「それは、魔女さんの役目では?

 もし、このやり取りを見ている人達がいるとしたら最後のヒントになるかと思います」


 「ヒントなら、彼らあるいは彼女達が沢山出していただろう?

 そうそう、彼らあるいは彼女達(大嘘つき達)と同じ世界の住人なら何人か掲示板に書き込んでいたっけ。

 今回、エステルが建てた掲示板もそうだが、大愚がこの世界に来て建てた掲示板のほうにも住人の書き込みがあった気がする。

 エステルが建てた掲示板の、大嘘つき達と同じ世界の住人のコテハンだけ、挙げてみようか。

 【菊里】、【馴鹿さん】、【at】、【斬理牙夜】、【ちびす け】、【帝】。

 以上の六名は、少なくとも大嘘つき達と同じ世界の存在のはずだ。

 さて、その大嘘つき達の名前だが。

 彼ら、もしくは彼女達の名前は、いつだって目に入ったはずだ。

 通常だったら私や迷探偵さんでは、絶対にわからない名前だ。


 その名前は、それこそ、物語が始まる前に目にするだろうし、うん、媒体いいや()()()()によっては、ずっと目にし続けたと思う。そう、それこそウェブ小説とか。

 そうだな例えば()()()()()でゲームを遊んでいるような名前の者もいれば、紅茶の名前をもじったものであったり、普通の名前だったりと、少なくとも三つ以上は名前があるはずだ。

 もう答えだな。これは、答えだ」


 「……たしかに、俺では名前は分かりません。

 ただ、名前がいくつもあるように、呼称も一つとは限らない。

 生みの親、神様、創造主、造物主。

 そして、物語的に言えばこうなる。

 【  】、と」


 「さて、質問だ。君に質問だ。

 なんで、大嘘つき達はこんなことをしたと思う?

 物語上の事件とは関係ないクイズをわざわざ仕込んだと思う?」


 「分かりません」


 「想像でいい、空想の答えでいい」


 「…………そりゃ、クイズを出すのが、仕込むのが楽しかったからとかじゃないですか?」


 「その心は?」


 「クイズはそういうゲームじゃないですか。要は、遊んでいただけなんじゃ?

 だから、魔女さんに嘘をつかせた。

 【嘘つきはだれ?】この縦読みのメッセージ。魔女さんは自分で仕込んだって言ってましたけど、なんとなく違うかなとは最初の時点で薄々感じてました。

 あまりにもタイミングが良かったから。

 あとは、掲示板で話題になってたネタも、ヒントでした。

 悪魔の証明とか五分前仮説とか。

 まぁ、でも神様に出来ないことなんてないでしょうから。

 俺がここに来て、話すこともきっと決められていたことなんでしょうけど。

 それに、【  】の名前は、それこそ見えているようで見えていないものになると思うんです。

 たとえば、今回の件、これが1つの物語だった場合、それを書いた存在が名前も知られていない無名の存在だったなら、読み手ーーつまり読者はタイトルやあらすじ、そしてジャンルで目を通すか否かを決めるはずです。

 挿絵がついているなら、挿絵で選ぶかもしれません。

 絵の場合は、その絵柄が名前の代わりになるでしょう。

 でも、そこにはたしかに書いた、あるいは描いた存在の名前は見えているのに、見えていないんです。

 世界を、舞台を作り上げた存在の名前を意識するかどうかで、きっとこの答えは意味をもつのだと思います。


 すみません、紅茶ください。喉が渇きました」


 「それだけじゃないだろ?

 ミルクと砂糖は?」


 「いりません、ブラックで」


 「おや、ストレートと言わないんだな」


 「意味合いは同じですよ。意味が通じれば良いんです。本質が変わるわけじゃない」


 「たしかに。それで、迷探偵さんは気づいていたんだろ?

 大嘘つき達の、最後のメッセージに。はい、どうぞ。リクエストの紅茶だ」


 「ありがとうございます。

 香りが、良いですね。

 あぁ、アレですか。

 まぁ、そうですね。魔女さんだってヒントを出してたじゃないですか。

 最後のメッセージ、最後のヒントは【ヌシラタミ】って。

 これを、素直に、つまり一個前のスレッド【桃って邪気はらうんだろ?】で書き込まれた、末尾の文字をヌシラタミ、つまり一番下から、1000スレッド目から1文字ずつ拾っていくだけでしたから。

 九文字の伝言、これをこの形で仕掛けられるのは、あえてこう言いますが、たった一人です」


 「そこまで分かっているなら、私に言いたいことがあるだろう?

 お前は何者だ、って」


 「魔女さんは、魔女さんでしょう?

 そして、俺は、迷探偵でしかない。

 魔女さんはともかく、俺は、役割すら振られることのない脇役、モブですから。

 あぁ、でも、物凄く感情的な理由なら、今回の黒幕の動機はだいたい察しがつきます」


 「ほほぅ?」


 「魔女さん、こう言ってましたよね?

 国語の答えのようなもの、だって。

 それに誰だって、欠片でも良いから、たった一人の記憶の中に残りたいと、一度は考えませんか?

 歴史に名を残すことはなくても、一度は憧れるでしょ?

 ほら、誰しも物語上の主役に一度は本気でなりたがるものですし」

 

最後に、参加して頂き本当にありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 何度もすみません!! ヒントいただけてありがとうございます!! でも、実はそこまではわかっているのですが、そこから先が・・・ 深読みし過ぎて、訳がわからなくなってきました汗 普段ホラーや推…
[良い点] 全然分かりません!!! 答え教えてください!!
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