1.愛の宣誓
これは、純粋に澱む愛をしたためた物語である。
――ボクは、愛するだけだよ。
少女は語る。心を騙ることなく、真正面から証明する。
疑うことなく慈愛の笑みで、ただただ愛を振り撒いていく。
――だって、愛することって、当然でありふれたことデショ。
――好きも嫌いも愛なんだよ。ほら、ストレスの捌け口として暴力を振るうのも捌け口として気に入っているからだし、愛玩用に愛でていても自分の思い通りにならなかったら暴力を振るうデショ。だったら、どっちにしても、相手を愛していることには変わり無いんだよ。
――関心は愛に直結する。ううん、関心を持つことそのものが愛なの。どんな行為も全部全部、愛があるからこそ行われるんだよ。
――それでね。反応も関心の内デショ? だから、反応することは、愛を返しているってことデショ。
――ねぇねぇ世界は無限なの。無限に回っているの。何かが起きれば別の何かが誘発されて、廻り廻って何らかの形で繰り返されるの。何かをすれば、形を変えてでもその人のところに戻ってくるの。
――ねぇだから、愛すれば愛されるってことだよね。
――ねぇだからボクに愛されて。ねぇだからボクに愛させて。
――そうすればアナタの関心がボクに向くから。アナタにボクは愛されるから。
――ねぇボクは愛されたら愛し返すよ。癒されるのなら癒し返すし、傷付けられるのなら傷付け返す。もちろん、憎まれたら憎み返すよ。
――――――だって、すべては愛じゃない!
愛を欲する少女は、愛に満ち溢れていた。
人々が自分の心を糧に『呪術』を扱う世の中で、人々の心の闇が『悪魔』を生むその中で。
呪術師の少女は、純粋に澱む愛に、沈んだ。