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なぁ、楓桜。
俺はお前を傷つけてばっかだった。
あいつと似ているから。
でも、俺はあいつじゃない。
……いっそのこと、あいつになってやりたかったよ。
お前はいつも、「ごめんね」と、悲しそうな顔で謝る。
お前が謝る必要なんてないんだ。
俺が、それを望んだんだから。
お前が笑顔でいられるなら、“代わり”でもいいと思った。
でも最後には必ず、辛い思いをさせちまったな。
ごめんな。
初めて会ったあの時。
俺は心のどこかで、喜んでいる自分がいることに気づいていた。
そして俺は。
お前が、“俺自身”を見ることを、心のどこかでいつも望んでいた。
気づけば俺は、お前に嘘をついてばかりかもしれない。
ごめん。
ごめんな。
それと、もう一つ。
言っても意味なんて成さないかも知れないけど。
俺が言っても、お前を傷つけてしまうだけかも知れないけど。
一つだけ、言わせて。
──俺は、ずっと……
……お前が、好きだったよ。
たぶん、初めて会ったあの時から、ずっと。
俺は、あいつと違って素直じゃないから。
この言葉をなかなか伝えられないと思う。
だから。
──いつか。
この言葉が伝えられる日を、願うよ。
それが、俺らにとって最高の日になることを、ずっと願ってる──……