小惑星ナルルです。私の惑星ですね。
宇宙空間のどこか。
青い惑星の小惑星ナルルです。
暑い湯気が私の姿を包みます。
仲間として動くなら裸の付き合いは大事だと思います。
私はミルキーと共に温泉に入ります。
ミルキーの猫は地獄に置いてきたのですが、魔力で生み出した一匹の黒猫だけはこの惑星をウロウロしています。何故かミルキーはこの猫だけは大事なようです。その猫はきまぐれなのかどっかに行きました。
「次の国は日本です。温泉という健康を保つ不思議なお風呂があるので再現しました」
「何で水着着ないの? タオル一枚じゃ恥ずかしいわよ」
「お構い無く」
「いや構うでしょ? 裸なんて見せられないわよ! ってあーれー!」
ぐるぐると回りながらミルキーの水着を剥ぎ取りました。
この場所は私の小惑星なんだから覗き見する人はいません。
ぶい。
そして、私達はゆっくりと肩までお湯に浸かります。
「ふぅ……癒されますね」
「確かにね。次の国はこんな施設があるなら行ってもいいかもね。機械が発達した国なのよね。チョンマゲの」
「チョンマゲ……の時代より少し後ですね。でも温泉はたくさんあるから安心して下さい」
「この温泉ってのは肩こりとか腰痛とかに効果がある色々な特色があるのよね。ここの温泉は何?」
「疲労回復、血行促進です。ミルキーは年寄りだから肩こりと腰痛の効能があった方が良かったですかね?」
「は? アタシはまだ十五よ! ピチピチの十代なのよ!」
「まぁ、そんなにカリカリしないで下さい。胸に栄養が行きませんよ?」
「!? アンタが言うか!」
私はフルーツ牛乳を渡します。
温泉は汗をかくので水分補給をしないと脱水症状を起こしてしまいます。
特にミルキーはいつもカリカリしてるので脱水症状になりそうな感じがします。
『……』
ふぅ……と私達は甘いフルーツ牛乳に癒されます。
フルーツの甘みと牛乳のサッパリ感が上手くブレンドされて全身が活性化されるようです。
私は胸以外は最強なので胸が活性化すると嬉しいですからフルーツ牛乳さんお願いします。
私はふと、背後に描かれる富士山の絵を見ました。
聞いた話によると富士山は噴火するらしく、それをここで再現したくなってきました。
身体が活性化すると動きたくなりますね。
私は水中で魔力をこねくり回します。
ブクブク……と泡が浮かびました。
「何その泡? アンタオナラしたでしょ?」
「してませんよ。水中で手をいじってただけです」
「多少いじっただけじゃそんな泡出来ないでしょ。オナラしたならしたって言いなさいよ。別に普通な事なんだから」
「出る前は言いますよ。多分」
「アンタ、本当に捻くれてるわね」
「富士山の噴火ぐらい捻くれていますかも? ドカーン」
一気に水中で蓄えた魔力を爆発させました。
日本で語り継がれる富士山の噴火を再現してみました。
違ってたらすいません。
「アホ……ナルル」
ピク……ピク……と口からピュー! ピュー! と水を出して全裸のミルキーは仰向けで倒れています。
何か池の鯉みたいですね。
「中々起きませんね? 富士山の噴火作戦が失敗したのかな? いや、これはのぼせたのかな?」
ツンツンとちっぱいをつつきます。
反応から見てどうやらのぼせたようです。
冷水でも浴びせて起こしましょう。
「えいやー」
バシャ! とキンキンに冷えた水流魔法を浴びせました。
「ひょえー!」
何故かお尻を抑えながらミルキーは飛び上がります。
あーだこーだと酷い文句を言われますが無視します。
「……もう文句を言うのはやめにするわ。で、次の日本ワールドでどんな事件が待ってるの?」
「うーん。それはわかりませんね。とりあえず、プラネットスフィアから離れ出してるので行かないとわかりません。日本は魔法の文明が無いので面倒な事になる事を覚悟しといてください」
「アンタと仲間になったので面倒事なんてたいした事無いわよ。アタシはアンタに負けたけど強いのよ?」
「えぇ、わかってますよ。さて、頃合いですかね」
そろそろワープゲートを開きやすい時間になってきたようですから。
それにあまり温泉にいるとのぼせます。
「行きますよ。ミルキー」
「行くわよ! レッツらゴー! でしょ?」
「……ま、いいですけど」
私はぶいサインをして美少女無双を叩き込みワープゲートを開きます。
その間、貧乳を晒す全裸のミルキーは腰に手を当て堂々と言います。
「何よ? 決めセリフ取られて悔しいんでしょ? ふふ~ん。アンタなんてお見通しなのよ」
「いや、ミルキーが裸のままでいいのかな? と思っただけです。ではレッツらゴー」
「あれ? 裸? ちょ、まー」
私達はプラネットスフィアから離れようとしている日本ワールドへとワープしました。
ぶい。