ギャンブル勝負をします。イカサマ……?
温泉マンことオユとの勝負内容はポーカー。
私達は三人の内の誰かが勝てば勝ちです。
なので先方、中堅、大将は必然的にクンカ、ミルキー、私ナルルという結果になります。
相手は確実にイカサマで来るでしょう。
トランプに絶対はありません。
魔法でも使わない限りは。
それでも勝てるという事は、イカサマがあるという事です。
なので初めにトランプ自体をチェックします。
その間、クンカはミルキーにポーカーのルールを学びます。
そして私はトランプの変な折り目、文字やインクの乱れ、カードの変色などを確かめます。
温泉マンは言います。
「どうなの? 問題ナッシングでしょ?」
「ナッシングですね。では勝負といきましょう。クンカ、ミルキーに仕込まれた通りにやればいいのです」
「わかったでござる」
初戦はクンカです。
ポーカーのルールは即興で教えました。
何とかなるでしょう。
負けても後、二回チャンスがあるので問題ありません。
温泉マンのカードの切り方は普通です。
そしてシュシュとカードを配り、二人はカードを見ます。
すると、一枚の手札を捨ててカードの山から一枚回収する温泉マンは言いました。
「カードオープン」
一発目からカードオープン?
クンカは三枚の手札を捨て、トランプの山から回収します。
「……ブタでござる」
「私の勝ちね。運が良かったラッキー! ラッキー! ラッキースケベ!」
「はうっ!」
クンカはオッパイを触られました。
そして自分の巨乳にクンカの顔をうずめます。
あー! と言う顔でミルキーは恐怖しながら見ています。
乳酔いでフラフラになるクンカは倒れました。
この温泉マンは危険な女ですね。
まさか、巨乳はああいう使い方もあるなんて……恐ろしや巨乳。
私も巨乳になったら使い方を考えねばなりません。
パフパフという技らしいです。
名前はかわいいですが、クンカの心神喪失した顔を見ると、あの巨乳以上の乳が無いと絶望する技らしいです。
覚悟せねばいけません。
クンカは敗北し、そしてミルキーの戦いが始まります。
(温泉マンのカードの切り方は普通……なのにあんなカードが一発で来るのはおかしいですね。何がイカサマなのか……)
配り終わると、私の思考にノイズが走ります。
そして一回のチェンジの後、温泉マンはカードオープンしました。
カードチェンジしたミルキーは顔を曇らせます。
「負けたわ……ナルル後お願い」
「任せておきなさい。ぶい」
ミルキーも敗北しました。
温泉マンは勝つ気満々の私に向けて言います。
「その自信はどこから来るの?」
「そりゃ勝ちますよ。だって少女ですから」
なるほど……もう温泉マンのイカサマはわかりましたよ。
私で勝利を決めてしまいましょう。
大将である私の戦いが始まります――。
とどのつまり、彼女の策はこうです。
初めにキングなどの同じ手札を下に忍ばせておき、上手くカードを切ります。
そしてトランプを上から配るフリをして自分のだけは下から配ります。
それが温泉マンの手口です。
ミルキーとクンカの敗北により、それを知りました。
ありがとう。
「貴女達は貧乳です。しかし、未来があります」
「それはアンタにも言える事よ!」
「そうでござる。わっちはすでにそれなりでござる」
そんなこんなで、クンカの隠れ巨乳を今更知りました。
普段は意識的に胸に力を入れて抑えているようです。
動きづらいから。
私は動きづらくて構わないんですがね……。
「では、私がカードを配りますね」
「? バレバレな不正はダメよナルル」
「なら配り直しましょう」
素直に配り直します。
「いえ、私にやらせて」
「ではどうぞ」
結果的に温泉マンに配ったカードは私に来てしまいました。
勝利に満ちた顔の温泉マンとうつむく私はカードをオープンします。
ミルキーとクンカは心配そうに私を見つめます。
そんな子犬のような顔をされると、いじめたくなるのでやめて下さい。
さて、このゲームを終わらせるとしましょう。
「私はファイブカードです。貴女はブタですよね? よって私の大勝利です。ぶい」
「何で……貴女にそんな強いカードが行くの……?」
「先程のカードは貴女に全てキングが行くようにしてました。なので私に来たのがキングでおかしくありません。その洞察眼が仇にありましたね温泉マン」
「あー、やられたわ。わざと負ける手札を置いてから勝負を開始するなんて貴女イかれてるわ。負けを認めるわよ」
というわけで、惑星ナルルの温泉管理人に温泉マンはなってくれました。
ぶい!




