表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナルルは異世界を旅します。ぶい。  作者: 鬼京雅
監獄ワールド編です
21/38

オタエ姫を見つけました。

 ツムジがハゲてる緑の少女に私は言います。


「怪盗メイズ。貴女はオタエ姫を一体何に使うつもりですか?」


「混乱するだろうけど聞きたい? 聞きたい? そうね……教えてあげるわ。あれは寒い日の午後だった。幼い私はマッチが欲しくて……」


 本題までの下りが長いので飛ばします。

 確かにこんな長い話を聞いていたら混乱しますね。

 それがメイズの罠なのかもしれませんが。


「……なわけよ。って混乱しすぎて目をつぶってるけど寝てたわけじゃないわよね?」


「……もちろんです。全部聞いてましたよ。ぶい」


「そうよね。私は悲劇の怪盗でもあるから辛い話で混乱させてしまっあのかもしれないわね。でも手加減は出来ないわよ。だって私にはこの姫の魔力が必要だから」


「はい。わかります」


 とりあえず半分寝てたのはバレてないようなので、ぶいをしました。

 このグリーンの髪の怪盗の話を要約すると、ある刀を奪う為の仕事中に和の国の姫の中にある稀有な魔力に注目し、それを人柱として次元トンネルを生み出す力を欲していたらしいです。

 そこには盗んだ物を無限に放置出来、ワープも出来る最高の場所。

 怪盗としては盗んだ物を置いておく場所としては最高の場所なので宝玉と呼ばれる魔力を持つ姫を奪還したそうです。


「次元率の私的干渉はナルルが許しません」


「ワープは高位魔法使いなら出来るでしよう? 誰でもやってる事よ」


「使用頻度が高いのと、常時使うのはルール違反です」


「そんなジンクス吹き飛ばすわ!」


「ジンクスじゃありません。ルールです。馬鹿ですか? 馬鹿面の馬面ですか?」


「サクテルと一緒にしないで!」


「ヒヒッ! なーんですってーっ!」


 丁度良く、馬面ポニーテールのサクテルが現れました。

 このタイミングで現れるのはやはり馬のみみはなんとやら……ですね。恐ろしい。

 そして混乱する戦況から逃げます。

 面倒なんで。

 そのまま監獄エリアの闇である、デスピエロゾーンに侵入しました。

 でもそこはグリーンフォレストと呼ばれるメイズの隠れ家でもあります。

 灼熱と極寒地獄であるこの場所は生身の人間では一時間と持ちません。

 魔力による防御が必要です。

 まだ追って来ますね。

 困ります。

 というか、クンカとはぐれました。


「逃げるなーーー!」


 ズバババッ! とサクテルの鞭が唸りを上げ、植物や木々がなぎ倒されメイズも驚いています。

 魔力も無いのにこんな怪力なのはこの女ぐらいしか見た事がありません。

 努力は才能を凌駕する。

 という言葉を信じざるを得なくなる光景を見せられています。

 圧倒的な鞭の舞を見せるサクテルに対応するメイズは言います。


「あーらナルル。いつからこのサクテルと仲間になったの?」


「仲間ではありません。姉の仇の問題じゃないでしょうか?」


「そーよ!」


 巨大な大木を鞭で破壊しました。

 馬並みですね……馬力が違います。

 何かまたフラフラとしました。


「よくもこのメイズ様の空間をメチャクチャにしてくれたわね……」


 流石に自分の空間を壊され過ぎたメイズはワープゲートを拡げます。

 しかし、ダメージを覚悟でサクテルはメイズに特攻しました。

 服が破れ、ボロボロのサクテルは影縫いにてメイズを捉えました。


「やるわねデコっぱち」


「姉さんの仇は取るわよ混乱女」


 影縫いで動きを止めてもらってる間に、私は美少女無双を叩き込みます。


「えいえいえい、やーやーやー、とーとーとー、ちっちっち」


 ズバババッ! と直撃しました。

 そしてグリーンフォレストは解除されます。

 元のデスピエロゾーンには私とサクテルが残されました。


「死体もゲートも無いけど、あの深緑怪盗メイズは倒せたの?」


「倒せたかどうかは不明です。あのゲートが消滅してるから上手く逃げたのかもしれない」


「厄介な相手ね……私はここで働いている以上、仇を取るチャンスは今回しかなかったのに……」


 おでこを撫でてあげます。

 ……?


「何かテカってます」


「……って私の服で拭くな!」


 手についた油をサクテルの服で拭いたら服で拭くなと言われます。

 みんなそう言いますね。

 流行ってるダジャレでしょうか?

 そしてメイズは人が立ち寄らないデスピエロゾーンから脱出していたようです。

 人が長時間過ごせない処刑場であるからこそ、格好の隠れ家だったようですね。

 灯台下暗しです。

 私は再開したクンカの鼻に頼りながら薄暗い道を進みます。


「クンクン、クンクン。こっちでござる」


「便利な鼻ですね」


 ズンズンと魔力の結界がある場所へ行きます。

 敵が現れれば瞬時に倒し、警報機を鳴らさせません。

 そして、魔力結界のある場所へ辿り着きました。

 そこにはクンカの主人である和の国の姫・オタエがいます。

 着物という仰々しい服を着て座布団に座り、ふふふと微笑むオタエは私に向かって言います。


「和の国の姫。忍者オタクのオタエです。よろしくお願いします」


「どうも輪廻の美少女ナルルです。ぶい」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ