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ナルルは異世界を旅します。ぶい。  作者: 鬼京雅
監獄ワールド編です
20/38

怪盗メイズが奇襲してきました。ツムジがコイン型にハゲてます。

 何かこの看守長サクテル、ヒッて言ってますよね?

 何か気分が悪いので聞いてみます。


「ヒッ。て、何ですか?」


「鼻で笑ってるのよ」


 へぇ、と笑う私は言います。


「ヒヒーン。馬面サクテルヒヒーン」


「何その鳴き方! 本物の馬の鳴き方はこうよこう。ヒヒーン! ヒヒーン!」


「ほー、素晴らしい。流石馬面」


「じゃあかしいわボケ」


「じゃあ馬鹿面」


「なにおー!」


 怒るサクテルは悪鬼の如く鞭を振り回し暴れます。

 何とも御しやすい女ですね。

 どこかミルキーに似てます。

 でもミルキーと決定的に違う点があります。

 サクテルは標的を捕らえられなければ殺す事を厭わない――。


「っと! 危ない危ない」


「生かしてはおけないわ。屍にしないとならない敵だから殺すわよ」


「そうですか。サクテル禿げてるテカってる」


「挑発には乗らないわよ……」


 相手の影を縛り付け動けなくする影縫いの技と圧倒的パワーと五メートルあたりの空間制圧をする鞭によるコンボは素晴らしいです。

 これほどの若さでここまで強い人間に出会えるのは喜ばしいかもです。

 魔族やエルフなら寿命が長く腐らなければ成長出来ますが、魔力も使えないただの人間がここまでやれるのはクンカレベルで凄いですね。そのクンカは素早い動きで手裏剣を投げています。


「ふぅ。流石は女で看守長をするだけはありますね。殺人をした事のある人間の強さは一段階違います。貴女はどこで修行したのです? それだけの強さには秘密があるはずです」


「私の強さは我流よ。この刑務所エリアで生きていくには強くなるしかないの。ならなければ……死ぬだけよ。姉のようにね」


「姉を亡くされたのですね。この環境の悪い刑務所エリアで……」


 どうやらこのサクテルは完全な我流でここまで強くなったようです。

 魔法も使えず、強い血筋や忍などの一族的な経験を伝えられるわけではなく、自分の肉体を痛めつける究極的な努力のみで成り上がった少女。

 どうにもダメですね。

 私の気に入るタイプです。

 この場を切り抜けるにはどちらかが死ぬしかないようですが、私はこの少女を殺したくありません。

 最悪ですね……最近、いい出会いが多すぎます。

 すると、バシッ! と鞭を地面に叩きつけサクテルは言います。


「関係無い話はいいわ。貴女と話してると調子が狂うし、早く倒す」


「そうですか。でも、倒されませんよ。私、最強ですから」


 一つの決意をして私は動きました。


「ぐらぐらぐらー」


 と、私は大地震を起こしました。

 サクテルは大きく体勢を崩しました。

 これで、脱出します。

 崩壊した床からクンカは脱出しました。

 そして私も逃げます。

 さよならー。

 そしてサクテルは呟きます。


「あの女……とんでもない魔力を使ったわね。これだけの地震を起こして全てを一瞬で元に戻すなんて。化け物ね……」


 そう、隙を生み出すだけで全ては元に戻します。

 罪人が逃げたら困りますからね。

 そして、クンカとこのオタエ姫を探すまでの道のりで話します。


「それにしても和の国の忍の衣装は不思議ですね。無駄が無く洗練されているのにカッコイイです。衣装が影を現しています」


「そうでござるな。この忍装束とは独特なものかもしれんでござる」


「和の国はどういった特色があるのでしょう?」


「和の国は自然が多く、規律が行き届いた国でござる。戦争は続いているので、好戦的で他国を侵略するのが好きな国王が多いでござるが、自分の一族や郎党を守る為に皆が必死なのでござる」


「そうなのですか。私は和の国へは行った事はありませんが、随分と激しい感情を秘めた人間が多い国なのですね。常に他国を侵略し、新しい世界を切り開いていくには大変なエネルギーがいります。プラネットスフィアの安定の為には混乱している場所に向かわないといけないので、いつか和の国へ行く事もあるでしょう」


「その時は和の国の戦争の時でござるな。おそらくは天下分け目の決戦になるでござる」


「天下分け目の決戦……物凄く面倒な感じの戦いですね。和の国が混乱しない事を祈りましょう」


「そうでござるな。もうあまりわっちも血を見たくないでござるよ。オタエ姫と出会い、そしてこの異世界に来て色々考えが変わったでござる」


「そうですね。それが成長というやつですよ」


「成長……」


 クンカは胸を抑えています。


「胸の事ではないですよ?」


「わ、わかってるでござる」


 そして、この監獄内に怪盗メイズが存在する事を知りました。

 監獄という閉ざされた空間を利用して隠れているらしいです。

 そこに和の国の姫もいるようですね。

 なので大怪盗メイズを探します。

 すると、通路の先に緑のポンチョを着たグリーンのゆるやかパーマ少女が現れました。


「混乱! 混乱! ランランラン!」


 何かよくわからないのが現れましたね。

 怪盗らしいですが、よくわかりません。

 とりあえずクンカの主君を連れ去った犯人というのは確かです。

 なので戦います。

 ツムジがコイン型にハゲてますね。



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