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ナルルは異世界を旅します。ぶい。  作者: 鬼京雅
監獄ワールド編です
19/38

馬面の女看守が現れました。ヒヒーン。

 そんなこんなでサクテル看守長に私達がウロウロしてるのがバレました。

 律儀に警備をしてるからバレてしまったようです。

 深夜なので寝てればいいのに。

 そしてクンカは目の前に現れた警備兵に向かって言います。


「クンクン。周囲の匂いで位置は把握したでござる。一気にいくでござーるよ!」


 クンカは念仏のような言葉を唱え、歌舞伎役者のように構えます。


「刃の下に心をもち、心の中に未来を見る。外道、魔道なんのその。風雲落雷ばっちこい。クンクン嗅いだらクンカの百人無双の始まりでござーる」


 そんなこんなで警備兵にクンカは向かって行きます。

 いやはや、早いですねー。

 刀で無双乱舞をかけ背後に飛び、マキビシで相手の動きを封じ、手裏剣で刺した後に爆竹を投げました。確かに忍者無双ですね。はい。

 瞬時に警備兵が宙に散りましたよ。


「まだまだー!」


 更に現れる警備兵にマキビシを散らして行動範囲を狭め、その隙に手裏剣で前方の敵の武器を持つ手をしとめ、その人達を小太刀で倒してからまだ攻撃に意識が移っていない後列の警備兵に苦無を飛ばし倒しました。

 ……素晴らしい。私は忍の技にうっとりしてしまいます。


「カッコイイです。私もマネしたい」


「照れるでござるよナルル」


 金色の瞳を笑わせクンカは言います。

 やはり彼女は仲間にした方が良さそうです。

 魔力は使えませんが、この忍術と体術は素晴らしいものがあります。

 クンカの才能を活かすのを暗殺などに使っていてはダメです。

 彼女は日々新しい場所で戦う方が向いていますね。

 強過ぎる人間は退屈するとおかしくなりますから。

 てなわけで、この一連の事件が解決したら仲間の打診をします。


「えいえいえい、やーやーやー」


 私は火炎や水魔法で警備兵士を始末します。

 クンカと違い、私は敵を倒すのが単調ですね。

 私もシャシャシャ! と素早く動いて倒してみたいですが、疲れるのでやめときます。

 最後のぶい! をするパワーは残しておかないといけません。

 なので私は私なりにやってみます。

 手裏剣、苦無、刀、爆弾を使った美少女無双忍者版です。

 調度良く敵の増援が木来ました。


「いやはや、たくさんの警備兵が現れましたね。皆さん警棒を持って私達を威嚇しています。でもダメですね。ここからは無双による無双が始まりますから」


「とりあえず手裏剣を百枚あげるよ」


「ありがとう。一気に仕留めてみせます」


「手裏剣は自分の手を怪我する時もあるから気をつけて」


「了解です。では手裏剣無双といきましょう」


 私はズバババ! と手裏剣を投げました。

 メチャクチャに投げてみましたが、結構当たるものですね。

 私が容赦無いスピードで投げたせいかもしれませんが。

 目の前に迫っていた警備兵の大半は倒れました。


「手裏剣はほとんど威嚇程度だからまた立ち上がるでござる。今度は刀を使うといい」


「いえ、手裏剣を当てた人間だけはもう当分動けないでしょう。結構深々と刺さってるはずですから」


 すぐさま手前の倒れている警備兵をクンカが確認します。

 息はしてますが、ダメージとしては大きいのでこの戦いには参加出来ないです。


「何と……まさかこんな状態にさせるとは。やるでござるなナルル」


「まぁ、そうですね。でも狙いとしては全て腕を狙ったのですが、足に当たってる人もいますね。今度こそは腕だけを狙ってみせます」


「ならば苦無をあげよう。これは接近戦にも使える武器でござる」


「ありがとう。ではやってみます」


 今度は苦無です。

 警備兵は私達を囲もうとしているので左右に散ろうとしている警備兵から始末しますか。


「ていっ」


 左右に放った苦無は一気に警備兵達の腕に刺さります。

 その怯んだ隙に私は特攻しました。


「えいえいえい、やーやーやー、とーとーとー、ちっちっちっ」


 シャキン! と蜘蛛の子を散らすように苦無版美少女無双をかまします。

 無数の警備兵が上空に吹き飛び、その場にいた警備兵は倒れました。


「忍者無双成功です。ぶい」


「こんなに簡単に忍の武具を使いこなしてしまうとは……ナルルは天才としか言いようが無いでござるな」


「えへへ……私は確かに天才ですからねぇ」


 素直に褒めてくれるクンカの言葉に照れます。

 そして手に持つ苦無を返そうとした瞬間、クンカが叫びました――。


「あぶっ! ナ……ルル」


 警備兵の倒れる山に隠れていた敵が私を背後から襲います。

 肩口の服を切られた私は先程のクンカの言葉が気になり問います。


「あぶナルルって何ですか? アブノーマルの別バージョン?」


 というわけで新しい敵と戦います。

 面倒ですねぇ。

 また無双をくらわしてあげましょう。

 一人なんで痛いですが、この私の服を切った罪です。

 そのポニーテールの看守服を着た少女は鞭を持っていました。


「とうとう現れましたね。影縫いのサクテル。いや、馬面のサクテル」


「ヒヒッ! 誰が馬鹿面だ!」


「馬面です」


 彼女はサクテルです。

 馬面の看守長です。

 ポニーテールを揺らし、私とクンカを捕まえに来ました。

 逃げましょう。


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