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ナルルは異世界を旅します。ぶい。  作者: 鬼京雅
日本ワールド編です
17/38

私のハイパーモード・SASHで魅せます。ぶい。

 黒い姿のネコマジンは言います。

 黒カビの結晶体みたいですね。

 このネコマジンは人間のエゴなどの結晶のようです。

 だから負の黒い妖気のオーラが渦巻いていますね。

 その大きな身体はズゴー! とそびえています。


「……久しぶりにこの姿になったよ。この姿は妖気が凄いから体力を消耗する。お前達も食べてしまうぞ」


「ならこっちも食べてしまいましょうミルキー」


『え? マジで?』


 焦るミルキーは言葉がシンクロし、それ以上に焦るネコマジンを見ました。

 私は追い打ちをかけます。


「煮て食うか焼いて食うか……それとも生でいくか……貴方はどれがいいのですネコマジン?」


「我は食えぬぞ! 食ってはならん存在だ!だから堪忍して!」


「妖怪が人間のおじいさんに化けてるだけでクワセ者です。それは食わせ者とも言いますね」


『言わないだろ!』


 と、何故かミルキーとネコマジンはシンクロして言います。

 これから戦う敵とシンクロしてどうするのやらミルキーは。

 そんなわけでネコマジンは妖気を解放します。


「妖気と魔力……どちらが強いか力比べといこうか。勝負!」


「えぇ、負けませんよ。食うまでは」


『その話はやめいっ!」


 と、またシンクロツッコミが入った所で戦闘開始です。

 何かミルキーと噛み合ってませんね。

 困りますが、頑張ります。

 えいえいおー。

 ズババババッ! と魔力と妖気の力比べになります。

 ミルキーは私を援護し、私はネコマジンと会話します。


「……猫をもう一度神として認めさせる。最近の村人の好みは犬ばかりではないか。猫こそが神なのであーる」


「要は、昔の利権を取り戻したいのですね。まぁ、犬は猫よりも従順ですから好まれるのかもしれません。人は飽きる生き物ですから。周期というやつですね」


「なーにが周期だ。妖怪は犬の吠え方は怖いのだ。なので猫を神とせねばこの土地は安定しない。猫はビビリだからすぐに逃げて楽だからな」


「弱い者いじめですね。貴方も猫なのに」


「フン。我は神だからいいのだ!」


「神とはいえすでに人を殺してしまっています。なので許されません」


「この村の悪い人間を排除しようとも人の命には変わりません」


「消えてもらいます。悪霊として」


 援護をするミルキーの力を借りる為、おんぶしてもらう事にしました。

 驚くミルキーは言います。


「え? おんぶ? 何で?」


「敵が大きいからです。大きさには大きさで勝負。猫の世界の限界はまず自分の身体を大きく見せるでしょ? だから早く早く」


「わ、わかったわよ。アナタ意外に重い……痛い!」


「すみません。肘がぶつかりました。偶然です。ぶい」


「ぶい。じゃないわよ! アンタ絶対わざとでしょ?」


「過ぎた事は忘れましょう。今は目前の敵を倒すべきです。レッツラゴー」


 グリグリ! と私はミルキーのこめかみをグリグリしました。

 私の重さは胸の膨らみの重さです。

 間違いありません。

 では、改めてレッツらゴー。




 ネコマジンは目から怪光線、そして接近すると鋭い爪で攻撃してきます。

 大柄の図体の割りにはスピードがあり、身のこなしが素早いです。

 魔法を使い左右に振ってその足が止まる瞬間を狙おうとしますが、どうにも当たりません。

 うーん。

 困りましたね?

 私の調子が悪い……のではないようです。

 理由は私の下半身を担う少女にありました。


「ミルキー……まさかまだあのネコマジンを倒す事に戸惑いがあります?」


「多少は……ね。妖怪とはいえ人間のエゴで生まれた存在。だから倒すだけの結果は嫌よ……」


「ならば仲間にしましょうか?」


「へ?」


 ミルキーはその驚いた顔のまま私を地面に落としました。

 ……痛いです。そしてパンツが茶色く汚れてしまいました。


「……スカートが破れてパンツまで汚れてしまいました……?」


 ふと、ミルキーがこっちを見て笑っています。

 どうやら、私のお尻の部分の土の汚れがウンコに見えたようです。

 ……お仕置きが必要ですね。


「ミルキー。その笑いをやめましょう」


「わ、笑ってないわよ! そのお尻がウンコ漏らしたみたいなんて思ってないし! ぷっ……くく!」


「ぷっ……くく! ですか。ぷっくく事件ですか。そうですか。ならお仕置きします……?」


 そう言えばネコマジンが攻撃して来ないと思いきや、ネコマジンすら私のパンツを見て笑い転げています。なのでこっちからお仕置きします。


「ぶーい」


「ニャニャニャ!?」


 電撃魔法ビリビリでネコマジンを感電させました。

 とりあえずしばらくおとなしくなります。

 とどめは後でキッチリしますよ。

 さて、次はミルキーですね。


「ミルキー、こっちへ来なさい」


「え? ちょっと待ってよ! アンタがパンツ一枚でウロウロしてるからいけないんでしょ? 魔法でなんとかしなさいよ魔法で」


「魔法で衣服を作れるのは服飾魔道士のみです。なので私には無理」


「なら諦めなさいよ。あのネコマジン仲間にするんでしょ? 早く戦って勝つわよ」


「そうです……ね」


 ズバッ! と私はミルキーのスカートを脱がせて奪います。

 キャアアア! とミルキーは絶叫しますが、誰も助けてはくれませんし五月蝿いです。


「てなわけでスカートもらいます。ぶい」


「ちょ! ダメよ! それは魔法少女系ブランド・ピススレンダーの一点物のスカートなんだから! 絶対ダメーーー!」


「じゃあパンツと交換です」


「え!?」


 ミルキーは顔をしかめますが、ピススレンダーの一点物スカートとは交換出来ないらしくパンツを脱いで渡してくれました。汚れたパンツを脱ぎ捨て、ミルキーの赤いパンツをはきます。


「とりあえず匂いを……」


「嗅がない、嗅がない! つか、アンタ前を隠しなさいよ! 誰かに見られたらどうするの!」


「魔法で男性には見えないようにモザイクかけてるから平気です。女性には見えますが」


「だから私に見せないでいいから早くパンツはいてネコマジンと戦うわよ」


「はいはーい」


 ミルキーは必死に私の股間を手で隠してくれます。

 面倒身がいいですね。

 とりあえずパンツをもらい、どうにか汚れたパンツとおさらばです。

 やったー。

 ぶい。


「しかし、何か湿っていて臭そうなパンツだな……」


「コラ! 声に出てるわよ!」


 ヒラリ……と動く赤いスカートの中身が私の目に写りました。


「あんまり動くとノーパンのスカートの中身が見えますよ? 見えても問題無いでしょうが」


「あるわよ! 減るわよ! いや、まだ生えてないわよ!」


「あ、剃り残し」


「ちょ! めくらないでよ! バカ! アタシはまだパイパンよ!」


 顔を真っ赤にするミルキーとの掛け合いの中、電撃の感電から立ち上がるネコマジンは叫びます。


「ニャニャニャニャンダフル!」


『!?』


 私達は同時に耳を抑えます。


「耳が痛いですね……超音波?」


 ネコマジンの超音波は私達の三半規管を刺激し、平衡感覚を失わせました。

 ネコマジンはアイビームでミルキーを狙撃します。

 服がボロボロになり、ミルキーはあられもない姿で倒れています。

 魔力のおかげで怪我は無いてすがスカートがボロボロなので怒るでしょう。


「……酔いました。これはまずいですね……」


 私はゆっくり立ち上がります。

 ネコマジンはツメで攻撃してきました。


「ワシの爪が効かないだと?」


 そうです効きません。

 それよりも暑い。


(暑い……暑いです。もう……限界)


 とりあえず脱ぎます。

 酔うと熱くて仕方ありません!

 ぶーいぶいぶい! です。


「私! 酔うと凄いですから! ぶーい、ぶいぶい!」


 ハイパーモードを開放しました。

 SASHシャイニーアカシックスペシャルヒロインです。

 ぶい!

 ネコマジンはもうサンドバックにしかなりません。

 その白銀に輝く下着姿の私のパワーにミルキーは言います。


「下着で戦うなんてハレンチよ……でも、強い」


 唖然とした顔でミルキーは私を見ています。

 ハイパーモードとなる私は一気にとどめに入ります。


「最強美少女・輪廻転生ナルルは天上天下唯我独尊……ぶぶぶぶーい!」


 ズバーン! とネコマジンは極大の虹の魔法により倒れました。

 ネコマジンは目を×にしながら降参の白旗を上げました。


「私を酔わせてはダメなのです。酔うと最強が最強の最強になってしまい。惑星が壊れます。ぶい」


「アンタ、本物の化け物だわ……」


 ミルキーはとうとう私が最強だと理解してくれたようです。

 やりました。

 ぶいです……おえっ。

 酔いの反動は辛いですね。

 皆さんも飲み過ぎには注意しましょう。

 私はアルコールでは無いですが、酔いは酔いです。


「ちょ! 吐かないでよ! って何でアタシに寄って来るの? きゃあああ!」


 そんなこんなで、これで地獄事件が解決し、世界とのリンクが切れかかる日本ワールドをプラネットスフィアに繋ぐ事が出来ました。

 全身の魔力を開放し、全身全霊、天破侠乱、世界が天上に上る満面の笑みで言います。

 これが――私の全ての力を込めた――。


「ぶい!」


 決めポーズをする私にミルキーは言います。


「ぶい! にエネルギー使い過ぎよ。普段からシャキッとしなさい」


「最後にヒロインが決めないとダメじゃないですか。だから最後までパワーは残しておくのです」


「……アンタ、その瞬間だけ普通のヒロインしてるのね。詐欺よ詐欺」


「騙すつもりの無い私は悪くありません。騙される方が悪いのです」


 終わり良ければ全て良しがモットーなので私はこれでいいのです。

 皆さんは、美少女の満面の笑みが物語の最後に来て欲しいですよね?

 答えは――わかっていますよ。

 ぶい!


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