妖怪のボス・ネコマジンが現れました。黒いですね。
第一の刺客であるろくろ首女を倒した私とミルキーは魔の森の奥へ進みます。
森の奥は更に険しく、足元の草ですら異様な感じがします。
けど、この魔の森には動物が存在しないので、蛇とかは出ないので安心です。
ミルキーはビビってますが。
「そんなおっかなビックリでは先へは進めませんよ。まだ第二、第三の刺客がいるんだから」
「わ、わかってるわよ! ちょっとつまづいただけよ……」
「あ、蛇だ」
「ふあぁ! 助けてー!」
「嘘ですよ。ぷぷぷ」
私に必死に抱きついてくるミルキーを笑います。
五月蝿く怒られつつ私達は進みます。
すると、ミルキーはまた変な声を上げました。
やれやれですね。
「ふにぁー!?」
と、パンツ丸出しでミルキーは転びました。
何でこんな所で転ぶんです? と疑問に思ってると、シュルル! と渦を巻きながら私の足に何かが絡みついてきました。
「あら、本当に敵のようです。どれどれ……」
すぐに妖怪図鑑を開きます。
これはどうやら妖怪すねこすりです。
とりあえず白いブーツが痛むので、踏みます。
これは特注で値が張るので壊したくありません。
「うぎゃ!」
「話せるのですね。ろくろ首女の増援でしょうが無駄ですよ。私達には勝てません」
「勝てないのは承知。相打ちにすれば仲間が倒してくれるんニャ」
「ほう。そうですか……ミルキー?」
すねこすりの歯には毒が仕込まれていたようです。
すでにミルキーは毒にかかってしまいました。
地面に倒れながら苦しんでいます。
白目はやめて下さい、白目は。
「だから油断するなと言ったのに。まだ第三の刺客もいるんだからしっかりして欲しいものです」
「うるさいわね……早く助けて倒しなさい」
「はいはい。これじゃボス相手に足手まといになりますよ。猫に弱いのは克服してもらわないと……」
「わーってるわよ。ん?」
ミルキーがまた声を上げます。
何か森が更に暗くなりましたね。
何ででしょう?
あれ? 壁がありますね。
背後に大きな壁があります。
森なのに壁……なんてツッコミを入れる前にその妖怪は喋ります。
「私はヌリカベだよ。潰れろー愚民共!」
「あー、確かに潰れますね。あーれー」
突如、富士山のような偉大さで現れたヌリカベが倒れて来ました。
私達は潰されてしまいます。
妖怪は様々な種類がいて面白いですね。
でもちょっと重いですね。
あーれー。
※
「フガガガガ! 大丈夫ナルル?」
赤髪のミルキーは私の上に乗りかかりながら言います。
どうやらヌリカベから守ってくれたようです。
「当然大丈夫です。それにしてもミルキー凄い顔ですね。全身の血管が浮き出てて、足が生まれた小鹿のようにプルプルしてますよ。ぷぷぷ」
「ぷぷぷじゃないわよ! 早く逃げて!」
「わーかーりーまーしーたーよー」
「早く歩け!」
バッ! と繰り出されたミルキーの蹴りをのらりくらり歩く私は回避します。
「猫ちゃんパンツ見えてますよ? ぷぷぷ」
「いいから早くー!」
「はいはい。騒がしい人ですね」
私はゆっくりとヌリカベの充血する視線を感じながら歩きます。
そしてヌリカベの押し潰しから脱出した私達は魔の森の奥へ向かいます。
あれ? と焦るすねこすりは言います。
「待て! まだヌリカベは負けてないぞ?」
「いや、もう失神してますよ。ミルキーのパンツが見えたのが失神の原因らしいです。ピュアですね」
「ヌ、ヌリカベー!」
すねこすりは急いで鼻血を出して倒れるヌリカベに駆け寄ります。
またまた現れる砂かけ幼女スーラはズンズン進む私達を追いかけて来ました。
「待て! ネコマジン様は凄い妖気を持ってる! お前達では勝てない!」
「そですか。ご心配無く」
「おおおいっ! 待てーギャフン!」
と砂かけ幼女は転びます。
やれやれ……一応道案内なので助けました。
ミルキーは甲斐甲斐しく砂かけ幼女の擦りむいた膝をバンソコウを貼って治療します。
ミルキーの優しさが、いつか敵の不意打ちをくらうキッカケにならなけらばいいのですがね。
そんなこんなで魔の森の奥に辿り着きました。
そこには猫が身体にビッシリ張り付いている猫おじいさんがいます。
そのおじいさんがこの魔の森のボスという事はもうわかっています。
「ネコマジンですね。正体を現して下さい」
「ふふふ……ばれていては仕方ない。この妖気を抑える猫達を解放するか」
その猫達は吹き飛びます。
どうやら妖気で操られていた猫だったらしく、死骸となり溶けてしまいました。
それにミルキーは確実な怒りを示します。
でも、このネコマジンは猫を殺して操っているわけではないのをわかってるのでミルキーは暴走しません。そして、おじいさんの姿だったネコマジンは真の姿を現しました。