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幼馴染だった過去

兄弟

作者: 遠藤 好一郎

キョ―の兄弟の話です。

 ガララ


「良一、ここ教えて」


 テキストの回答とルーズリーフを一枚手にした梗一郎が、兄たちのいる教室を訪ねてきた。

 長兄、良一郎の隣の席の人に椅子を借り、向きを変えて座る。


「ここからここへの過程が解答でわかんない。」


 良一郎はいつもどおり、開いているのか閉じているのかわからない眼で外を眺めながら窓枠に手をやって壁により掛かっている双子の弟、好一朗と会話をしていたが、梗一郎の進入によって頭の向きを変えた。


「ここはたしか……」


 良一郎は顎に手をやって考える。


「この式を使ってこれになるはずですけど」


 その先がわからないらしい。


「そっちになってから、省略されてるけどここいってそれからこっち」


 好一朗がシャープペンシルを借りて紙に書き込んでいく。


「どこ?」

「見えてないのか?」

「僕のなら貸しましょうか?」


 見え辛そうにしている梗一郎へ、良一郎は自分の眼鏡を差し出した。


「ありがと良一。」


 梗一郎は眼鏡を受け取ってかける。

 好一の字が小さいんだなどとブツブツと文句を言いながら、好一朗の書いたものに眼を落とす。


「ここだ」


「あぁ! さすが好一」


 好一朗が指し示したところと解答を見比べ、合点が行ったようだ。


「他は平気ですか?」

「一応。また来る。」

「自分で考えてからなー」


 梗一郎は眼鏡を外し、長兄に渡してから席の主に礼を述べ、兄の教室を後にした。


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