白昼ナイトメア
「ってことがあったんだよ」
昼時ということも手伝って喧騒の学生食堂の中、お気に入りのカレーを口へと運びながら目の前の友人に先程の出来事を語り終える。
「いや、秀悟、お前それ...かなり恥ずかしいぞ」
ぐうの音も出ない程に尤もな感想を告げられ、気持ちを落ち着かせようと冷たい水を飲む。
胃に降りかかる痛みはカレーのスパイスだけの効果ではないようだ。
「だから話したんだよ。人にでも話してネタにしなきゃやるせなさ過ぎる」
水を飲んでも尚、胃の痛みはとれない。
それどころか、先程の醜態を思い返すと一層胃が痛くなる。
「秀悟さー、自分の顔、鏡で見たことあるか?醜男とは言わねーけど、見知らぬ美女にいきなり惚れられるような顔じゃあないでしょうよ」
尤も過ぎて死にたくなる。
いっそ、目の前に置いてあるフォークで頸動脈と共にこの世の繋がりを立ちきろうと考えるが、借りたDVDを返していないことを思い出してかぶりを振る。
「これ以上死体を蹴るのは止めてくれ、頼むから」
深い溜め息と共に、なんとなく周囲に視線を向けた。
自分達が入ってきた時より一層、人で席は埋まっている。
他の学食に漏れず、自分達がいる此処も学食ならではの安さと量で学生のみならず近隣の住人も食べに来る程で、昼時は座れないことすらある。
その為に、お盆を手に座る席を探して右往左往している人間も多く目に着いた。
その中の一人が珍しく隣が空いている此方へと近付いてきて、足を止める。
「すみません、ここ、良いですか?」




