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妄想パラノイア
「と、言う夢を見たんだ」
学舎ならば何処にでもある硬い学習机に頬杖をついて語る口は不機嫌そのもの。
朝から己が奴隷になった夢など見れば、当たり前のことだとも思えた。
「ちょっと待て、早くないか?何て言うかそーゆーのはクライマックスの大脱出で看守に銃を突き付けられるような場面でーー」
「うるせぇよ、アホ」
友人に対する悪態は不機嫌とは関係ない日常。
「大体序盤にしてそんなオチをかましたんじゃ読者は納得しねぇだろ!人気の無くなった少年漫画だって今時夢オチはねーよ」
「そーゆークッソ寒いメタ発言は雰囲気を壊すから止めた方が良いぞ、アホ」
今度は流石に苛立ちを感じると、嘆息と共に罵って立ち上がる。
「え、来たばっかでエスケープ?秀悟クン」
「お前と違って俺は単位足りてるから。それに、そもそも一時限とってねぇし」
足元に置いてあった鞄を手に取り、再度友人の顔を見るとわかりやすい程に唖然とした顔がそこにはあった。
「は?じゃあ、なんで来たんだよわざわざ!」
「なんとなく、だよ」
お調子者の友人に、話を聞いて欲しかったからなど口が裂けても言えなかった。




