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続・白昼ナイトメア
悪夢だった。
いや、悪夢だ。
現在進行形で。
行きつけのカフェを出て、連中から別れた後、家に帰るべく駅へと向かった。
改札でいつものように財布から定期を取り出そうとしたが、財布がない。
ポケットに小銭が入っていた為に帰ることは出来るのだが、財布がない。
「参ったなー」
独り言は格好の付くものではないが、声に出してみる。
困った様子を見せていれば誰か助けてくれないだろうか。
無理だろう。
数秒も待たずして自ら結論付けると、深く溜め息を吐く。
現実逃避は悪い癖だった。
取り敢えず、カフェで珈琲代を払った時にはあった訳だから、来た道を戻るのが妥当だろう。
人生において来た道を戻る行為は徒労感が激しい為に避けるのが美学だが、美学よりも財布が大事だった。
仕方なく駅を出ると、ポケットの中の携帯が鳴る。
見ると、知らない番号だった。
「もしもし」
「もしもし、秀悟クン?私よー」
ふぁっきゅーアウトロー美人!!




