続・白昼ナイトメア
まるで悪夢だった。
何故、散々弄られた挙げ句に責められているのか。
今朝のように目を覚ませば夢であればと、暫し瞼を伏せてから開いてみても現実はそう都合よくはいかず、あるのは変わらない景色。
「えっと、じゃあ、秀悟さん、今はいないってことで良いんですか?」
妙に重苦しい空気を打開したのは、困り果てた様子で三人を順番に見ていた長政でも、此方に敵意を孕んだ視線を向ける絵里でもなく、当人の綾子だった。
どうしてその質問を再度繰り返すのか、理解に苦しんだが、恐らくは他に思い付かなかっただけだろう。
素直に助け船に乗ることを決めると、自虐的な笑みを浮かべながら努めて明るく振る舞う。
「いる訳ないじゃありませんかー。俺はお三方と違って異性にモテないもんでねぇ?」
「そうですか。よかった」
何故か答えを聞いた綾子は目を細めた。
人がモテないことの何が良かったと言うのか。
つい指摘しそうになるも自らの墓穴を掘る趣味はない為に口をつぐむ。
当人同士のわだかまりはなくなった筈なのに、煩かった二人が静かになったことが妙に気持ちが悪い。
絵里は先程とは打って変わり、此方を眺めてにやにやとしているし、長政は綾子を見てアホらしくあんぐりと口を開けている。
一言で言って居心地が悪いことこの上なかった。




