表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛆の王  作者: 多田野 盆蔵
救いの声と救われない声
13/22

続・白昼ナイトメア


いつものカフェ。

愛想はないが空気の読めるマスターと美味い珈琲がある。

講義が終わるとそこで読書をしたり、レポートを書くのがささやかな日常だったのだがーー


「なんでいるんだよ」


「そんな嫌そうな顔しなくたって良いじゃない。私は長政クンに誘われて来たの」


「此処は俺の行き着けでもあるしなぁ」


「ごめんなさい。私はお姉ちゃんに着いてこいって言われて」


だそうだ。

前にも言った気がするが、美人が嫌いだと言えば嘘になる。

長政バカが絡んだせいだろうか。或いは、出会いが最悪だったせいだろうか。

喜ぶべきこの状況を喜びきれない自分がいた。

いい加減と思われるかも知れないが、なんとなくこの美人姉妹は危険だと直感が告げている。


「秀悟さぁ、なんでずっとむすっとしてんの?いっつもって言えばいっつもだけど」


「うるせぇな」


理由を知ってか知らずか長政がへらへらと尋ねてくる。

余計に不機嫌さを増したのを面白がるように便乗して、姉が口を開く。


「そうだよ、秀悟クン。そんなむすっとして格好付けてるからモテないのよ」


絵里エリさんきっつー!でも、言えてるぜ、秀悟」


「うるせぇよ」


いつの間に聞き出したのか、姉の名は絵里と言うらしい。

二人にからかわれて苛立ちは募る。

しかし、此処で反応しても二人が喜ぶだけだろう。

表情は変えずに嘆息を漏らす。


「秀悟さんって、恋人とかいないんですか?」


「うるせぇっつってんだろ馬鹿!」


恐らく悪意など無かったのだろう。

いや、悪意どころかもしかすれば流れを変えようとしてくれたのかもしれない。

しかし、触れてはならない禁忌に触れられて、誰の発言かも考えずに声を荒げ机を軽く叩いた。


「っ!あ、あの......ごめんなさい」


肩をびくりと跳ねさせて、自分に非がないのにも関わらず怯えたように綾子が謝罪する。


(最悪だよ...)


「何怒ってんのさ、秀悟」


「謝ることないよ、綾子」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ