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続きを書きましょう  作者: 有志多数
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第十七話

 夕方、帰宅途中のサラリーマンや学生の眼前で繰り広げられた巨大なタコと巨大なサルの死闘は、瞬く間に全世界に報道された。

 各地のお茶の間が仰天したその事件に、ひとりの男もまた天を仰いでいた。しかし、彼は驚きのあまり天を仰いだわけではない。


「やっとや……。やっと現れよった」

 声を震わせながら、一二三四郎ひふみしろうはそうつぶやいた。

 彼は感動に溢れる涙を堪えるために天を仰いだのだ。


「どないしたんですかあ?」

 エプロン姿の若い女性が眉をひそめて尋ねる。


「あれ見てみい」

 そう言って四郎はテレビを指差す。その画面にはちょうど、ハリウッド映画さながらの迫力戦闘シーンが映し出されていた。

「うわあ、でっかいタコとサルですねえ」

 おっとりとした口調でその女性が言う。これでも心底驚いているのだということは、彼女の夫である四郎にはわかっていた。


「せや、でっかいタコや。サルなんかどうでもええ」眼を輝かせながら四郎が続ける。「あいつこそわいらが捜し求めてきたタコや」


 四郎と彼の嫁である奈々は、夫婦でたこ焼き屋を経営していた。今でもそれなりに繁盛している店ではあったが、四郎は満足していなかった。


「ジャンボたこ焼きを名乗るからには、タコもジャンボやないとあかん! せやろ!?」

「あれ切るんやったらでっかい包丁買わなあきませんねえ」

 会話が噛み合わないのはよくあることなので、四郎は別段気にしなかった。


「ほなわいはこれからあいつ捕まえに行ってくるさかい、お前はでっかい包丁用意して待っとけ」

 そう言い残して四郎は家を飛び出すように出て行く。その顔はまるで少年のように輝いていたのだった。

 関西人としてはタコが主役ならばたこ焼きを出さずにはいられませんでした。もしや、関西弁キャラって関西人でない方には書きづらいのでしょうか……。とりあえず勝手に三つ巴の戦いを予期させました。次の人頑張ってください。

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