表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続きを書きましょう  作者: 有志多数
17/20

第十六話

巨大なタコと化した"私"は、眼の前で震えている巨体女を睨みつけ、唸り声を上げる。

その声は立ちはだかる者達のちっぽけなプライドをへし折り、肝を潰し、心をかき乱す。

綾香を捉えていた男達は、泣きながらその場から逃げ出し、置いて行かれた綾香は、怯えた眼で“私“を見上げた。


綾香は“私“が守る!!


そう決意した“私“は、その巨大なタコ足を巨体女に降り上げる。

そのフルスイングは巨体女を吹き飛びし、身体を壁にめり込ませる……、はずだった。


巨体女は“私“の足を片手で受け止めていた。

突然、巨体女の腕が、筋肉が膨張し、だんだんと黒い毛に覆われて行く。


「『巨獣化ビーストチェンジ』ができるのは、あんた達、憑神つきがみだけの特権じゃないのよ!!」


巨体女がそう叫んだ刹那、巨体女の身体が同じように膨れ上がり、巨大なサルへと変貌した。


人工巨獣化じんこうビーストチェンジ!!ジャイアントコング!!」


巨大なサルと化した巨体女は“私“の足を一本引き千切り、それで“私“を殴り飛ばした。


壁に叩きつけられた“私“は、どうにか七本の足で体制を立て直す。


「まだまだァ!!」


巨大ザルは今度は“私“に馬乗りになり何発も何発も殴り続ける。

必死にタコ足でガードしようと足を伸ばすが、ガードはすぐに弾かれ、まるで意味をなさない。


このまま、“私“は死んでしまうのか……、

大事な人も護れずに......


“私“は死を覚悟し、最後に一目ひとめ焼き付けようと、綾香の方へと眼を向ける。


綾香もこちらを見ており、その小さな身体を震わせていた。

綾香と眼が会う、綾香は精一杯口を動かし、唇を震わす。


頑張って、


少なくとも“私“にはその言葉だけで十分だった。


“私“は最後の力を振り絞り、タコ足を巨大ザルの全身に絡め、締め付ける。


「な、何をする!やめろ!離せ!」


その雄叫びも聞こえないくらいに、“私“は巨大ザルの肋骨を、頚動脈を、締め上げる。


そして巨大ザルは大量の血反吐を吐き、絶命した。


“私“は巨獣化ビーストチェンジとやらを解き、綾香の下に歩む。

しかしすぐに倒れ、動けなくなってしまった。

意識が遠のく。

綾香が何かを叫ぶのが見え、視界が闇に包まれた。



+++



「あ〜あ、殺られちゃった。ま、レベル1程度じゃ、こんなもんか」


女はそう言って、小型の機械の電源を切った。

そして、精神を集中させ、あのお方の顔を思い浮かべる。


「こちら『キャシー』応答願います」


「こちら『サルコ』どうした?」


標的ターゲットの捕獲に向かっていたレベル1巨獣ビーストが殺害され、捕獲が失敗しました」


「そうか、……ヤツは巨獣化ビーストチェンジをしたのか?」


「はい、」


「そうか。……それで、次はどうするつもりだ?『キャシー』よ」


「次は私が捕獲に向かいます。私はレベル4ですから、失敗は有り得ません」


「そうか、期待しているぞ」


「ハッ!クロノスに栄光あれ!」


女、キャシーは通信を切り、また夜空を見上げる。


「また、楽しくなりそうね…」


キャシーは、その蛇のような舌で、唇を舐めた。




結構伏線貼りまくりました、お茶目な雨月アナ君です。

次の人、頑張って!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ