第十二話
何もない空間。そこに佇む、一人の男。
「まさか、アノ存在が複数確認されるとはな……」
空間の一点を見つめて、そう呟く。彼の頭の中には、ある少年の姿が浮かんでいる。
いや、ただ少年と表すのは安易かもしれない。実際、彼を動かしているのは、全く違う「存在」だからだ。しかも……
「それに、2つの存在の2重憑依。異常だな」
そう、少年には2つの存在が宿っているのだ。
男は不適な笑みを浮かべる。
もしその笑みを見たものがいたならば、その不気味さに身震いしただろう。
生憎、男以外ここには誰も居ないのだが。
「さて、どうするか……。そろそろあいつから連絡が来るはずだが……」
と、その時、男の頭の中に女の声が響く。
『こちら、【キャシー】。憑依存在の複数存在と2重憑依が確認されたわ』
『こちら、【サルコ】。こちらもそれを確認。今後の状況によって、また報告してくれ』
『分かったわ』
そうして、会話が終わる。
その内容は分かりにくいものだったが、【サルコ】は満足そうな表情を浮かべる。
「さて、そろそろ本格的に調査してみますか」
【サルコ】は、懐から謎の機械を取り出す。パソコンを超小型化させたようなものだ。
【サルコ】は、そこに一言だけ書き込む。
『Go』
「さあ、その存在、調べ尽くしてやろう」
短いですっ
あと、めんどくさい伏線張りました!!
後の人、よろしく。