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彼女は謡う  作者: 縛鎖
2/6

第1話 日常1

どうぞ!


…昔は何もなかった…

…誰かと話すことも…

…傭兵だった頃の自分…

…戦うだけが…俺の存在理由…

…それを変えたのが…彼女だった…




彼女は謡う 第1話 日常




サイド フレン


隊長の朝は早い(寝坊したけどな)。

兵達の朝から気合いの入った叫びで剣を振る。


「セイッ!!」

『セイッ!!』

こんな感じだ。

たまにおかしい叫びが聞こe『セイントッセイヤ!』…これだ。

あまりにもおかしすぎる。

他の兵は笑いすぎて力がこもっていない。

まったく…これの後始末は俺がするというのに…

勘弁して欲しいものだ。



さてっ朝の鍛錬が終わり、朝食を取っている。

「あらフレンちゃん、今日は何にする?」

このばあさんはキリエ・トラエス。

この食堂の料理長だ…

「どうも、キリエさん…サンドウィッチで…」

「はいよ!サンドウィッチ一つだ!早くしなぁ!」

「アイアイサー!」

と厨房に叫び、奥へはいる。


「はいよ、おまちどうさん。」

戻ってきたばあさんから、皿を貰い隅へ移動。

食事をしている時は静かにしたい。


イスに座りいざ食べようと手を伸ばすが。

「相席いいかいフレン。」

と肩まである赤毛の男が話してきた。

「…好きにしろ。」

「んじゃ、遠慮なく。」

ガタガタッ

乱暴にイスに座るこの男はグリム・メビウス。

俺の同期で、極度のめんどくさがりでふざけるのが大好きなウザい奴。


「お前も大変だったなぁ、ほかの部隊の隊長に説教くらってよ。」

ニヤニヤしながらカレーを食べるグリムに、少しイラッと来るが冷静に返す。

「お前のせいだろ、知っているのだぞ?…影で兵達と打ち合わせしていたの。」

「ばかな…何処からもれた…!?」

「ライドが教えてくれた。」

「ライドォオ!?あのメス豚チクりやがったなぁ!!」

ウガァァァァ!と叫びを上げながら涙目で立ち上がる。

メス豚って…彼女が聞いたら何というか…ん?

「誰がメス豚だ誰が。」

…噂をすればなんとやら…

ライド・マイシェラ、緑色の髪が特徴の美女?らしい。

冷静沈着で強気に出るから誰も彼女に強く言えないらしい。

「そこが良い!!」と一部の人間(男女問わず)人気らしい。

因みに…俺に説教したのも彼女だ。


「うひぃ!?らっららライドさん?…な、何故にこんなところにぃ!?」

「ここは食堂だ…やることは一つだろう?」

と俺の隣の椅子に座る。…許可は取っていないぞ?


「良いじゃないかフレン。」

「…心を読むな阿呆。」

つれないな、と俺のサンドウィッチを食べるライド…っておい。


「何を勝手に食べている。」

「良いじゃないかフレン。」

「……もう良い…」

サンドウィッチ残料 残り2

「フフ♪なんだかんだ言うが、優しいなお前は。」

とからかう用に笑うライドの顔に、少し見とれてしまった。


「え…何この甘い空気、俺この空気の中居なきゃいけないの?」

と完璧に空気化していたグリムが俺のサンドウィッチに手を…


「やめんか赤毛。」

「ライドにやって何で俺は駄目なんだよ!?」

「それはそれ、これはこれだ…」

横暴だぁぁぁぁ!!と叫びながらカレーに食らいつくグリム。

この後も体力を使うというのに、これ以上減らされるのは勘弁だ。

というか、自分のが有るならそれを食え。

そして俺もようやく手をつけようと手を伸ばした…


ーーその時ーー



「フーレンー!」

「ガッフゥ!!?」


背中に大きな衝撃が走った…

元凶を見れば…

「何故此処にいるのですか…メリル姫…」

「暇だったから!」

暇だからってここに来ても良い訳ではないだろうに…

「忘れたの?お昼の練習、見学ありなのよ?」

そう…だったか?

「覚えてないのかい…まったく、君は隊長だろう?それを忘れてどうする?」

ライドが睨みながらこちらに言う…

「何故睨む…」

「生まれたときからこの目なのさ。」

嘘をつくな、さっきまでの笑顔は何だ?突然鬼のような顔をしていたぞ。

「とりあえず…姫、ここに居て良いのですか?」

「問題ない「姫様ぁぁぁぁああ!!」ゲッ、シグマ!」

使いの人が走ってきた。


「姫様、見つけましたぞ!」

シグマ・イース、メリル姫の付き人的存在。

メリル姫曰く「過保護」らしい…

ちなみに年齢73…よく走れるな。

「行きますぞ、姫!皆心配で探してますぞっ!」

「いーやー、もうちょっとー!」

駄々をこねるメリル姫に連れて行こうとするシグマ殿(73)。

騒ぎを聞きつけ、周りの兵士が集まってくる。

ふむ…まぁいいか。


残してたサンドウィッチに手を伸ばそうとしたとき、気づいた。

…サンドウィッチ 残数0

何が起きた…いつの間にか消えていた…

どういうこt「ゲフッ」…

「貴様かグリム。」

「何のことだフレン」

あくまで白を切るつもりか…ならば。


「ふむ…俺のカツサンドは何処に行ったか…」

「おろ?玉子じゃなかった…。」

「やはりな。」


ゴンッゴン!!


奴の頭を二回殴り、皿を片づけようとキリエさんの元に向かう。

「何をしようと私の勝手でしょう!?」「これ以上年寄りを虐めないで下され!」

「虐めてないわよ!!」

などの叫び声が聞こえる中、皿を処理してもらう。


「キリエさん、これを。」

「あらはいはい、野郎共、早く皿を洗いなさい!」

「アラホラサッサー!」

毎回毎回何故かけ声が変わるのだろうか。

不思議だなと思いつつ食堂を後にした。


昼は見学らしいし…ふぅ、頑張るか。

朝食は抜きだがな…




彼の心には今、太陽が登り始める。


ー第2話 日常2 に続くー


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