日曜日の特別ごはん
買い物袋をキッチンに置いて、
軽く伸びをした後、
私は早速「夜ご飯の準備」に取り掛かった。
今日は、平日にはできない“ちょっと手間のかかる料理”を作るつもりだ。
まずは、お米。
計量カップにお米をすくうと、
カラカラと乾いた音が響く。
その音が、日曜のごはん作りの始まりを告げる。
水を注ぐと、お米がふわっと浮き上がり、
白い濁りがゆっくり広がる。
指先で研ぐと、
キュッ、キュッと小さな音がして、
お米が少しずつ透明感を取り戻していく。
炊飯器にセットしてスイッチを押す。
——カチッ。
この音を聞くと、
「今日のごはんが始まった」って気持ちになる。
さて、メインの唐揚げ。
鶏もも肉を切ると、
包丁がすっと入って、
断面がきれいに光る。
ボウルに入れて、
醤油、酒、にんにく、生姜、そして——
買っておいたレモンをぎゅっと絞る。
レモンの香りがふわっと広がって、
一気に“休日の料理”の空気になる。
手で揉み込むと、
鶏肉がひんやりしていて、
指先にしっとりした重みが伝わる。
「これ、絶対おいしくなる」
漬け込んでいる間に、副菜を作る。
今日の副菜は——
ほうれん草とコーンのバター炒め。
フライパンにバターを落とすと、
じゅわっと溶けて、甘い香りが広がる。
ほうれん草を入れると、
しゅわっと音を立ててしんなりしていき、
コーンを加えると、
黄色がぱっと明るくて、
見ているだけで元気が出る。
味見をすると、
バターのコクとコーンの甘さが
ほうれん草にぴったり絡んで、
思わず笑ってしまう。
さて、唐揚げの番。
油を熱すると、
表面がゆらゆら揺れて、
“そろそろだよ”と知らせてくれる。
鶏肉をそっと入れると——
じゅわぁぁぁっ。
この音だけで幸せになれる。
レモンの香りが油に溶けて、
キッチン全体に広がっていく。
衣がカリッと固まってきたら、
一度取り出して余熱で火を通す。
そして二度揚げ。
——カリッ。
外側がしっかり固まって、
中はふっくらジューシー。
レモンの香りがふわっと鼻をくすぐる。
そのとき、
炊飯器から湯気の匂いが漂ってきた。
蓋を開けると、
白い湯気がふわっと立ち上がって、
お米がつやつや光っている。
「……最高」
唐揚げ、ほうれん草バター炒め、炊きたてご飯。
日曜の午後にしか作れない、
ちょっと特別な食卓が完成した。
ひと口食べると、
レモンの酸味が唐揚げの旨みをきゅっと引き締めて、ご飯が止まらなくなる。
日曜の午後は、
こんなふうに“手間をかけたごはん”が似合う。




