ほっこり癒される、日本の味
仕事を終えて外に出ると、
月曜の夜の空気は少し冷たくて、
街の明かりがぼんやり滲んで見えた。
「今日は、和食にしよう」
そうつぶやいた瞬間、
体の奥がふっと軽くなる。
月曜の夜は、派手なものより
“落ち着く味”がちょうどいい。
家に帰って、
コートを椅子にかけると、
キッチンの静けさが迎えてくれた。
まずはお米を研ぐ。
朝とは違う、
夜の台所の水の音は少しだけ柔らかい。
炊飯器のスイッチを押すと、
カチッという小さな音が
「おかえり」と言ってくれた気がした。
今日のメインは、
鮭の塩焼き。
フライパンにクッキングシートを敷いて、
鮭をそっと置く。
火をつけると、
じゅわっと脂がにじんで、
香ばしい匂いが広がっていく。
その間に、
ほうれん草のおひたしを作る。
さっと茹でて、
冷水に落とすと、
緑がきゅっと鮮やかになる。
だし醤油を少し垂らすだけで、
ほうれん草の甘さが引き立つ。
もう一品、
豆腐とわかめのお味噌汁。
鍋にだしを温めると、
ふわっと湯気が立ち上がって、
今日一日の疲れが溶けていくようだった。
味噌を溶かすと、
やさしい香りが部屋に広がる。
そのとき、
炊飯器から湯気の匂いが漂ってきた。
蓋を開けると、
白い湯気がふわっと立ち上がって、
お米がつやつや光っている。
鮭もいい焼き色がついて、
皮がカリッと音を立てた。
お盆に並べると、
月曜の夜とは思えないほど
落ち着いた食卓になった。
ひと口食べる。
鮭の塩気がちょうどよくて、
お米の甘さがふわっと広がる。
おひたしは優しくて、
味噌汁は体の奥まで温めてくれる。
「……これで十分だな」
派手じゃないけど、
ちゃんと満たされるごはん。
月曜の夜は、
こういう静かな和食がいちばん似合う。




