お互いの想い
「何か勘違いしているみたいだねトミー。
この血液は君の恋人のものじゃないよ。
今日隣り町で僕の仲間が沢山のバカな人間どもを襲ったんんだ。その時のものだよ。」
「お前らそんなことばっかりしているのか?!
ひと昔前の吸血鬼はまだどこか人間のことを恨んでいたり見下していたりしているのは知ってる。
でも僕はもうそれだけじゃやっていけないと思うんだ。
僕たちもまだ色々模索中ではあるけれど、どうにか人間たちとうまくやって行こうと工夫しながら頑張ってるんだ。」
「そんな生ぬるいこと言っているからダメなんだ!
歴史は繰り返すんだ。あいつら人間はまたこの世界を制圧しようとしているじゃないか!
自分たちだけしかこの世界はいないと思い込んでいる。あいつらは自分たちの好き勝手にやっている。
僕たちは伝説だと、、、そんなものは存在しないと、、、。君は悔しくないのか?トミー。」
「気持ちは分かる、、、。この120年正直生きにくいと感じたことも沢山あった。
けど、、、、、それでもこの世界は美しいし大切な人たちも居てとても楽しい。
それにこの世界には色んな生物が沢山いるじゃないか!今の人間は気づいていないだけで、、、。
魔女も妖怪も宇宙人も僕たち吸血鬼もみんなみんな存在するんだっていつか気づく時がきっと来ると僕はそう信じてる。
だから君もこれからは一緒にこの世界を楽しんで生きて行かないか?」
「君はまだ何も分かっていない。
もう僕は人間にはとうの昔に絶望しているんだ。
僕の仲間が何人ハンターにやられたか、、、。
君はまだ若いから、、、、、。
いつかきっと後悔する時が来るだろう。
その時が来たら我々種族と力を合わせてこの世界を一緒に変えて行こうじゃないか!その時まで暫しのお別れだトミー。」
そう言うと男たちは一瞬にして姿を消した。




