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届いてしまったマドンナ

作者: 天川裕司

初めまして、天川裕司です。

ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。

また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。

どうぞよろしくお願い致します。

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


【アメーバブログ】

https://blog.ameba.jp/ucs/top.do


【男山教会ホームページ】

https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/


【YouTube】(不思議のパルプンテ)

https://www.youtube.com/@user-vh3fk4nl7i/videos


【ノート】

https://note.com/unique_panda3782



【YouTubeドラマにつきまして】

無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、

お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。

基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。

創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪

出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬

でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、

どうぞよろしくお願いします(^^♪



タイトル:届いてしまったマドンナ


高校卒業し、大学生になって、

専門学校も経て社会に出れば、

かつての級友たちは

みんな散り散りになり、

30歳40歳になると

みんなそれぞれの家庭を持って

会うこともなくなる。


いや人によっては

確かに同窓会とか時々連絡し合って

会うこともあるんだろうが、

俺の場合は無かった。

聞く話によると、

周りの友達の間でも

そんな事はなかったらしい。


(カクテルバー『Reunion』)


公人「ふう。みんな今頃ほんとにどうしてるのかなあ。できたら久しぶりに会ってみたいなぁ」


俺の名前は共連公人ともづれ きみと

毎日、こんな愚痴ばかり吐いてる

冴えないサラリーマンだ。


その日も昔を懐かしみながら、

ふと友達のことを思い出したり、

いろんなことも一緒に思い出していた。


その時…


千代「こんばんは。お1人ですか?もし良ければご一緒しませんか?」


と1人の女性が声をかけてきてくれた。

見ると結構な美人。


彼女の名前は仲田千代なかだ ちよさん。

都内で、専門のライフヒーラーや、

スピリチュアルコーチを生業としていたらしく、

どこかその職業柄、

不思議なオーラが漂っており、

なんだか不思議な人だった。


それと喋っていて気づいたのだが、

もう1つ彼女には不思議なところがあって、

恋愛感情が全く湧かされず、

それに彼女の言う事を聞いて居ると、

段々その気にさせられると言うこと。


俺はその夜、

心の有りっ丈の悩みと言うか、

寂しさのようなものを彼女にぶつけ、

何とか明日の活力をと、

彼女にその解決を図って貰おうとしていた。

なぜこんな気持ちになったのか、

今でも不思議。


千代「そうですか。かつては、あれだけ楽しい学生生活を送ってきて、それなりにメリハリもあり、自由気ままに奔放な生活をしていたのに、今となってはそれが全く無く…もう1度あの頃に帰ってみたいと?」


「え、ええ、まぁwハハwいい年した大人が今頃こんな所で何言ってんだってな感じですけどw」


千代「いいえ、そんな孤独に心を浸して悩まれている方は、今現代に、結構多いんですよ?決して恥ずかしがるようなことじゃありません」


千代「良いでしょう。私がその望み、叶えて差し上げましょうか?」


「え?」


そう言って彼女は

自分の携帯電話を取り出し、

その中に保存されたアプリケーションを、

俺の携帯に転送してくれた。


「『友の会〜Reunion』?なんですかこれ?」


千代「フフ♪まぁ早い話、このサイトは友達がいない方々や、今現在孤独にある方、どうしようもなく落ち込んでしまって、次の生活への活力を見出せない方々に提供された出会いの広場」


千代「いわゆる出会い系サイトではなく、真面目に友達を探している方々や、恋人を探している方々など、そういったユーザーが多く集まっているサイトです」


千代「アカウントを登録するときにも、結構厳しい審査があって、その分セキュリティも守られ、騙しのような手口は存在しません」


千代「いかがです?このサイトを1度お試しになられませんか?あなたが今悩まれている事は、人間つながりで、他の同級生の方々も同じく悩みの種として持っているかもしれませんよ?」


「い、いやでも、僕、こういうサイトは…」


千代「フフ、まぁ騙されたと思って、1度ご利用してごらんなさい。今のままではその生活が変わらず、孤独の淵にあなたの歩は進んでゆくばかりでしょうから」


千代「そのサイトは、今流行りの無料登録で、利用料金は永久一切かかりません。あなたが失うものは無いはずです。だったら1度ぐらい試す価値があるのでは?」


不思議に気づいたのはこの時。

彼女が言った事は、

俺の心の土台のようになってくれ、

俺は彼女の言う通りにしてしまう。


「あなたのお友達も、もしかすると、このサイトを利用しているかもしれませんよ?そこで再会が果たされるかも」

彼女の最後に言った、この言葉が効いた。


(数日後)


友達1「おお〜!お前、共連かぁ??」

友達2「いやぁ〜久しぶりだなぁ♪元気してたか!」


「ああ♪お前らも元気そうだよなぁ!またこうして会えて嬉しいよ!♪」


なんとあのサイト『友の会〜Reunion』を

かつての俺の同級生、

いつも一緒につるんでた友達も

やっぱり利用していたらしく、

俺たちはそこで再会を果たし、

見事にこうして又、

かつての親友・友達として

会うことができたんだ。


それから定期的に会うようになり、

俺たちは、この同窓会を

恒例行事のようにして、

毎日の活力にしていった。


(1年後)


でもやっぱり、

人の欲望は尽きないものか。

こうして会えるようになっただけでも

めちゃくちゃ嬉しいことだったのだが、

俺たちはそれ以上を望んでしまい、

「もっと楽しく」「もっとメリハリを」と

その同窓会にも、

段々マンネリが差し込んできた。


(1人で)


「ふぅ。ああしてみんなと会えるようになったのは確かに嬉しいことだけど、できたらもう少し何か、楽しみのようなものがあったらなぁ…」


こんなことを考え、

また飲みに行った時。


(カクテルバー「Reunion」)


千代「あら、公人さん?」

「あ、千代さん」


俺にあのサイトを

勧めてくれた彼女と再会。


そこで俺はまた

彼女に愚痴ってしまった。

まぁ愚痴と言っても大したもんじゃないけど、

今心にある悩みの様なものを吐き出したんだ。


千代「マンネリですか?」


「あ…ははwあなたにこんなこと言うのは嫌なんですけど…」


せっかく彼女に元気付けてもらえ、

生活を変えてもらったのにと

少し後ろめたさもあったが。

彼女はそんな俺にも

また助けの手を差し伸べた。


千代「まぁそんな時に盛り上げる1つの方法としては、クラスのマドンナをあなたたちの同窓会に呼んでみてはいかがでしょう?」


千代「今は男性の方々だけで集まってるんですよね?そこに女性が1人花を添える形で居れば、文字通りの紅一点となり、皆さんの心もおそらく明るくなるはず」


「マ、マドンナ…ですか?」


千代「ええ」


確かに高校の時、

俺たちのクラスには

マドンナ的存在の女子が1人いた。


窓野まどの 佳純かすみ

彼女は当時から清廉潔白で美しく、

男子みんなの憧れの的。


その印象を与えてくれていただけでも、

男子の間では青春が生まれ、

確かに彼女を真ん中にして

みんなそれぞれ生き生きとしていた。

そんな調子が思い出される。


でも…


「で、でも彼女が、俺たちみたいな冴えない野郎共の集まりに、来てくれるでしょうか」


「実は世間には恥ずかしい話、俺たちみんな独身だったんです。俺はもちろん、学生時代にモテていた柿崎の野郎も独身で、まぁそんな立場の同じ狢から、こんな絆も確かに生まれてるんですけど…」


「佳純ちゃんだったら…もうあんな美人だったんだから今頃とっくに結婚して、優しい旦那や子供でも持って、幸せに暮らしてるんじゃないでしょうか?」


「…もしそうなら、そんな彼女がこんな集まりに来るなんて、まるで自分の幸せを壊すような勢いになりませんかね?」


「多分俺たちの事なんてとっくに忘れて、彼女は彼女で幸せにやってると思うんです。そんな彼女が来るなんて…」


千代「フフ、初めから諦めていてどうするんです?それは今のあなたの空想で、本当のところはわからないでしょう?」


千代「さっき柿崎さんもモテてたけど、今は独身とおっしゃってましたよね?それって男性だけじゃなく、女性にも同じく言える事なんじゃないでしょうか?」


「え?…あ、まぁ…」


そこまで言って、

俺は驚くべき真実に出会う。


「ええっ??それ、本当なんですか?!」


千代「ええ、実はそうなんです」


微笑を浮かべて

彼女は応えてくれたが、心底驚いた。


なんと今目の前にいるこの人は、

俺たちのマドンナ的存在、

佳純ちゃんと知り合いだと言う。


千代「私が再会できるように、計らって差し上げましょう」


(数週間後)


佳純「あはは♪みんな変わってないわよねぇ♪こうやって又みんなと会えて、本当に嬉しいわ」


友達1「ああ♪俺たちも同じさぁ」


柿崎「まさか君が来てくれるなんて」


「本当に嬉しいよ♪今日はみんなで再会祝して、パーッとやろう♪(千代さんに感謝しなきゃ)」


千代さんの計らいで、彼女が来てくれた!


どうやって来る運びに

なったのか知らないけど、

でも今目の前にあるこの幸せ、

再会の喜びを俺たちは痛感し、

その経過はどうでも、

今の結果に注目。

とにかく本当に喜んだんだ。


(カクテルバー「Reunion」)


それからある日の会社帰り。

俺は1人でいつものバーに来ていた。


すると、千代さんも先にそこへ来ており、

俺はこれまでの感謝を全部彼女に伝えた。


それを聞くと

彼女も自分のことのように喜んでくれた。

でもこの時1つだけ、俺に忠告してきたんだ。


「え?どう言うことです?」


千代「今お話しした通りです。彼女と一緒に居ても、決して一線を超えることなく、彼女を暖かく見守るような眼差しで接してください」


「…は、はぁ?」


千代「つまり彼女を独り占めして、体の関係…いわゆる男女の関係を持たないと言う事。これだけは必ず守ってください」


千代「マドンナ的存在と言うのは、いわゆる異性にとってはアイドルのようなもの。誰かがそれを独り占めすると、必ず争いが起きます」


千代「そうなれば、せっかく再会を果たせた友達との間の絆も崩れ、あなたは前より不幸になるでしょうから。いいえ、あなただけじゃありません。他の友達の方々も」


「は、はぁ…」(なにげに頷く形で)


でも俺は、

この時の約束をつい破ってしまったんだ。


いいや、これは自然の成り行き。

男女が寄れば、必ずこうなる。

それに大きな理由もあった。


同窓会を組んだ俺たちの仲間うちで、

もう独身なのは俺だけになってしまった。


他の友達3人は、俺との再会を果たした後、

それぞれに彼女を見つけ、

今でも交際していると言う。


だったら、

俺だって彼女の1人ぐらい

居たって良いじゃないか!


この当然の気持ちと成り行きが

俺の肩を押し、その時ちょうど

俺に好意を寄せるようになってくれた

あの彼女・佳純と恋愛関係になってしまった。

いわゆる男女の関係を持ったんだ。


結果オーライ!

男なら誰でもこうする!

相思相愛なんだから、

誰に咎められることでもない。

当たり前のこと。


でも、これまで曲がりなりにも

俺の世話をしてくれたあの千代さんは、

そんな俺を見透かすようにこう言った。


(公園)


会社帰りに偶然会った公園で…


千代「あなた約束を破りましたね。あれほど言っといたのに」


「どうして…どうしてあなたにそんな事まで言われなきゃならないんですか…!?」


「確かにこれまでの事は感謝してます。でも私の人生ですよ?佳純がまだ独身で居てくれたこと、そしてかつての級友がみんなそれぞれ自分の恋愛に歩み始めたこと…」


「確かにスロースタートですが、これもみんな自然の成り行きで、その条件からして俺が咎められることなんてないでしょう!」


千代「いいえ、今私はあなたの為を思って言ってるんです。あなたのご友人たちは、確かに自然の成り行きで恋愛をモノにすることができました」


千代「ですが、あなたの場合は違うんです。良いですか?もしこのまま…」


「何が違うんです!もうイイですよ!ふざけたこと言わないでください!」


千代「あ…」


俺はそのまま千代さんを置き去って帰った。


(数日後)


俺たちはまた同窓会と称して

みんなで集まっていた。

もちろん佳純も一緒に。


佳純「そうだ♪今度みんなで一緒にレジャーにでも行かない?今ちょうど季節が旬だし、山の観光ツアーとか素敵だと思うんだけど」


友達1「ああ、いいなぁ♪」

友達2「そうだなぁ〜」


みんな一応その気になったが…


柿崎「…でもごめん、俺その日ちょっと用事があって」


佳純「用事?」


柿崎「あ、ああ♪実は彼女と一緒に映画見に行く約束してるんだ(汗)」


友達1「じ、実は俺もなんだ。ちょっとその日用事があってさ(汗)」


友達2「ごめん」


友達はみんな用事があるとか何とかで、

結局、ここに集う俺たちみんなで

レジャー観光へ行こうと言う約束は

果たされない。


佳純「そっかぁ、でもま、しょうがないわよね♪みんな今イイ人と付き合ってるんだもんね。その彼女たちのこと、大事にしてあげて」


でも俺は内心、嬉しかった。

余計な邪魔が入らず、佳純と2人だけで行ける!


もともと初めから

みんなで一緒に行くのは

反対だった俺だから、

この自然の成り行きは嬉しかった。


(みんな帰った後で)


「佳純、2人だけで行こうな。実を言うとさぁ、俺お前がいてくれたら、他に誰も要らないんだよ」


佳純「ホント…?うれしい…♪」


(数日後)


俺と佳純が乗ったバスは事故に遭った。

頂上付近の山道から崖下へまっしぐら。

助かった者は誰1人居なかった。


(消えてゆく事故の惨劇を眺めて)


千代「…結局、公人は彼女を追って行っちゃったか。私は公人の理想と欲望から生まれた生き霊。理想の方だけを叶えてあげようとしたけど、無理だったわね」


千代「理想が欲望に染まらず留まっていたなら、彼は同窓会も、彼女を失う事もなかったろう」


千代「あのマンネリが差し込んだ時、すでに公人の心の中にはみんなを出し抜いて、自分だけがもっと幸せになりたい!と言う欲望が生まれていた。その欲望の延長が、あの彼らのマドンナ的存在・佳純を独り占めしたいと言う気持ちに繋がった」


千代「だから私があのとき発破を掛けてあげたのに。彼はその自分の欲望と、その欲望から成る幸せの破壊に気づけなかった。公人の心にその欲望が生まれさえしなければ、他の友達もずっと独身のまま、公人のそばに居てくれたのよ」


千代「紅一点、1つの花は、時に友人との絆を破壊するもの。公人。佳純はね、ずっと前に交通事故で亡くなっていたの。その彼女を追って、あなたはこの世を去ってしまった」


千代「マドンナ的存在とは、いわゆるアイドルのようなもの。みんなの手の届かない所にあるから良いものなのよ。手が届けば、得てしてこう言う事になることも…あなたは身をもって実感したわね」


俺が体験したその事故の惨劇は

見事に消え去った。

その事故は今のものじゃない過去のもの。

新聞のどこにも

その事故のことや、俺のことは書かれなかった。



動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=SzGXltVcICQ

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


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