『濡れても、前を向いて』〜生まれる絆〜　大学生編

高校生の頃から夜尿症を抱える女子・真希は、人に打ち明けられない悩みを胸に抱きながらも、懸命に学生生活を送っていた。誰にも言えない不安、羞恥心、そして将来への不透明な思いに揺れる日々。

大学入学後、真希は先輩の弥生と出会う。弥生もまた同じ悩みを持っていた。互いに打ち明け合い、励まし合う中で、2人は孤独から少しずつ解放されていく。入院治療、失敗の繰り返し、そして社会の中で生きるプレッシャー――すれ違いと支え合いのなか、2人は確かに前へ進んでいた。

そんなある日、真希はサークルの後輩・佳奈の悩みに気づく。年下の佳奈もまた、厳しい家庭の中で自らの夜尿症に苦しんでいた。かつての自分の姿を重ねながら、真希は佳奈をそっと支える存在へと変わっていく。

やがて、それぞれが自らの夢や進路に向かって歩み始める。
弥生は社会人として多忙な日々を送る中で再び壁にぶつかり、真希に支えられる。
佳奈は厳しさと愛情の間で揺れながら、自分の足で立とうと奮闘する。

「自分の弱さを認め、誰かとつながることで強くなれる」
彼女たちの物語は、そんな静かで力強いメッセージを伝えていく。