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第70話 四面楚歌

 それにしても、


「思わぬ収穫だな。コイツらから情報を引き出せば調査は一気に進むぞ」

「――そうはさせません」


 二階建ての建物の上に、見知った白い髪の男が立っていた。


「ウル……!」

「お久しぶりですね。葉村志吹さん」


 ウルの隣には、蛇のタトゥーを彫った女性が居る。


「へぇ、アンタがウルの言っていた『ジョーカー』とはね」

「蛇屋さん……」

「一色冴と一緒にいたから只者じゃないとは思ってたけど、想像以上みたいだね。魔装兵(まそうへい)がこうも簡単にやられるとは」


 蛇屋さんの実力は測れない部分があるし、ウルは強敵だ。この2人を同時に相手取るのは難しい。それに奴らの後ろには人工オーパーツ使いが多数控えている。しかも俺達がいま倒したような雑魚じゃない。全員共通の防具を着ていて、統率された動きをしている。まるで軍人のようだ。


 救援を見込めない地下。さすがに勝ち目無いな。


「……夜猫、如月、ここは退くぞ」

「冗談でしょ。アンタと私ならやれるって」

「言っとくが、あの白髪はA級上位並みの強さだぞ」

「マジで?」

「お前のお姉ちゃんと同レベルと考えろ。多分、蛇屋さんも同程度に強い。勝てるか?」

「無理ね。退くわ」


 俺、如月、夜猫。3人共オーパーツを持っているから身体能力は高いし、多彩な魔法を全員が使えるから逃げ切れるだろう。

 ただ()()()だけは少しばかり俺が抑えないとダメだな。


「行くぞ!」


 俺たちは同時にウル・蛇屋さんから距離を取る。


「逃がしませんよ」


 ウルのオーパーツ、スキップハンドはグローブの形をしており、グローブの手のひらで触れた物質を弾き飛ばす能力を持つ。

 ウルはその能力を使い、自分を弾き飛ばして瞬間移動する。


「だろうな」


 俺はウルの瞬間移動を見切り、義手を振るう。ウルは俺の拳を頭を振って躱す。

 ウルとの格闘戦が始まる。お互いに右手に気を付けての乱打戦だ。


「鬱陶しいですね。相変わらず」

「お前に言われたくはねぇよ」


 ウルをある程度引き留めたら俺も逃げる。今はとにかく如月と夜猫を奴らの射程から逃がす。


「また逃げるんだ?」


 蛇屋さんが声を張って言う。すると、夜猫が足を止めた。


「夜猫!?」

「なんですって……?」


 あの馬鹿……!


「めそめそ泣いて、また逃げるんだって言ったんだよ。前の時みたいにね」


 蛇屋さんの挑発。

 俺からしたら安い挑発だが、夜猫にとってはクリーンヒットだったようだ。


「姉妹揃ってべそかいて。なっさけない姿だったねぇ」

「朝比奈姉妹を……舐めるなぁ!!」


 夜猫が地面を踏み砕き、跳躍する。真っすぐ蛇屋さんに向かって飛んでいく。


「馬鹿!!」

「これは好機」


 ウルは自身の体をタップし、夜猫の背後へ瞬間移動する。


「後ろだっ!!」


 夜猫の目線は蛇屋さんに向いていて、後ろに迫るウルに気づいていない。俺の声が届いた時にはもう手遅れだった。

 ウルは夜猫の背中を右手でタップする。


「え?」

「あなた、弱いですねぇ~」


 夜猫は弾かれ、廃ビルの二階に窓から突っ込む。


「夜猫!!」


 俺はウルに飛び掛かろうとするが、足に力を入れた瞬間にヨーヨーが迫ってきた。仕方なく、俺はヨーヨーを義手で受け止める。ヨーヨーは光の回転刃で義手を削りにかかる。


 ギギギギ! と黒板を爪で引っ掻いたような音が響く。蛇屋は義手を切断できないと見るや、ヨーヨーを引っ込めった。


 あの光るヨーヨーの紐、魔力で構築されている。恐らく魔力がある限りいくらでも伸ばせる仕様だ。


 退けば夜猫がどうなるかわからない。

 夜猫を助けに行くにはあの建物の2階に行かなくてはならない。だが、あそこに入るのは危険すぎる。逃げ場がない。


「葉村さん!」

「如月!」


 如月が戻ってくる。


「……すみません。現状を見るに葉村さんから離れる方が危険だと判断しました」

「ああ。正しい判断だ」


 如月と夜猫の2人なら、ウル以外の連中からは逃げ切れたはず。だが如月単独だと難しい。

 ならばいっそ、2人で固まって連携した方が逃走確率は上がる。


「囲め」


 オーパーツ集団が囲んでくる。


――片っ端から処理していくしかないか。


「……出し惜しみしている場合じゃないな」


 下手したらこっちの人工オーパーツの情報が割れるが、仕方ない。

 義手を左手で掴む。


「来い――クロガネ!!」

【読者の皆様へ】

融合後の魔法は通常魔法と同様に文字数=強さにすることにしました。

ちなみに融合後の魔法の文字数の法則ですが、以下の2パターンになります。

・異なる文字数の魔法同士を組み合わせた場合→文字数の多い方の魔法の文字数と同じ文字数

・同じ文字数の魔法を組み合わせた場合→ワンランクアップ。

めちゃくちゃわかりづらいですね笑 以下に例を載せます。


二文字魔法+三文字魔法=三文字魔法

三文字魔法+三文字魔法=四文字魔法

二文字魔法+四文字魔法=四文字魔法

四文字魔法+四文字魔法=五文字魔法

五文字魔法+二文字魔法=五文字魔法


こんな感じです! 伝わったか不安ですが!笑

この小説を読んで、わずかでも

「面白い!」

「続きが気になる!」

「もっと頑張ってほしい!」

と思われましたらブックマークとページ下部の【★★★★★】を押して応援してくださるとうれしいです! ポイント一つ一つが執筆モチベーションに繋がります! 

よろしくお願いしますっ!!

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