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第69話 無双

「ク、ソ……!」


 段々と追い詰められる夜猫。

 夜猫は剣使いに囲まれる。


「ははは! お姉ちゃんに比べたら全然下手くそだな!」

「つーか朝比奈姉はどうしたんだよ? 俺はあっちのが好みなんだ。あっちを連れて来いよなぁ!」


「お前らぁ!!」


 俺は剣使いの1人の首筋を義手で叩き、気絶させる。


「がっ!?」

「品が無さ過ぎるな。お前ら」


 オーパーツ使いの視線が俺に集中する。


「誰だテメェ? ブラックリストには載ってねぇな」

「ってことは、大したことねェってことだろ!」


 左右から剣使いと槍使いが迫る。

 槍使いは槍を伸ばすが、俺は屈んで躱して槍を掴み、引き寄せる。


「うおっ!!」


 引き寄せた槍使いの顔面に義手によるラリアットをくらわせる。


「がっ!?」


 槍使いは白目を剥いて倒れる。


「2人目」

「てめっ……!」


 迫りくる剣使いの縦斬撃は横に移動して回避。そのまま左手で剣使いの頭を掴み、


「【月華雷】」


 左手から雷を出し、電気ショックで全身を痺れさせ気絶させる。


「3つ」

「撃て! 撃てェ!!」


 次に銃使いが一斉射撃をしてくる。俺は躱そうとするが、レーザー弾は全て夜猫がマントを広げ防御した。


「ナイスサポート」

「うっさい! 集中しろ!!」

「オッケー。じゃあ集中するか!」

「ちょっ!!?」


 俺は夜猫のマントの影から飛び出す。


「はっはぁ! 飛んで火にいる夏の――」


 放たれる8発のレーザー弾、それを俺は全て義手で弾く。


「むしぃ!?」


 弾を撃ち尽くし、リロードに入る銃使い3人。その隙を如月は逃さず、凍結弾で3人の足を狙撃し、奴らの足もとを氷漬けにする。


「【突竜鎖】(プラス)【月華雷】!!」


 右手から出した鎖に、雷を纏う。


「ひぃ!?」

「最近完成した新技だ。――『突竜雷華(スタン・チェーン)』!!」


 電流を走らせた鎖を鞭のように扱い、銃使い3人に連打を浴びせる。

 鎖の打撃ダメージと電流のダメージで3人はあっさりと気絶する。


「ん。暴徒鎮圧には便利だな。魔物には使えないけど」


 後9人。

 銃使いを潰した時点ですでに勝敗は決した。奴らを辛うじてチームとして機能させていたのは今の銃使いの連中。近接組はロクに連携が取れていない。もう終わりだ。


 俺は右手を前に出し、盾使いに突進する。盾使いは俺に対抗しようとブースターで加速し突進してくる。激突する俺の義手と敵の巨大化した盾。


「舐めるなよ!!」

「それはこっちのセリフだ」


 俺は盾を押し込み、そのまま盾をその使い手に叩きつける。


「ぶはっ!!」


 相手が怯んだ隙に、俺は腰を落として右拳を引く。


「せーのっ!!」

「――ぶぎゃっ!?」


 思い切り盾を殴り飛ばす。

 盾は盾使いごと20メートルほどぶっ飛んだ。盾使いは盾の下敷きになり戦闘不能。


(後ろか)


 背後に気配が2つ。どちらも剣使い。【探機】を上空に設置しているため、俺は俯瞰で戦場を見れている。だから不意打ちは無意味。如月が射撃体勢に入っていたので、俺は後ろに気づかないフリをする。


――ガン!  ガン!!


 如月がルーンバレットを発砲する。


「がっ!?」「なん、だ!?」


 俺の背後を狙った剣使い2人は雷撃弾を背中から受け、全身を痺れさせながら地面に落下した。

 俺は地面に座り込んだ2人の頭を左右の手で掴み、2人の頭をぶつけ合わせる。


「いっ!?」「かっ……!?」


 2人気絶。

 後6人。剣使い2、槍使い1、盾使い3。


「オラァ!!」


 剣使いの1人は夜猫が倒した。ま、1対1なら夜猫はこいつらには負けない。


「いくぞ! 列を組め!!」


 盾使い3人は横並びになり、盾を巨大化させ、20メートル先から突進してきた。

 射程5メートルに入ったらブースターを起動させ、俺を3人で轢き飛ばす気だな。たとえ1人が俺に押されても、残った2人がカバーする形か。


「そうそう。それだそれ。ようやくまともに連携したな。だが、もう遅いぜ」


 俺は左手を地面につける。


「【印爆雷】+【飛燕爆葬】」


 【印爆雷】は指で示した場所に地雷魔法陣を仕込む魔法。【飛燕爆葬】は炎の鳥を飛ばす魔法。これらの魔法を混ぜると面白い反応が起きる。


「『印燕爆雷(ムーヴ・マイン)』」


 通常の【印爆雷】の倍の大きさの魔法陣が手から地面に発生(半径50センチ、俺が踏んでも爆発はしない)。魔法陣は地面の上を滑走し、盾使いの足もとに移動した。


「ボン!!」


 爆発が巻き起こり、盾使い達をぶっ飛ばす。

 中々の爆風だが、まぁ仮にもオーパーツ使いならこれで重傷を負うことは無い。加減もしたし。


「魔法の融合……昔から練習していたが、ようやく形になったな」


 シアンの魔法を間近で見たのが大きい。

 アイツの魔法には俺の知らない技術が多く使われていた。それらの技術を噛み砕き、俺なりにアレンジし、魔法の融合に利用させてもらった。これまで魔法融合の成功率は10%ほどで、とても実用レベルじゃなかったが……今なら100%で成功させられる。

 ただ通常の魔法よりタメが必要なので、タイミングは選ばないとな。


「なんだ……なんなんだよお前……!」

「ふっざけんな。知らねぇぞお前なんか……!!」


 残った剣使いと槍使いは足を震わせる。


「お前らは無名の奴にやられるレベルってことだ。理解したならもうはしゃぐのはやめるんだな」

「偉そうに……!」「してんじゃねぇぞ!! ガキィ!!!」


 小細工はいらない。

 真正面から格闘でねじ伏せる。


「鎮圧完了」


 俺の背中に夜猫が寄ってくる。

 その足取りは重く、表情は険しい。


「魔法の融合……? それになにその馬鹿みたいな身体能力」

 

 夜猫はサポーター。ゆえに魔法の融合に驚いたようだ。

 そりゃそうだろう。魔法の融合は俺の完全なオリジナルだからな。


「つーか、はぁ? アンタ、サポーターじゃないの……?」

「サポーターだよ。だから魔法ばっか使ってたろ?」


 肩を竦めて言う。

 夜猫は未だ信じられないって顔だ。


「あ、アンタら……本当にC級?」

「C級だよ。()()、な」

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