表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/22

02



 大災禍に見舞われたカラブリアは悲惨の一言に尽きた。

 モンスターの瘴気で腐った大地。がれきと化した街。

 泣き崩れる女性、呆然と立ち尽くす男性。親を探す子供、子供を失い半狂乱の親。道路に並べられた遺体。これが被災地の現実だ。

 その日も変わらず、俺は手押し車に不潔な汚泥を積んで、町はずれの大穴に捨てていた。


「私も、あなた方のお手伝いをさせていただけませんか?」


 背中に声がかけられたので振り返る。そこに立っていた女性の姿を見て、俺は目を疑った。

 珍しい女性騎士だった。長い金髪をなびかせ、気高そうで清楚で正義感にあふれていて――まあ騎士の鑑で、お姫様が騎士に扮装しているかのような姿だった。剣も鎧も高価そうだ。


「やめておけ。汚いし臭いし瘴気で肺を病むぞ。あんたみたいなお嬢さんは――」

「私たちは、カラブリアの民を助けに来ました。何もしないで帰ることは、教皇猊下と主に対する不忠です。どうか、お手伝いをさせてください」


 この女性騎士は、本気でカラブリアを救おうとして来たのだろう。彼女は使命感にあふれていた。だが、それに俺は嫉妬した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ