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それから俺たち災害派遣協会のフィクサーとフランキスクス隊は、共同してカラブリアの復興に勤めた。
当然、汚物にまみれて働くイヴェットを教会騎士たちは止めようとした。そばで働く俺を怪しむ奴もいた。「もしやこの男に脅されて……」と言わんばかりだ。しかしイヴェットは俺の潔白を証明してこう言った。
「私たちは人々の苦しみを共に味わい、その中でも高潔に歩むという模範を示すために来ました。フィクサーの方々に従いましょう」
その言葉で、騎士たちも納得したらしい。彼らも共にシャベルを握って汚物を片付けた。
心を閉じていたカラブリアの人々も、自発的に前に進もうとするのを俺は見た。
今まで俺が訪れた被災地では、ほとんど見られなかった光景だ。物資を奪い合い、被害の少ない者を羨み、フィクサーたちに文句を言う。それが当たり前だったのに。
カラブリアも最初はそうだった。しかし、被災者の苦痛を受け入れ、毅然として一番弱い者に寄り添うイヴェットに、皆が次第に感化されていったのだ。
小悪党たちは隠していた食料を差し出し、親を失った子供たちは老人を助けた。子を失った親は互いに励まし合い、町の有力者たちは馬から降りて手押し車を押した。
不思議な光景だった。これほど美しい光景があるとは思いもしなかった。イヴェットという一人の女性騎士が、皆を変えていく。敬虔さというものを、久しぶりに俺は目にした気がした。
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