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陰キャラな僕と陽キャラの彼女  作者: 赤白 青
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赤いメガネの女の子


時計で時刻を確認し、いつもと同じ時刻に到着した電車にいつものように乗車する。

部活はやってないし、寄り道するわけでもないので、下校の時はいつもこの時間の電車だ。

電車の中は8人掛けの席が既に3席埋まっており、僕が座るとちょうど一つ飛ばしで座席が埋まる。

電車が発車してから次の駅に着くまで僕は窓越しに写るビルやマンションを眺めながら、隣の席にどんな人が座ってくるのかを考えていた。

スーツ姿のおじさん、ラフな格好をしたおばさん、美脚を見せびらかすようにミニスカのお姉さん、ゴリマッチョなお兄さん、それともランドセルを背負った小学生?

この時間帯は色んな人が乗ってくるから誰が乗ってくるのかを予想するのが、最近の僕の密かなブームだ。

今日の予想は・・おばさんかな

僕が予想し終えると次の駅に着くまでの間、スマホを開いてゲームをしながら時間を潰す。電車は徐々にスピードを落としていく。そろそろ次の駅に到着する。

扉が開くと降りる人が居なかった為、すぐにに人が乗ってくる。乗ってくる人にはスーツのおじさんや中学生や金髪ミニスカのお姉さん誰が横に座るのかををドキドキと待つ。


「芹奈、こっち空いてるよ。」


「ホントだ。」


隣に座って来たのは、制服からして同じ高校の女子高生。つまりはJK。

僕の予想は外れてしまった。そんな僕の心境とは関係なしに彼女たちは、一つ飛ばしで空いている席を前に、どっちが座るかを話している。

チラッと横を見ると反対側の人は動きそうにない。なので、僕は何も言わずに隣の席へと移動した。

隣が空いてるのに、片方が座って片方が立っている状態で会話をされても居心地が悪い。


「ありがとうございます。」


僕が移動した後の席に座った女子高生は僕を見ながら笑顔で会釈をしてくれる。

座った時に彼女の優しくて少し甘い匂いにがして、女性とあまり関わったことのない僕はこれだけで、少し恥ずかしくなる。

ここでなにか気の利いた言葉でも返せば、友達となり、あわよくばお付き合いまでいく機会が生まれるかもしれないが、そんな技量も勇気も僕には持ち合わせていない。

僕は軽く会釈を返して、恥ずかしさを忘れるために再びスマホのゲームを再開する。


「あの〜」


少しして隣の芹奈と呼ばれていた女性が僕に話しかけてきた。僕はスマホを見るのをやめて、顔をあげると彼女をみる。


「アタシの彼氏になってくれませんか?」


僕の身体中に雷が落ちたような衝撃が走る。

さらに彼女はこの言葉をなんの躊躇いもなく、まるで今日の天気を友だちに尋ねるかのように緊張感もなく言った。

これは告白なのかと言われればそうなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。

少なくとも恋愛経験の乏しい僕からすれば、告白というのは、こんなタイミングでするものなのかと疑問に思ってしまう。

しかし、告白なんて生まれて今まで1度もした事もされたことのない僕は、当然何を言われたのかピンと来ず、驚きで言葉が出なかった。


「ちょっといきなりなに言ってるの?」


隣の友だちも一体何を言い出したのかと僕と同じくらい驚いている。


「えぇ〜だって芽依が彼氏作れって言ったんじゃん。だから今日からこの人が彼氏です。」


本当に彼氏を紹介するように芽依と呼ぶ隣の友だちに話す。

この子本気で言ってるのか?そんなわけないよね。こんなかわいい子が俺に告白なんてありえないでしょ。しかも初対面出し。これは詐欺とかか?


「芹奈、本気で言ってるの?」


俺が聞きたいことをピンポイントで聞いてくれる芽依さんありがとう。


「こんなこと冗談で言わないよ。ねぇ彼氏になってくれない?」


そう言った芹奈は上目遣いで僕を見てくる。

どう対応していいのか答えが見つからない。既に脳内がパニックである。

この子本当に言ってるのか?それとも友だちと一緒になって俺で遊んでいるのか?それともなんかの勧誘か?

考えたところで答えは出ない。

赤いフレームに小さな羽の模様が描かれたメガネ越しに見える綺麗な瞳。彼女に俺はどう写っているのだろうか。


「はい。」


結局僕は、彼女に言われるままNOとは言えず、頷いてしまった。この後詐欺や貢がせられたらどうしよう。


「ありがとう、彼氏。」


彼女の純粋な笑顔に胸がキュンとしてしまう。

しかし、気がつけば僕の降車駅についてしまっていた。なのでそれ以上話す時間もそもそも頭はパニックで精神的に余裕はなく、少しだけ逃げ出すように足早に降りてしまった。

ホームに降りた後、彼女の声が聞こえて振り返ったが既にドアは閉まってしまったので、何を伝えたかったのか聞きそびれてしまった。

お金の請求とかじゃなければいいな。

アタシに告白されたんだからお金ちょーだいとか言われたらこの先闇しかない。

まあけどもう会うことはないだろう。不思議な子で驚いたけど、可愛かったな。

僕は発車した電車を見送りながら、そんなことを思っていた。







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