騎士の情念
「ネフタールか」
ヤネック王が眉を顰めて問うた。
「連絡を受けた魔術師によると、どうも違うようです。怪物……邪神の配下かと思われます」
「どれほどの規模か」
「およそ四千。対するロルドール防衛隊は二千ほどです」
「王都に兵を集めたのが裏目に出たか」
ヤネック王が忌々しげに呻く。だからといって悔いたりはしない。素早い決断が国を生かしてきたと彼は知っているからだ。
「ただちに転移魔法で援軍を送る。数は一万だ」
「お待ちください、陛下。それだけの兵を送るには相応の準備が必要です」
「だからと言って今動かねば民が見殺しになる」
「はい、ですから、すぐ動ける者だけで救援に行こうかと思います」
「なに」
アクトは長大な食卓に座る面々を示した。
「たかが四千程度の怪物、我々だけで十分かと」
我々、ということはアクト本人も行くつもりらしい。
「皆さんもネフタールが来るまで退屈でしょう」
四人の精鋭がそれぞれの顔を見合わせて薄く笑った。いや、仮面のオルソンの表情だけは見えないが、確かに笑ったような気配を感じさせていた。
「決まりですね。では魔術師を呼びますので……失礼、すでに腕利きがおられましたね」
「ロルドールはどのあたりか」
サルカルが聞いた。
「ここから北東に六十キロほどの小都市だ。地図を」
武官が地図を持ってきた。給仕が片付けたテーブルに広げてロルドールの位置を示す。覗き込んだサルカルが頷いた。
「ふむ、わかった。皆の準備さえよければすぐにでも向かうが」
「サルカル殿、俺はいつでも行けます」
愛用の大剣を手にしたカーンが言った。席を立ったシャーリエルも弓を背負っている。オルソンはただ黙って幽鬼のように佇んでいるだけだ。
「流石ですね」
感心したようにアクトが言った。彼も腰の左右に下げた剣を確認していた。
「では行くか」
何でもないことのようにサルカルが言った。杖を振るとアクトを含めた五人が光に包まれて消えた。
一瞬のうちに五人はロルドールを望む街道のそばに転移していた。壁に囲まれた都市が見える。様々な怪物たちが攻撃を仕掛けていた。幸いなことに門はまだ破られてはいない。それも時間の問題だろう。絶望的な戦いを演じている守備兵の悲鳴が聞こえてきそうだ。
四本足の扁平な身体に長く伸びた口を持った生き物が城壁をよじ登っている。槍で突き落とそうとした兵士が柄ごと腕を齧られて城壁から引き摺り下ろされた。地面に落ちて潰れた死体に怪物たちが群がって貪り食らう。蝙蝠のような翼を生やした怪物が空を飛び兵を焼き殺している。人間の形をしているが首がない怪物が門扉に体当たりしていた。いやよく見ると裸の背中に薄気味悪い笑みを貼りつかせた幼児の顔があった。門の裏では魔術師が破られぬよう魔法で抑えているのだろう。
「街を守ることを最優先にしましょう」
右手に剣を抜き、アクトは街を示した。
「幸い、まだこちらに気づいてはいませんね。城壁を攻める敵から始末していきます……いえ失礼しました。いちいちこんなこと言う必要もありませんでしたね」
アクトが苦笑した次の瞬間、轟音と共に地面が抉れた。攻撃ではない、カーンが敵に向けて駆け出したのだ。オルソンの姿が地面に沈んでいく。頭まで地面に消えて完全にいなくなった。
「では、参ります。援護のほどよろしくお願いします」
サルカルとシャーリエルに頭を下げ、アクトは滑るように走り出した。
城門を破らんと殺到している怪物の群れにカーンが突撃を仕掛けた。十キロを超える大剣を軽々と振り回して触れた怪物どもを切り刻んでいく。毒々しい色をした巨大な蛙が頭から縦一文字に叩き切られて内臓をまき散らした。犬の頭を持った馬の胴が輪切りにされる。二本足で立った爬虫類の首が飛ぶ。
瞬く間に肉塊の山が出来上がった。城門の上で戦っていた兵たちも状況がうまく呑み込めていない。彼らからすれば怪物の同士討ちに見えただろう。
「あれは、まさか、カーンか。"剛腕"のカーンなのか」
かろうじて彼の姿を見ることができたのか、一人の兵士が叫んだ。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ」
カーンの叫び声が大地を震わせる。怪物が死ぬ、死ぬ、死んでいく。兵士たちが苦戦していたのに、あっという間にばらばらに解体されていく。ルイカルネ級の肩書は伊達ではなかった。
体長五メートルほどもある緑色の肌の巨人が振り返った。カーンに向けて丸太のような腕を振る。その腕が飛んだ。肘の上で斬り飛ばされた自分の腕を不思議そうに見ていた。一瞬後にはその頭が割れた。跳躍したカーンの大剣が額にめり込み、頭蓋骨を叩き割って喉へ進み胸骨を割いて股間までぶった切っていた。左右に割れた身体が崩れ落ちていく。脳と腸と内臓がどす黒い血液と一緒に地面にぶちまけられた。
城門前の敵をあらかた一掃したとき、カーンの身体は返り血に濡れていた。一度軽く振って大剣に絡んだ血と肉片と脳髄液とそのほか諸々のわけのわからないものを吹き飛ばす。
しかしまだ敵は残っている。空を飛ぶ巨大な鳥が息を大きく吸い込んだ。と、その腹から短剣の切っ先が生えた。甲高い鳥の悲鳴。短剣が腹から上に滑って喉を割いた。巨鳥が羽毛を散らして落ちていき地面に激突した。首が折れ曲がって骨が露出して眼球が飛び出して潰れた。
今度は無理やり繋ぎ合わせたように左右で皮膚の色が違う人型生物の目玉から短剣が生えた。
「お、お」
その切っ先を見ようとして目玉がぐるぐる動く。刃も一緒に動いたかと思うと急に上へと滑った。怪物の目が裏返った。内側から脳を破壊されたらしい。全身が剛毛で覆われた男の足元の影から短剣を握った手が生えた。黒衣の袖に包まれたそれはオルソンの腕だった。短剣が毛皮を貫いて足の腱を切る。膝をついた怪物の喉が裂けた。同じように、影や体内から繰り出される最小限の攻撃で怪物たちが崩れ落ちていく。
影から伸びた腕めがけて黒い雷光が飛んだ。いや、淡い光がオルソンの腕を包んで水滴みたいに弾かれた。カーンの身体も淡い光が覆っている。サルカルの防御魔法だった。
カーンたちを取り囲んだ怪物たちが息を吸い込み手を翳しそれぞれの攻撃を準備していた。総攻撃に防御魔法は耐えきれるのか。
空から降ってきた無数の矢が怪物たちを貫いて針鼠に変えた。生き残ったわずかな怪物たちも空から見えない杭が降ってきたみたいに潰された。厚みが一センチ以下になってしまえばさすがに生きてはいられない。
"天弓"シャーリエルは怪物に向かって手当たり次第に矢を放っていた。矢をつがえてきりきり鳴ったかと思うと遥か遠くの腕が翼になった怪物の頭が貫かれていた。墜落する前に新たな矢をつがえ、また放つ。不思議なことにいくら射ても矢筒から矢が減らない。そういう魔法の道具らしい。急所を正確に射抜いて死体を量産していく。
その横でサルカルが杖を振った。馬車ほどの大きさの火球が何十個も現れて飛んでいく。灼熱の業火があっという間に怪物たちを焼き尽くす。反撃が飛んでくるが防御魔法を貫けずに終わる。サルカルは攻撃と防御を同時にこなしていた。正確に怪物たちを焼くため探知魔法も展開していた。仲間たちに情報を伝えるため伝達魔法も併用していた。系統の異なる複数の魔法を同時に展開するのは並みの魔術師には不可能だ。
城壁を撫でる一陣の風があった。よじ登る怪物たちが風に触れると腕や首が転がり落ちていく。風の正体はアフトーサ王国が誇る若き騎士団長、アクトルン・オーリィン・トールランスであった。戦勝神の名を頂く彼は、切り立った城壁を地面に平行になって駆けていた。両手に一振りずつの細身の長剣がすれ違いざまに怪物たちの身体をスライスしていく。筋肉も骨も、一緒くたに斬られている。それをなすのは修業の果てに身に着けた剣技と彼の才覚であった。
たった五人の働きが、圧倒的不利な戦況をひっくり返していた。守備兵たちから歓喜の声が沸き上がる。
「カーンだ、あの"剛腕"が来てくれた」
「一瞬だけ影から腕が見えたぞ、なんだあれは」
「頭の中に声がする……弓を射ているのは"天弓"シャーリエルだっ」
「壁を駆けているのは騎士団長のアクト様だっ。王国万歳っ、騎士団万歳っ」
風のように駆けるアクトに向かって、指先ほどの大きさの鉄球が飛んだ。複数。壁から飛び上がって避けるがしつこくついてくる。鉄球は銀の煌めきを曳いていた。おそらくは鋼線だろう。巻き付くように動く糸を切り落とす。
壁の上にいた兵士に細い線が巻き付き、甲冑ごと輪切りになった。何が起こったのかすらわかっていなかっただろう、城壁に当たって落ちていく兵の顔には軽い驚きの表情が張り付いていた。風鳴りの音とともに鋼球が引き戻されていく。
「あっはっはっ、人間ごときがなかなかどうして、やるものですね」
胸壁の上に着地したアクトが声の主を見上げた。
空中に、道化師みたいに顔面を派手な色で滅茶苦茶に塗りたくったかのような人型の生き物が立っていた。装飾ではなくそういう肌なのかもしれない。顔も、赤と黄色の衣服で覆った身体つきも、性別の判断材料を提供しない。ただ一つ、明らかに人間と異なるのは額にある三本のねじくれた角だった。皮膚を突き破るように生えたそれは頭蓋骨の一部であろうか。手の中で鈍く光る球体を弄んでいる。
「あなたがこの軍勢の首魁ですか」
相手が人間でなくてもアクトは丁寧な口調で聞いた。ただし声音は冷酷さを含んでいる。
「如何にも。ネビュネイン様の忠実なる僕、バガンと申します」
耳元まで裂けた口を動かして答えながら、道化師は手を胸に当てて慇懃な礼をした。
「一つ伺いたいのですが、あなたはネフタールとは関係ないのですか」
耳に手を当ててわざとらしく聞くふりをしてから、バガンはすぐに薄っぺらい作り笑いを浮かべた。
「知りませんねえ。私が仕えるのはただ一人、支配を司る神、ネビュネイン様のみ。あなたの名前も私には聞く価値もありません。どうせすぐに死ぬのですから」
「ふむ、一理ありますね」
アクトは怜悧な美貌を崩さずに言った。
「私としても、すぐに死ぬゴミの名前を聞いても何ら得るものはありませんからね」
二人の間の空気が凍り付いた。血走った目が騎士を睨む。
「死になさい」
振られた両手から銀色の糸を曳いた鉄球が放たれた。同時に十個。線はそれぞれの指先に繋がっていた。それはバガンの身体の一部なのかもしれない。アクトめがけて一直線に進むものもあれば緩く弧を描くものもある。糸が絡み合わぬよう計算された軌道。
アクトが跳んだ。剣が閃いて高速で飛来する鉄球を打ち落とし糸を切る。二十メートル近い距離が一瞬で詰まる。刃の間合い。振りかぶった瞬間にバガンが口をすぼめて息を吹いた。青い風が流れる。恐ろしい速度で振られた細身の剣がそれをかき消した。
目を見開いたバガンの身体を二本の剣が何度も往復した。両腕が切り落とされ胴が輪切りになる。腹が横に避けた。しかし腸も内蔵も出てこない。腰から下が離れた。膝の上あたりが斜めに切断された。断面からどす黒い液体を溢れさせながら、ぶつ切りになった道化師が落ちていく。
地面に落ちた手足の断面は、空洞だった。筋肉や骨格の代わりに詰まっていたのは液体だけだ。闇色の粘質なそれが大地に流れて潦になる。やがて空っぽの殻も色あせていき崩れて灰になった。
「ねえ、言った通りでしょう」
軽やかに着地したアクトが姿勢を整えた。首魁を潰されたことがわかっているのか、生き残っていた怪物たちが逃げようとしている。それをカーンが肉塊に変え、オルソンが手足や喉を切り裂き、シャーリエルの矢が貫いて駄目押しにサルカルの魔術が焼き尽くす。大勢はすでに決していた。
やはり、強い。戦士を選んだこの目に狂いはなかったわけだ。おそらく集められる最高のメンバーに違いないだろう。邪神の軍勢といえど苦も無く粉砕できるのだから。
綺麗に整えられた総髪が緩い風に流れる。こちらに向かってくる怪物に切りかかりながら、美貌の騎士は守るべき姫の顔を思い浮かべていた。
トールランス家は代々続く騎士の家系だった。ただし、由緒正しいというほどでもなく、王家に仕え続けているとはいえその身分は末席に甘んじていた。
アクトが十六歳、エリサ姫が十一歳の時に、彼は行動を起こした。
その日は新年を祝う宴会が盛大に開かれていた。ヤネック王は娘のエリサ姫と共に宮殿の大広間で来客たちの相手をしていた。
甲冑を身に着けて宮殿内を見回る。時折すれ違う高位の貴族などには深々と頭を下げねばならなかったが、それもいまだけのこと。軍功を積み、地位も上がればこんな思いはしなくて済む。
当時のアクトはすでに怪物退治や山賊討伐で目覚ましい活躍を遂げていたが、立場上は下級の騎士に過ぎなかった。宴に参加することこそ叶わなかったが、警備を任されたのはその腕を買われてのことでもある。
宮殿には家臣一同はもちろんのこと、異国の王侯貴族までもが集まり賑わっていた。街でも旅芸人が技を見せ、夜になっても松明や魔法の明かりの下で人々は年明けを祝うのだ。
彼らの目当てはエリサ姫だとアクトにはわかっていた。彼女が人々に姿を見せるのは年に数回程度のこうした宴の時ぐらいだ。姫が病弱であるのも理由の一つだが、王が抱いている別の懸念も知っている。
エリサ姫はあまりにも美しすぎた。まだ十一歳だというのに、過去に存在したいかなる美女も遠く及ばぬほど窈窕たる淑女として完成の域に到達していた。透き通るような栗色の髪が揺れる様も、歪み一つない完璧な顔の造作が織り成す表情も、柔らかく整った唇から流れ出る澄んだ声も、物憂げながら曇り一つない澄んだ瞳も、世の男たちの心を震わせるのだ。
十四歳になれば結婚できる年齢になる。そうなったらどこの国も妃に迎えたがるだろう。だがヤネック王がそう簡単に許すとも思えなかった。早くに妻を亡くしたため、一人娘を溺愛しているのだ。
いまはまだ王の信頼を得ることに専念すべきだ。それはわかっている。
だがどうしてもこの感情を、抑えきれぬのだ。
警備がてらにアクトは宮殿の奥へと足を進める。来賓は立ち入りを許されていない場所。美しい草花が彫金された大きな扉の前に立つ。エリサ姫の寝室。
この日のために大枚をはたいて複製した魔法の鍵を差し込んで扉を開け、中に忍び込んだ。心臓が高鳴り呼吸が荒くなる。ランプが仄かに照らす中、アクトは床にへばりついた。それが手に入る可能性は恐ろしく低いということはわかっていた。見つからなければこの場に立ち入れたことだけでも満足するつもりだった。
だがアクトはついに見つけたのだ。彼が人差し指と親指でつまみ上げたのは、一本の細い髪の毛であった。このために籠手は着けず素手だった。
ほう、と満足げに息を吐き、口を開けて上を向くと、摘まんだ指ごと口腔内に差し入れた。
美味い。
美味い。ウヘヘ。美味いぞっ。ウヘヘ、ウヘヘへへへ。
街の娘や、時には貴婦人すらも胸を熱くする眉目秀麗の騎士の相貌が、多幸感に崩れていた。場所が場所でなければ手を叩き踊りだしていたかもしれない。
エリサ姫を一目見た時から胸に宿った黒い炎が騎士の内面を黒く焼き、かような奇行に走らせていた。
それからもアクトは隙を見ては姫の部屋に忍び込み髪の毛を食べた。ある時は持ち帰って焼いて食べようとしたら燃え尽きてしまったのでひどく後悔して泣き叫び、翌日の仕事は休まねばならなかった。焼くのはやめて、茹でて食べたこともあった。やはり美味かった。出汁も全部飲んだ。まだ熱くて舌を火傷したがなんということもない。千切りにして食べてみたりもした。喉にちくちくと刺さるような感触がたまらなかった。別の毛も探したがそれはいまだに手に入っていない。
髪の毛を食べることで、アクトは姫への熱情を隠し通していた。初めて姫を目にしたのは王が新人の騎士の剣技を見るために開いた上覧会でのことだったか。
王の隣に座る彼女を見た時、いつか彼女を手に入れることを自らが信ずる神、オーリィンに誓ったのだ。
長い戦いになるだろう。王が姫を溺愛していることはすでに知っていた。目が黒いうちは誰にもやらぬと考えていても不自然ではない。だからアクトは劣情を心の内に秘め、王に忠誠を誓い、姫を守る騎士を演じてきた。
すべてはエリサ姫を手に入れるために。
騎士団長の座についてからもアクトは髪の毛を食べつつ機会を伺っていた。彼女に言い寄る王侯貴族たちに憎しみを燃やし、謁見の帰り道の彼らに魔獣をけしかけて殺したりもした。貴様らのようなクズどもに指一本触れさせん。彼女は私のものだ、私が手にすべきものなのだ。
さて。アクトの意識は現在に戻る。バガンはネフタールとは本当に無関係らしい。襲撃の報を聞いた時、邪神と繋がっていることを疑ったが杞憂だったわけだ。
ではネフタールとは何者なのか。邪神の配下を超える強さを持っているのか。おそらくは転移者か転生者であろうが、それすらも明らかではない。
そもそも、殺すことができる存在なのか。
それでもアクトは勝つつもりだった。勝ってヤネック王にネフタールの首を捧げるのだ。そして姫に求婚しよう。ハルマンはもっともなことを言っていた。彼女を救った英雄ならば、王も納得するに違いない、と。
ああ、シャーリエルは彼をうまく扱ってくれた。彼女から時折送られてくる視線の意味にも、アクトは気づいていた。なんなら褒美として妾にしてやってもいいくらいだ。
他の者はアクトにとってどうでもいい、塵芥のような存在だった。皆ネフタールに殺されてくれればいい。生き残るためならばどんな汚い手でも使うつもりだった。
だがもしもネフタールに勝てぬというのなら。
ああ、愛しのエリサ姫よ。そのときはせめてこの手で殺してやろう。
そうすれば永遠に、貴女は私のものになるのだから。
怪物の返り血に服を染め、アクトルン・オーリィン・トールランスは静かに微笑を浮かべた。