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第3話:ドラゴン売ったら儲かった

「しかしドラゴンの死体をどうするか……だよな」


 結果としてこのドラゴンは一撃で倒すことができた。……だが、決して弱くはないんだと思う。ブレスが当たった場所は焦げて真っ黒になっているし、着地したときの衝撃はとてつもなかった。

 俺が強すぎただけで、決してドラゴンが弱かったわけではない。


 そんな強いドラゴンなら、売ればかなりの値がつくはずだ。どうにかして村に持って入りたい。

 ……よし、大きいなら小さくしてしまえばいい。


「小さくする魔法は……っと」


 【縮小化(リダクション)】という魔法を使って、ドラゴンを手の平サイズにすることにした。元に戻すにはこの魔法を解除するだけでいい。


 俺はドラゴンを丁寧に手の平に乗せて、目的地に急いだ。


 ◇


 目的地に着いた。

 遠くから見た時は壁に囲まれた人工物としか認識できなかったが、どうやらここは人間の住む村らしい。

 壁の前には入り口が設けられており、その前には門番が待ち構えている。


「村の中に入りたいんだが」


「ふむ――では通行料三万リールを払ってもらおう」


「え、通行料が要るのか?」


 俺が質問すると、門番は眉間にしわを寄せた。


「当たり前だろうが! どこの村でも常識だ。三万リール払えないなら村には絶対に入れない。そういう決まりだ。さあいったいった」


 門番はシッシとウザそうに手を払った。

 ……と言われても、他に行く当てがあるわけじゃないしなぁ。


「現金はないが、金になるものならある。それじゃダメか?」


「……物によっては後払いでもいいことはいいが。……まあいい、聞こうじゃないか」


「ドラゴンなんだが」


「ふむ、ドラゴンか。それで、ドラゴンのどの部位だ? 目か、鱗か、尻尾か?」


「いや、一体丸ごとだ」


 俺の手の平にはドラゴンがちょこんと乗っている。断じて嘘はついていない。

 しかし、門番の眉間のしわがより一層深くなった。


「馬鹿にしてんじゃねえっ! どこにドラゴンが丸ごといるってんだ! そもそもドラゴンは一人では絶対に倒せねえ。討伐したら剥ぎ取って山分けするもんだ。ホラ吹きめが!」


 嘘はついてないんだが……実際に見てもらうしかないか。【縮小化】を解き、ドラゴンを元の大きさに戻す。一瞬うちに巨体に戻り、地面に崩れる。ドオンッっと音が鳴った。


 それを見た門番は目をカッと見開いて、わなわなと震えた。


「な、な、な、な……そんな馬鹿な……!?」


「えっと……信じてもらえた?」


 俺は【縮小化】でドラゴンを小さくして、手の平に乗せた。


「わ、わかった……認めよう。ドラゴンを丸ごと売れば三万リールくらいは余裕で払えるはずだからな……」


 ◇


 通行料の三万リールは、ドラゴンの売却金額から差し引いてもらうことになった。売却金額は一千万リール。この村の平均月収が二十万リールほどらしいので、かなりの金額になった。いきなり大金持ちだ。


「うん、良い村だな」


 周りを見渡せばレンガ造りの綺麗な建物が並んでいる。商人や冒険者らしき人など、たくさんの人が行き交っていて、活気のある街という印象を受けた。

 草原に放り出されてずっと一人だったからか、人が近くにいるというだけでなんだか安心できる。


 魔物の買取所を出てから、俺はとある場所に向かって歩いていた。お金も儲かったことだし、身なりを調えようと装備屋に向かっているのだ。

 さっきの門番に装備屋の場所を教えてもらっている。どうせならかっこいい装備にしたいものだ。


「ここか」


 教えてもらった場所に着いた。看板には【装備屋】と書かれているから、ここで間違いない。古そうな建物だが、どこか趣を感じる。

 扉を開いて、店の中に入る。


 店の中には客はいないようだだった。

 正面のレジに座っていた店主のおっさんが俺に気づいた。


「いらっしゃい。……お前さん、変な格好してんな」


 初対面でなかなか失礼なこと言ってくれるな……。まあ、いいんだけど。


「ええ、それで今日はなにか良い装備がないかなーと思って」


 店主のおっさんは俺をジーっと見ると、真面目な顔をして口を開いた。


「ふむ、少し肩に触れてみてもいいか?」


「触れる……? いいですけど」


 おっさんは俺の肩に手を乗せて、ふむふむと頷いている。


「……こりゃ驚いたな。お前さん、めちゃくちゃ強いんじゃないか?」


「……よくわかりますね」


「そりゃな。俺は仕事柄色々な冒険者を見てきたから、人を見る目には自信がある。……お前さんは、俺が会った中では最高にデキる男に違いねぇ」


 装備屋のおっさんは、燃えるような熱い目で俺を見つめた。


「お前さんはうちでと用意できる最高の装備を身に着けるべきだ。……予算はいくらくらいある?」


「九百万リールってところだ。……これで足りるか?」


 一千万リールほど持ってはいるが、今後の生活費などを考えると百万リールほどは持っておきたかった。


「少し足りねえが、お前さんには良い装備を着させてやりてえ。とっておきのを用意してやる。ちょっと待ってろ」


 そう言って、店主のおっさんは店の奥に走っていった。

最新話まで読んでいただきありがとうございます。


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