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新たな出会い

「起きてくださいませ。」


声に聞こえて起きると目の前には人がいた。いや、人の顔した大きな猫なのか。アニメーションで見たことがある気がする。ただ、人間とも猫ともいうことができなかったように思う。人猫はこちらを見ている。ただ、両頬からは3本の髭が出ている。昨日の兎の王とは違い、筋肉質ではなく線が細い。しかし、動物のようにしなやかな筋肉のように見える。顔たちは女のように見える。体も心なしか起伏があるように見える。


「私の顔に何か?」

「いや、何もついていないです。それよりもどうかしましたか。そちらからはあまり話かけられないような気がしましたが。何かありましたか。」


彼女は首を横に振っている。それに合わせて彼女の体ぐらいある尻尾が揺れるのが少しかわいい。ひげも合わせて揺れている。人間と同じように表情はあるのだろうが、彼女はわかりにくい。だからなのか、猫なのだろうが人間のように見える。もともと、彼女は人間ではなく、動物だったのだろうか。


「違いますよ。王からの勅令でしてあなたに森を案内するようにと仰せつかっております。」

「森の案内?」

「ええ、案内です。あと、先ほどの話をするならば、このように間近で人間と話をするのは初めてでして。緊張と興味が入り混じった感情ですね。人間は非常に興味深い。近くでなければ話はしたことがありますよ。殺すとか死ねとかですけどね。」


…、少し危ない猫だろうか。それに最後は罵声であり、会話ではない。草木で作られた簡易ベッドをから起こし、猫の隣に立つ。彼女の身長は自分よりも低いらしい。だが、なぜ森を見に行く必要があるのか。森を知らない人と一緒に行くよりは心強いが、初対面の人と森に行けるほどの度胸は持ち合わせていない。少し伸びをして体を伸ばした。慣れないベッドで寝てしまったせいか体が固まっている。少し伸びをしただけで体が軋む。


「案内は王の宰相でシュウコがさせていただきます。」

「そうですか。」


彼女がするわけではなかったのか。彼女の年齢が若いからだろう。そもそもシュウコとはどの人物のことだろうか。

そうすると昨日出迎えてくれた熊が扉から出てくる。昨日とは違い、鎧でしっかりと体を守っている。おそらくあの体格の鎧を作るのには相当な時間がかかっただろう。それに心なしか体に合っていないように見える。少し大きいのか。熊はこちらを見ながら昨日と変わらない動作で俺に話しかける。


「迷い人殿、昨日はぐっすり眠れましたか。ああ、そういえば名前をしておりませんでしたし、地位も言っておりませんでしたね。今更な上、改めてですが、この国で宰相をやっているシュウコと言います。以後、お見知りおきを。一応、説明だけはしておきますが私は文官ですので、武術としての腕はあまりよくありません。ただ、シェイラが事前に気配を感じてくれるのであなたを逃がすことぐらいはできます。」


ここで執事をやりながら宰相やることって普通なのかな…。2メートル近い体格で文官であるとは意外であるが、動物が大きいのでここでは参考にならないのかもしれない。そんなことを考えているとシュウコは廊下に出て行った。シュウコを見ていた俺に猫族の女、シェイラが隣から話かけてくる。


「思ったよりも動揺されておいででしたね。シュウコ様は。あっ、申し遅れました。私、ここで斥候隊隊長をしているシェイラと言います。普段は顔を見せることはありませんが、あなたには見せるようにと王に言われております。さて、少し顔を洗ったら出かけましょう。今日も良い天気のようです。」


 どう見ても空は曇っているように見えるが。この世界の動物はどうやら人間とは違った感性を持っているらしい。いや、彼女は心の晴れやかな気持ちを表しているのかもしれない。と考えながら、自分も対外だなと思ってしまった。いや、彼女が例外なのかもしれない。


 シェイラは俺が顔を洗っている間にいなくなっていた。さすがに隊長ともなれば人の意識から気配を消すことはお手の物なのだろう。まあ、俺が人のことを気にしない性格であるのも関係しているかもしれない。しかし、この部屋の空間はどの動物が作ったのだろうか。草木があまりにも多いような気がする。まあ、気持ちよく眠れたけれど。


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