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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

栽培肉

作者: 椎名 録劃

クルゥソの許に一通の手紙と箱が届く、手紙の内容はとある男の人生でして来た事が書かれたおかしな手紙だった。

江戸川乱歩の人間椅子をイメージした、五分で読める推理風短編小説

 

 一週間に一度の休日にクルゥソは、朝九時半過ぎに毎日来る郵便配達の不躾(ぶしつけ)なノックの音で目を覚ました。クルゥソは夜遅くまで仕事に没頭していた様子の見れる散らかった書斎、というよりは小さな物置小屋に天井に吊り下げられた水色のランプ、数冊重なった本が狭いフローリングに無造作に放置され軋む木材で簡単に作り上げた机に、場違いにも存在するクルゥソの自慢のアンティークチェアひとつ。そんな書斎からクルゥソは隙間のある木製の扉を寝ぼけて猫背になった体を焦る素振りで押し開けて、玄関へと小走りに急ぎせわしなく寝間着姿で家の扉を開ける。

 郵便物の荷物と手はがき程の封筒を貰い書斎へと戻り、二度寝もしたいところ。クルゥソはランプの中のアルコールに浸った木錦に火を灯しを、荷物を机の端に丁寧に置き自慢のアンティークチェアに体重を預けた。十時をまわった頃だろうかクルゥソは両眼に被せた(てのひら)を退け、深く腰掛けた体を軽うく起こし封筒に手を伸ばし、真っ赤なろうを剥がし雑に三つ折りになった手紙を取り出し広げる。










 手紙の中身はこんなだった。

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 クルゥソ様、神も一度見捨てたこの世の中で如何お過ごしでしょうか。

老人しかいない田舎に住むわたくしには、今大事な子供が数人、長男のマルト、次男のハラネ、長女のアテラ。ありがたいことに食事には困る事なく過ごしていました、とは言ってもを最低限の調理した植物だけですが。生活において必要な物はどうもお金が無く買う事が出来ないのです、それもわたくしの住む田舎は自給自足ですので仕事など無いのです、これは今の世の中の田舎では普通な話ですが私はどうも自給自足が完璧にできるような器用な者ではないのです。その為生活に置いて必要な物を買うため加工した植物を町に売り歩いて行くことにしたのですが町までは数十キロありとてもとても疲れるのですが町に着いた時の嬉しさは大きなものでした。ですが久しぶり町は懐かしいと言うよりは寂しいというのでしょうか、崩壊した建造物に木々の骸、黒い布に身を包んだボンヤリとした表情の町の住人達はわたくしに寂寞の別世界を見せました。これが町。寂しいだけでまとめることが出来ないそんななか、通り過ぎる硬い表情の歩行者達に、売り物を進めましてはたまに売れるのですが、この町には税金、と言う物がご存知でしょうがありまして、売ってお金に変わったものは税金としてだいたいを持ってかれ稼ぎが雀の涙でした。ですが私は長い岐路の中で思付きました。それはもっと、もっと稼げるようになる方法でした。

簡単なことです。家畜を育てることです。メリットが大きいですがデメリットも大きく食費が何倍にも掛かります。恵まれたことに家畜は大きく育ち繫殖もしました。これ程上手くいくなら最初からやればいいと思ったことです。私はまたあの寂寞だった町に、家畜の新鮮なきめ細かな肉切れを売りにまた行ったのです。わたくしは町の変貌に怪顛してしまいました。崩壊した町並みは、昔懐かしい、そう私が子供の時にみた風景に新しい絵の具を足したかのような「懐かしい」に相応しい町になっていたのです。人々黒ずくめの姿は、色彩を増してボンヤリとした表情は穏やかに多種多様なまでに晴れ晴れしていたのです、前よりも何倍にも売り物もすぐに無くなり財布に硬貨が貯まっていったものですからもっと売り物を持ってこれば良かったものでした。

次の日もまた次の日もわたしはの売るお肉は膾炙(かいぎゃく)していきまして、わたくしは色々な人にわたくしの作ったこのお肉を口に運んで頂き、美味しいと言ってもらうことが、生きる糧となりました。

あと以前と同じく税金もありましたがそこまで、マイナスにはならなかったですし生活はようやく安定してきました。ですが長くは続かなかったのです、それは幸せに埋もれたわたくしの人生に長い間家をでて空白の時間を過ごすことなのでした。

その空白の時間の間というものは真っ黒の間で過ごし酷く辛く幸せが恋しくなる無聊の中でわたくしは絶望の沼に嵌ってしまいました。真っ黒の空間で暫く経った時の事です、空白の間で私はとある事をまたもや思いついたのですそれも計画的な私案の数々。それはそれは恐ろしくも素晴らしい事この上ない事なのです。こんな天才じみた私案を思い付くなんてわたくし自身が怖くてしょうがありませんでした。わたくしは、この空間から脱出を成功させました、でもまだそれは序盤でしたが自分の家に着いた頃にはそこには、残滓のごみクズしか残っていませんでした。

わたくしは疲れ果てた体が限界にも崩れ落ちました。何故こうなったのか。何処で間違っていたのか。

わたくしは、思い出しました自分が犯してきた罪の数々を。そして今わたくしは、また生活を取り戻すための数年、やっとまた安定の人生が過ぎて今、幸せと罪と病に病んだ人生をスパイスにあの空間での恐ろしい計画の一つを実行することにしました。

話が違う方向に人生話を長々としまいました。本題に入りますクルゥソ様、今回送らせて頂きました、その心を込めて作ったそのお肉を今夜中、悪くなる前に食べてほしいのです。、お世話になりましたクルゥソ様には特別なのです。

では、クルゥソ様お体に気を付けて残りの人生をお過ごしください。


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 意味の解らない手紙はここで終わっていた。










 クルゥソは不気味に思い気味の悪い手紙をぐちゃぐちゃに丸め机横のゴミ箱に放り投げた。次に横の手拭いに包まれた中くらいの四角い贈り物に目をやった、捨てようか、とも思ったクルゥソは流石にそれは酷いのではと考えたのか怪し紛れに贈り物を自分の前に持って来た。結ばれた手拭いを不器用にも解かすと木箱があり木箱の蓋を開ける。中身は勿論新鮮な肉ではなく切断と洗うだけの処理しか施されていない子供の腕と、腸や肝臓、男の子の小さな頭一つがぎっしりと詰め込まれ悪臭を漂わせていた。

 クルゥソは驚きのあまり情けない大声で叫び、後ろに倒れ込んっだ。クルゥソの視界に映る扉の隙間から新たな手紙がすぅと入って来た。クルゥソは恐怖で竦みながらもこの小さな書斎に漂う悪臭を肺一杯に吸込み、起き上がり手紙を震える手で取りふうを開けて手紙に目を凝らした。





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どうでしょうか私の心、いいや真心込めて作った家畜の肉は、人肉は酸味があるとは言いますがそれは違うのです。体格にもよりますが人肉というのは、身質はまるで牛肉のようで、猪のような味わい、内蔵は豚と同じでして、決して美味しくない訳ではありません。寧ろほかの肉には戻れないほど美味しいのです。

そしてこの肉は、食べ頃の子供の肉なのです。 ちゃんと生きている中に解体は鼓膜がいくつ有ってもやりませんので、頭に衝撃を与えて植物状態になって数日放置したあと、解体しています。その方が断然切断しやすいのです。人間はどうも脂が多く刃が悪くなりやすいんですよね。

とは言っても悪くなりやすいので、すぐに食べ頂いて欲しかったのですが、クルゥソ様には。私を牢獄に閉じ込めたクルゥソ様には。

流石クルゥソ様、わたくしを捕まえてしまうなんて誰が思った事でしょう。

クルゥソ様が住むその町で、遠くの田舎で殺生を働いたわたくしめを捕まえてしまうなんて。

牢獄の中考えていました。クルゥソ様、クルゥソ様にどうやって復讐をしようかを。

まず脱獄をしようと警察を夜遅い衣服を奪い肉を剝ぎ取りました。

まんまと簡単に脱獄が出来たものですから驚きましたよ。

数十キロ歩いて帰ってきたのですが家に着くとそこには何もかも無いのです、今まで育てた子供達も何も。

そこでわたくしは、新しい家を奪い、数少ない子供を捕まえて監禁して何人も監禁して繫殖させ、その肉を違う町で売って金を稼ぎまた安定した生活が蘇り。最後の計画を実行するのです。全てぶつけるため。

復讐をするのです。


クルゥソ様、わたくしは今、クルゥソ様の部屋の前にいます。忠告です騒いだりしても無駄です。周りの住人はもう居ません。制限時間はあと三十分です。

では最後の晩餐をお楽しみ下さい。


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 クルゥソは、尻餅をついて扉をひきつった表情でじいっと見詰める。この扉の先に殺人鬼がいるのだから足が、いいや全身が震えて動かない。

クルゥソは殺人鬼を捕まえた警察だった。町から数十キロと離れた村で老人が次々と消えてゆくという話を聞きつけたクルゥソは禍根を突き止めるためその村まで足を運んだ。最初は何の情報も無かった為一度諦めたもののある日またとある事をきっかけに村に足を運んでのだ。何時ものように情報収集の為、年期の入った木造の一軒家を尋ねた、それが偶然にも殺人鬼の家だった。

その時間帯は殺人鬼は町に出てい為居なかったが、家から腐った肉の悪臭がしたため、無理矢理扉をこじ開け家内を徘徊すると大量の肉塊が窓を板で打ち付け光を遮断した暗澹たるキッチンに散らかる人らしき肉塊。

 クルゥソは周章で家を出た、そしてクルゥソは、犯人に思い当たる点があった。それは町に肉屋が来るというものそれも誰もが欲しがる程の味わいの肉を。

町に戻り、次の日肉売りの男、そう殺人鬼に肉は何の肉だとと訪ねるが殺人鬼は、自分の農園で品種改良を施した牛肉です。などと否定したがその肉を調べた所人肉であった。また次の日殺人鬼を捕える事に成功し家も取壊し子供達も解放して、殺人鬼を牢獄行きの死刑にしたのだが、殺人鬼は警察を襲い脱走した。殺人鬼は姿を完全に消して、皆はそこらで、行き倒れているだろうと看過した。

そしてそれから数十年はなにも起きなく不自然な程に平和な時間が過ぎてゆくため、クルゥソはあの殺人鬼は行き倒れしたのかと、


 その時の謬見(びゅうけん)の殺人鬼が今こうして反駁(はんばく)も出来ないクルゥソが見詰める扉越しにいるのだ。

 


どうだったでしょうか「栽培肉」パット読めて最後はどうなるのか、と言う感じに仕上がりました。

執筆しようと思った理由としては、違う小説を執筆中に息抜きとして執筆しましてネタは執筆しながら考えたので半日掛かってしまいました。

一応この物語のタイトルの由来解説としては、

殺人鬼は最初は植物を売りに行った。というのは植物というのは老人の肉を表しています、植物の呼び方ですけど、一回植物状態、つまり気絶させてそれをを寝かせて肉をやわらかくした物を植物と呼んでいます。そしてその作業を栽培という事で「栽培肉」 ただそれだけです

気になるところがありましたら、教えて下さい、多分ですが間違っている点、科学的におかしな点が多くあると思うので。

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