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小さき蒼雷の魔法使い  作者: 柊木凪
幼少期編
7/67

第五・五話「家族」

改稿しました。

「……ライガ? お主、まさか両親が分からないのか?」


 サラは恐る恐る問いかけ、ライガの返答を待つ。


(……どうしよう。転生者の事は知られてるみたいだし、話してもいいか)


 ライガは転生の事を話しても良いのか内心で少し悩んだ後、サラへと打ち明けることに決め質問の答えから返事を返すことにした。


「えっと、分からないと言うより知らないって言った方がいいかもしれない。俺のステータスを見たならわかると思うけど、転生者みたいなんだ――」


サラは静かに椅子に座り、ライガに話の続きを促す。

 ライガはこの世界に目覚めた瞬間から、ステータスの事など今日までの事を簡単に話した。


「一応今日まではこんな感じな訳で……」


「なるほどのぅ。簡単にまとめると、転生したことで状況が分からず情報が必要だった。

だから後先考えずに家を飛び出し、今に至ると言う事じゃな?」


 最後までライガの話を聞いたサラは、確認のためにライガに目線を合わせ聞いた。


「えっと、無計画ってわけじゃ「訳じゃなかったのか?」


「もちろん! 思い付きと成り行きだ!」


「それを無計画と言わんで何というのじゃ!!」


 ライガの返答に思わず大きな声で突っ込んでしまったサラだったが、洞窟に二人の来客の気配を感じ話を中断する。


「まあ、済んだことは仕方ない。今は迎えがきたようじゃし、出迎えに行ってくるからそこで大人しく待っておれ」


 そう言い残したサラは、入口の方へ歩いて向かった。


(迎え? 迎えって)


 ライガは疑問を抱きつつも、サラに言われた通り大人しく待つこと数分。扉が開く音が聞こえ騒がしく足音が近づいてくる。

近づいてくる足音を聞きながら、布団に座り入口の方を眺め、待つこと数十秒。一人の女性が姿を現す。


(誰なんだろう? 綺麗な人だな。まあサラが戻って来てから聞こう)


 女性に視線を向け様子を伺いながら、サラが戻ってくるのを待つことにしようと静かにしていたライガ。しかし突然女性に名前を呼ばれた事で驚き反応が遅れてしまう。


「ライガ!!」


女性はライガの姿を確認すると同時に笑顔になり、真っ先に両手を広げ抱きついてきた。だが女性が誰か分からなかったライガは、困惑しつつも素早く鑑定を使う。



ステータス

名 前:サーシャ

種 族: 人種

性 別: 女

年 齢: 22

レベル: 65

職 業:魔導師

称 号:天才魔導師 殲滅せし者

    魔法のスペシャリスト

    元Sランク冒険者


   次のページへ→ (1)


ステータス

体 力:5,100

魔 力:8,370

状 態:なし

魔 法:火 水 土 風 雷 光 闇魔法

スキル:危機回避 身体能力向上

    魔法詠唱破棄 魔力操作

    魔法威力・範囲補正

    体魔自然回復力向上

    隠蔽・結界構築


   ←前のページへ (2)



 鑑定である程度の確認をしていると女性が呟くように声をかけて来た。


「良かった……怪我はしてない? 痛いところはない?」


 女性はライガに抱きつくと笑顔が消え、今にも泣き出しそうになりながら力強く抱きしめる。そして暫くの間、離れようとはしなかった。


ライガは為されるがまま成り行きに身を任せつつ、女性の後から静かに部屋へと入ってきた男性へと視線を向ける。

 男性は女性とライガへと視線を送ると、少し悩むそぶりを見せて、壁際へと腰を下ろしいつの間にか姿を見せていたサラと一緒にこちらを見ていた。


(そう言えば、サラが二人来ているって言ってたっけ。 一応鑑定しておこう……サラも一緒に居るし敵ではなさそうだけど)


 ライガは、疑問を少しでも解消するために男性にも鑑定を使う。



ステータス

名 前:ガイヤ

種 族: 人種

性 別: 男

年 齢: 24

レベル: 69

職 業: 戦士

称 号:拳聖 魔物の天敵 頑丈

    元Sランク冒険者


   次のページへ→ (1)


ステータス

体 力:9,600

魔 力:3,815

状 態:なし

魔 法:無属性(魔撃掌 魔爆 魔空弾)

スキル:体力自然回復力向上 威圧

    身体能力向上 魔力操作

    危機回避


   ←前のページへ (2)



鑑定の結果、この二人のステータスはレベル的に見たらかなり強い事が伺えるのだが、ライガはこの世界での普通のステータス平均値が分かっていない。そのためいずれ確かめてみる必要があるだろう。


 女性に抱き締められたまま鑑定結果を眺めていたライガだったが、二人のステータスと自身のステータスを見比べ一部共通点が見受けられた。


(この二人の称号にある項目――天才魔導師と拳聖って。俺のステータスにも似たようなのがあったな。もしかして?)


 ライガの思った似たような項目とは、称号にある“魔導師の子”“拳聖の子”のことである。

 魔導師はともかく拳聖なんて称号が早々あるとは思えないライガは、自分の異世界での家族なのではないかと思い始めた。

 そんなライガの思考を中断するかのようにサラが口を開く。


「さて、そろそろ良いか? ライガからある程度の話は聞いたが、お主ら二人からも事情を聞いておきたいのでな。簡単に状況の説明をしてもらえるかの?」


 ライガだけの説明では分からないこともある可能性もあり得る上に、もし何か事情があってやむを得ずこの状況になったかも知れないために一応確認のしておこうとサラは思っていた。


 そしてサラの質問を聞いて、女性が話し始めた。


「実は……」


 女性はここ最近の事、ライガが高熱で寝込み意識が無かったことから今日の今までの事を話始めた。

 話を聞きながら途中辺りから事の流れと状況、ライガの事を察した。


「……私から言えるのはこれくらいです」


 女性の話を静かに聞いていたサラはいくつかの疑問を口にする事に。


「いくつか聞きたいことがある。だがその前に――」


 まずは今の話とライガの話の中で一番の重要な事を確かめなければならないと思ったサラはライガへと視線を向ける。

 視線を向けられたライガは女性、サーシャの話を聞きながら自分の話とつなげ自身の考えが当たっている事を自覚する。


(この二人が俺のお父さんとお母さんなんだな。ならサラの言っている事は転生者の事を話せと言う事なんだろうけど、正直俺的には初対面だから話していいものか悩むけど)


 ライガは先ほどまでの話の内容を思い出し、この二人に転生者についての話をする事を決め口を開く。


「……ちょっといい? 大事な話があるんだけど」


 ライガの突然の言葉に、二人は目線を合わせ頷き合い、再び向き直り女性が話の内容を聞いた。


「いいわ。大事な話なのでしょう?」


 二人の様子を見て意を決し、第一声を口にする。


「実は、俺――転生者なんだ」


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