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小さき蒼雷の魔法使い  作者: 柊木凪
新人冒険者編
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第四十五話「計画の内容」

「お前の負けだ!大人しく話してもらうぞ?」


「…くそっ!うっ…。」


 ライガに剣を突き付けられたボブは突然苦しみだした。


「はっ!?なにかした?」


 ライガは十分に警戒していた。

 そして、周りで寝ている兵士も何もしていない…。

 別の場所から攻撃を受けた訳でもないだろう。


「急になんなんだ!少し前までは見ている奴が居たがそいつがなにかした?

だけど、今はもういないし…。」


 そうして、ライガの考えている数秒の内にボブは動かなくなってしまった。


「おい?おい!おっさん!?」


 ライガは動かないボブの元へしゃがんで声をかけた。

 しかし、ボブは眠っているように反応がない。


「…反応がない…只の屍のようだ。って言ってる場合じゃない!」


 ライガは、ボブの状態を確認するため呼吸や心音を見た…。


「…呼吸無し、心音無し。もしかして死んでる?」


 ライガは一つの仮説を立てた。

 先ほど突然苦しみだしたことから…可能性として考えられるのは、毒殺だ。

 ライガがこの部屋に来る前から既に毒を体内に入れられていたか。

 若しくは、毒の薬みたいな即効性の薬を口に含み拷問を受けたくないから自殺した。

 

「今考えられるのはこれくらいだな…それよりこいつらをどうするか。

なあ?起きてるんだろ?指揮官さん?」


 ライガは少し前から意識を取り戻していた指揮官の男へ質問した。


「気づいていたのか…お前は一体何者なんだ?」


「まあ、今は俺の事は良いだろう?この状況が分からない訳じゃないだろう?」


 ライガの言葉に周りを見渡し少し考えてから口を開いた。

 

「そうだな…ボブ様は?」


 男の声にライガは静かに首を振った。


「そうか…。」


 男は再び黙り込みライガへと目線を合わせ、静かに立ち上がった。

 

「俺たちは仕える領主を守れなかった。

そして、お前に敗北した以上逆らう事はしない。

お前の好きにしろ。」


 男は覚悟を決めたようにライガに言い放った。


「そうか、じゃあ、聞いて置かないといけない事があるな。」


「なんだ?」


 ライガは余り長くこの場所に居たいと思わないので単刀直入に聞くことにした。


「今回の計画についてだ。

勿論知っている範囲で良いぞ?

言わない場合どうなるか保障しないがな…。」


 ライガから僅かながら魔力が放出され始めた。


「安心しろ…抵抗するつもりはないし、知っている事も話す。

だから、その魔力の放出を抑えてくれ。」


「分かった…。」


 そして、男は今回の事を知っている限りで話始めた。

 話をまとめると…


 ボブはアルファス王国の上級貴族や国王に対し不満を持っていた。

 パーティなどの扱いがひどかったらしい…因みに国王は知らない。


 だが、クーデターを実行するような人では無かったらしい。

 というのも、臆病だったらしいのだ。


 臆病であるために、争い事が嫌いだった…だが、ある日を境に少しづつだが変わって行った。


 そして、まるで人が変ったようになってしまった。


 次第に王国への不満も上がるなか、数日後、黒づくめの男が屋敷に来た。

 黒づくめの男が何者なのか…それは分からないが一般人ではないのではないかと思っていた。


 しかし、それ以降に黒づくめの男は現れる事はなかった。


 その後、ボブの一人外出が多くなり何度か尾行を試したが見失ってしまったが、恐らく誰かと会っていたのだろう。


 それが誰なのか、分かったのは計画を知らされてからだった。


 計画の内容は外部の者と協力し国に反乱(クーデター)を起こすと知らされた。

 

 王城でのパーティを狙い領地へ帰る上級貴族を外部の者の協力により連れて来た。

 そして、人質として王城を乗っ取る計画だった。


 


 そこでライガは男に待ったをかけた。


「ちょっといいか!?」


「なんだ?」


「そこまではいい…いや突っ込みたいところはあるけど、王城を乗っ取ってどうするつもりだった?」


 ライガの疑問は王城の乗っ取りに成功してもその後どうするつもりだったのか…。

 もし成功してもこの世界には冒険者や貴族の兵士など居る訳だ。

 この世界の魔法を全て把握している訳ではないが、隠密系や俺みたいに時空間魔法みたいな魔法を使える者だっているはずだ。

 つまり、この計画には穴がありすぎる。

 いちいち指摘するつもりはないが…。


「悪いな…そこまでは聞いていないんだ。」


「そうか。

…なら、この計画の協力者とは誰だ?」


 ライガは次の質問として協力者の事をダメ元で聞いた。

 もしも、仮に他の国が後ろに居たらライガ達だけの問題ではなくなるからだが、ライガはこの可能性は少ないだろうと思っていた。


 …ほかの国が付いてるのにこんなにお粗末な計画なわけないしな。

 なんなら、人質を他の国に移動させていても良いし…わざわざ王城を乗っ取って立てこもりみたいに不利な状況を作らなくてもいいと思うんだ。


 ライガの考えを余所に男は再び口を開いた。


「闇ギルドだ」


 ライガは国じゃない事にほっとしたが…闇ギルドとは何か分からなかった。

 正確には前世の知識にはそれらしい物がある。

 国の裏側を支配し裏の仕事を請け負う組織らしいが、それがこの世界に当てはまるのか分からないのだ。


「闇ギルド?」


「ああ、闇ギルドはほとんどの国に潜み裏の仕事をこなす組織だ。」

皆様、柊☆黐です。

本日もお読み頂きありがとうございます!


是非ブックマーク登録とポイント評価をよろしくお願いします。


今回は、皆様にご報告があります。

大変申し訳ないのですが、この誘拐のお話が予定より少し伸びてしまいました。

なので、一話だけ追加を予定します。


私のわがままですが…もう少しお付き合いください。


では、次回第四十六話「ケイレスの行方」でお会いしましょう♪

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