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小さき蒼雷の魔法使い  作者: 柊木凪
幼少期編
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第八話「危険の迫る街」

「ぶっ潰してやる!死ねや!」


 俺は雷を薄く纏い、速度、耐久、力を上げ、更に相手の殴ってくる力も利用することでギルドの外に投げ飛ばした。


「取り敢えず邪魔だから外に行こうか...

うりゃっ!」


「ガハッっ!ガキ...何しやがった!」


 ライガは相手の力を利用しただけであとは勝手に自分から外に行くように...


 えっと、以外と弱い...そう思ってしまっても仕方ないだろう。


 ライガの感覚的にはゴブリンと同じくらいに思えたが、周りを見るとその感覚が可笑しいことに気がついた。

 何故なら、酒場や受付に居たすべての人が驚愕していたからだ。


 そして、酒場の方から話し声がきこえるため聞き耳をたててみると...


「...おい、俺の気のせいか?あの子供が巨体を投げ飛ばさなかったか?」


「いや、気のせいじゃないぞ...俺にも見えたからな。」


 男達の話し声は酒場にいる者たちにも波紋し、結果的にこの騒ぎの結末を見届けることにした。

 

 どうしよう...視線をたくさん感じる。

 目立ってしまったのだろうか?

 まぁいいか...目立ってしまったものはしょうがないのでさっさと片付けるとしよう。


「...はぁ。めんどくさいな...」


 独り呟いてから念のため助けてもらえるかもしれないと期待を込めて母さんの方を見たら笑顔で握りこぶしを見せられ、父さんは、にやけて傍観していた。

 二人揃って、やっつけてこいとでも言わんばかりに...


「...これは、ダメですね。さっさと終わらせるか。」


 ライガは覚悟を決めて表に出るのだった。

 表に出ると回復したおっさんが待機していた。


「よお、遅かったな...待ってたぜ?

今度は油断しねぇぞ。ガキだろうが手加減なしだ!」


 あ~うるさいな...一応さ?俺、子供なんですけどね。本当にめんどくさい。


 吠えているおっさんを待たせるのも...そろそろ申し訳ないので、少し強めに本気を出すことにした。

 これは、周りへも牽制も含んでの事であるがライガはただ頭にきていただけだったりする。


「...じゃあ、さっさと終わらせる。」


 さっきと違い雷を目に見える密度で纏い戦闘準備をした。

 この時、ライガは気づいていないが、周りの人達から見ると空の終わりとも呼べるような蒼い雷を体から発していたのだった。


 そのライガと対面しているザギの体は小刻みに震えて、今更ながらにヤバイ奴に絡んだのかもしれないと後悔していた。

 しかし、ここまでしてしまった以上引き下がれない...覚悟を決めザギが使用している両手剣を構え、スキルを使用した。

 

「武闘系スキル...移動加速ソニック!」


 そして、そのまま素早い動きで近づき上段から斬りかかってきたが...ライガにはとてつもなく遅かった。


「...遅い。新技、雷撃微弱(ショックボルト)


 ライガは剣を交わし、ゼロ距離まで近づくと超弱い謂わば雑魚制圧用とでも言わんばかりの試しに使った。


 結果、ザギは...成す統べなく気絶したのだった。









 そして、時は遡りウィドは領主の屋敷を訪れていた。


「バルト様がお会いなされるようです。応接室にご案内致します。」


 屋敷のメイドがウィドを迎え入れた。

 そして、少し歩いき広めの一室、応接室に通された。


「少々こちらでお待ちください。」


 それだけ言ってメイドは応接室を退出した。


「...はあ。説明どうしようかのぅ...」


 話す内容を考えながら待っていると、まもなく扉をからノックが聞こえてきた。


「失礼します。

ウィド様、バルト様がお会いになられるそうです。こちらへご案内致します。」


 再び案内をしてもらい、執務室にやって来た。そして、メイドが扉をノックした。


「失礼します。ウィド様をお連れしました。」


「入りなさい。」


 扉の向こうから重みのある渋い声が帰ってきた。


 それから、扉を開けるとバルト・ルーベンス辺境伯は書類に向かって仕事をしていた。


「すまないな。少しそこに腰かけて待ってくれ。これで一段落するからな。

あとは、誰か、飲み物を持ってきてくれ。」


 それだけ言ってバルトは再び書類に目を通し始めた。

 数分ほど待つと扉からノックが聞こえた。


「失礼します。お飲み物をお持ちしました。」


「ありがとう。」


 飲み物の準備が出来たと同時に書類にサインを書き終わると席を立ちウィドの対面に座り直した。


「待たせてすまないな。一昨日ぶりだな...ウィド。今日はどんな話があるのだ?」


 緊張感のあり、不安を感じる雰囲気のなかでバルトは口を開いた。

 

 ウィドはギルドマスターと言う役職柄領主ともよく話をするため何日かに一度領主に会うのだが、会う際は前もって連絡を必ずしていた。

 だが、今回は緊急事案であるため連絡無しで直に来ているのだ。

 それが、緊張感と不安の原因だった。

 そんななか、ウィドは話始めた。


「世間話は無しに...単刀直入に言わして貰います。

魔境の森にて魔物の氾濫スタンピードの可能性があることが本日判明いたした。

......と言う感じです。

ギルドとしては明日緊急依頼を出し早くて4日後に討伐を開始出来ればと思っています。

その際の報酬などの支援の方もお願いしました。」



 バルトはウィドの話を聞き終えると同時に事の重要性を考えて直ぐ様対策を考えていった。


 そして、話が纏まったのは昼前だった。




 ウィドがギルドに向かって歩いている何故かギルド前にかなりの人だかりが出来ていた。

 ウィドはそのまま進み人だかりをかき分け見える位置まで移動すると驚愕に目を見開いたのだった。


 そこで見た光景はとてもではないが信じることが出来なかった...


 目の前には子供と巨体の大人の男が戦っていたのだ。

 子供の方はあり得ないくらい高密度の魔力をその身に宿し辺りにとんでもないほどの圧力を与えていた。

 そして、次の瞬間巨体の男がスキルを使い子供に近づくと大きく振りかぶり斬りかかったではないか。


「これは、止めなければ!」


 しかし、ウィドが動くよりも早く子供が一瞬でゼロ距離にまで近づき雷撃を放ち巨体の男が気絶していた。


「なんと言うことじゃ!あの歳で膨大な魔力を制御しておるとは...

しかし、危ういのぅ。」


 よくを言えば、暇なら話をしたいが、今はそれどころじゃないためその場を近くにいた職員に任せて、これからのことを考えるのだった。


「願わくば...無事に生き延びて、あの子供と話をしてみたいのぅ。いずれは...」








 そして、ライガはと言うと...


「あのさ、父さん...いや母さんもだけど、何で助けてくれなかったの?お陰で大変なんだけど??」


 説教をしていた。

 

「いや、悪かったって...な?でも、助けなんて要らなかったろ?見た感じ雑魚だったしな。」


「そうよねぇ!ライガならあんな奴すぐやっつけるって信じてたわよ!」


 この瞬間ガイヤとサーシャはほんとよくにていると思ったライガだったが、ふと、この街に来た理由を思い出した。


「はあ。分かったよ...取り敢えず、倒した魔物いるなら売ってきてよ。教会に行くんだろ?」


 そして、三人は受付にて再び注目を浴びる事となるのであった...

どうも、皆様柊☆黐です。


 今回もお読み頂きありがとうございます。

 異世界転生物の定番トラブルに巻き込まれると言うのを書いてみました。


 お楽しみ頂けていたら嬉しく思います。

 もし、良ければ...いいね、とお気に入り登録をお願いします。何か気になることがあればコメントにお願いします。


 さて、次回は第九話「教会、そして、神」でお会いしましょう♪

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